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【読書感想文】『宇宙怪人(江戸川乱歩・少年探偵シリーズ)』

江戸川乱歩の代表作「宇宙怪人」は、銀座の夜空に突如浮かび上がった銀色に輝く円盤からスリリングな物語が始まります。その後も世界中から怪しげな巨大トカゲの目撃情報が次々と寄せられ、人々を恐怖と混乱に陥れていきます。

名探偵明智と小林少年は、この未曾有の事態の謎を解き明かすべく、警視庁やチンピラ達の別動隊らと力を合わせて奮闘します。作者江戸川乱歩の筆致は、そうした緊迫した状況の中で、私たちを不安と興奮の渦に巻き込んでいきます。 この作品を読み進めるにつれ、宇宙怪人の正体や目的を追求する過程で、明智や小林、そして仲間たちが遭遇する驚くべき出来事に、読む者も次第に引きずり込まれていくことがわかります。

例えば銀座の夜空に浮かぶ円盤を追う場面では、明智の冷静な推理と機転が利いた行動ぶりに、私は強く心を惹かれました。 一方のアメリカでの怪物出現事件は、この事態の核心に関わる重大な鍵を秘めており、こうした展開が物語の醍醐味を存分に味わえる場面の一つとなっています。

江戸川乱歩は、宇宙怪人に関わる謎を紡ぎ出しながら、そのスリリングな展開に私たちを徐々に引き込んでいきます。まさにミステリー小説とSF小説の両方の要素を兼ね備えた、痺れる作品なのです。 ミステリー小説が好きな方はもちろん、サスペンス小説を楽しむ方にとっても、「宇宙怪人」は必読の一冊と言えるでしょう。

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