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【連載】ハワイで気になったこと、もの その1

写真家・市橋織江さんが長年にわたり撮影してきたハワイの写真がカレンダー『ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi』になりました。このカレンダーに言葉を添えるのは市橋さんと多くのハワイ本を手掛けてきた編集・ライターの赤澤かおりさん。ここでは、赤澤さんによるハワイの思い出やエピソードをお伝えします。

プロフィール:赤澤かおり Kaori Akazawa
フリーライター+フリー編集者。主に料理と旅、暮らしまわりのことを中心に執筆・編集を行う。『THIS IS GUIDE BOOK IN HAWAII』『Travel Hawaii』(ともに主婦と生活社)、『Hawaii note ハワイ手帖』(KADOKAWA)などハワイにまつわる著書多数。最新刊は『人生にはいつも料理本があった』(筑摩書房)。
Instagram:@kaoriakazawa.akalohasunny

(執筆・写真 赤澤かおり)

 市橋織江さんとのハワイのカレンダーのお仕事を終え、出かけたハワイは、3年半ぶりということもあり、いろいろ気になるもの、ことがありました。以前から知っていたけれど、あらためて思うことがあったり、偶然が重なったりで勝手に運命を感じたり。

 ハワイは、そんなことを思い出させてくれる場所でもあるなぁと、この2つのことを思いながらしみじみしました。今回はそんな2つのことを書こうと思います。

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Manoa Honeyがマノアからワヒアワへ。

 沖縄に住んでいる友人から「私の友人がハワイでお酒を作っているから飲んでみて」という連絡と、空港に迎えにきてくれたハワイの友人が「おかえりー、かおり! 好きそうなお酒を買っておいたよ」というのが、ほぼ同じタイミングで重なり、それが同じお酒でビックリ。

 さらに言うと、それはManoa Honeyという、以前取材をさせていただいた養蜂場の名前が会社の名前になっていて、??と思っていたんですが、別の方が買い取りし、現在はマノアからワヒアワに場所を移動され、養蜂とともに「ミード」とよばれる、ハチミツに酵母菌を加えて発酵させた醸造酒も作っている会社になっていました。

私のハワイの兄貴、ジムは大のお酒好きであり、さまざまなことを研究&実験するのが大好きの教授。

 ワヒアワにはその工場があり、養蜂場や工場が見学できるツアーもあるようで、ハワイの友人たちはちょくちょくそれに参加していたようで、これを私に飲ませたい!とはりきって待っていたわけです。 

滞在中、よく飲んでいたのがこちらのバージョン。ワインのような感じで、余韻にはしっかりハチミツ感。

 こんな偶然があるのかと驚きましたが、こういうことがあるのがハワイのミラクル。ワヒアワのショップにも連れて行ってもらい、いろいろ試飲も楽しみました。残念ながら沖縄の友人の友人には会えなかったけれど、そこにあるものすべて買いたいくらい、どれもほんのりハチミツの余韻が残る味わいに、すっかり虜になってしまった私。 

ブランデーのような濃厚なこれらもまたおいしかった!!

 全種類置いてあったわけではなかったけれど、ホールフーズでもよく見かけたので、友人宅に行く時は必ずこれを手土産にしていたほどお気に入りに。次にハワイでまたこのお酒が飲める日が待ち遠しい〜。

ワヒアワの工場のとなりには小さなショップと試飲が楽しめるスペースも。

*Manoa Honey&Mead
930 Palm Pl.,Wahiawa
808-493-9081

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Mr. Melow というキャラクター

 疲れた気持ちに沁みるもの。ハワイにはそういうものがたくさんあります。これもそのひとつ。その名の通り、ちょっとぽわんとしたメロウな笑顔は、「たいしたことないよ。気にしない、気にしない」と肩をポンとたたいてくれているようで、気持ちがほっこりします。

お店に入るとこのでっかいミスターメロウがお出迎え。

 このイラストを描いているのは、ハワイ在住32年のアーティスト。チノ・ユタカさん。ご自身で描かれるこのゆる〜いイラストはTシャツやバッグ、バンダナなどにご自身でプリントされていて、そのグッズが買えるお店もあるんです。 

Tシャツにおさまったミスターメロウもいいんですよねー。ぷぷっと笑えるミスターメロウの後ろ姿。お尻が見えてて、油断しすぎ〜。w

 私がこのイラストに出会ったのは、ワイキキから徒歩15分ちょっとのダイヤモンドヘッドの麓にある「パイオニア サルーン」というプレートランチ店で。そこで販売されていたTシャツのイラストのゆるさに一目惚れ。

 そこから「DFSワイキキ」や「ハワイ州観光局」、「LAY LOW」などのコラボバッグなど、あちこちで目にするようになり、なんだかいつもハワイのメネフネ(妖精)に見守られているような気持ちになり、ホノルルにあるオリジナルものが買えるお店にもちょくちょく顔を出すようになったというわけなんです。

ハワイを感じるゆる〜いこんなフラッグもあります。

 最近、私が思っているのはこのミスターメロウが、絵本になったり、アニメになって動いたりしたらいいのになぁってこと。絵本って、子どもたちのためのものだけじゃないと思うんです。

 大人になった今だって「それでいいんだよ」と背中を押してもらいたいことや、「普通が一番」「大丈夫、それでいいよ」とこのゆるーい笑顔で言ってもらいたい日があるから、そんなときぱらりと開けるお守りみたいなミスターメロウの本があったらいいのになって、このところずっと思いながら、滞在中、何度も店内を散策してきました。誰か作ってー!!

*Wimini Studio
James M Chrones Building 2015 S.King St., Honolulu
808-260-1213


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