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マーケッターは「ボトルネックを探せ」(制約条件の理論)

どうも、マーケロボの山縣です。

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年末で連休に入っていますが、、、今年は帰省せずにいつもの休日を過ごしています。仕事よりも子供たちの相手をする方が100倍疲れるな…と2日目ながら感じています。


さて、マーケロボは9月が期初になるのですが、今期から360度評価をすることになりました。私はカスタマーサクセスのマネージャーをしているのですが、早速、2点気になるフィードバックが。

①クライアントの成果って最近聞かない…(出てないんじゃないの?)
②コンサル運用額やアップセル・クロスセル多いけど、属人化し過ぎ…ノウハウの浸透とか出来てないよね。


なるほど。。。ちょっと待ってくれ。

クライアントの成果事例も多いし、メンバーに展開するために色々やってるのに!まじか。。。と思ったわけです。


ただ、反省しないといけないな…と思ったのが、自分がやっていることって全く周りに(他部署)に伝わってないんですよね。※当たり前ですが、再認識する良いタイミングでした


ということで、今担当しているクライアントの成功/失敗事例やインプットしていることを全社に知ってもらうということを目的に、Slackの「ナレッジ共有」というチャンネルで、毎日発信することにしました。

ただ、流石に年末年始に送り続けるわけにはいかないので、始業まではnoteで共有していこうと思います。

昨日はKGI・KPIについてまとめましたので、もし宜しければ是非。


必ず押さえておくべき「制約条件の理論」について

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今日のテーマは「ボトルネックを探せ」です。
ボトルネックってよく聞きますが、ここで言うボトルネックとは制約条件の理論(TOC)に基づく考え方になります。

TOCについては下記を読んでください。

TOCは「どんなシステムであれ、常に、ごく少数(たぶん唯一)の要素または因子によって、そのパフォーマンスが制限されている」という仮定から出発した包括的な経営改善の哲学であり手法です。
日本TOC協会:https://japan-toc-association.org/toc/basic_concept)

TOCと言えば、The Goalの著者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が有名ですが、ゴールドラット博士はThe Goalの中で制約理論を「一本の鎖」に例えています。

詳しくは下記の引用を見てもらえればと思いますが、全体最適を考慮し、ボトルネックになっている部分にフォーカスして改善することが大事ということです。

強度を鎖の価値と考える世界では、そこが一番弱い輪または一番弱い輪の負担を一部肩代わりするのでない限り、そこを改善してもシステム全体のパフォーマンスの向上には寄与しません。つまり、どこにフォーカスして改善するかが重要なのです。そういう世界観を「スループットワールド」と呼びます。
既に述べたように、システムである組織がその目的を果たすには、直接的か間接的かに依らず、そこに属す人や部門の活動と成果は、組織の目的の達成に向かって有機的に繋がって同期していなければなりません。各々は単独では機能せず意味がありません。また、その繋がりには弱いところと強いところがあり、強さは皆同じではありません。どこかに一番弱いところがあって、全体のパフォーマンスはそこが決めています。上流からどんどん成果物を流されても、そんなに処理できない弱いところがあれば、その能力以上には下流に流れず、ただそこで詰るだけです。制約以外、つまり非制約は、必要以上に働いてはいけません。制約のペースに合わせないといけないのです。
既に述べたように、システムである組織がその目的を果たすには、直接的か間接的かに依らず、そこに属す人や部門の活動と成果は、組織の目的の達成に向かって有機的に繋がって同期していなければなりません。各々は単独では機能せず意味がありません。また、その繋がりには弱いところと強いところがあり、強さは皆同じではありません。どこかに一番弱いところがあって、全体のパフォーマンスはそこが決めています。上流からどんどん成果物を流されても、そんなに処理できない弱いところがあれば、その能力以上には下流に流れず、ただそこで詰るだけです。制約以外、つまり非制約は、必要以上に働いてはいけません。制約のペースに合わせないといけないのです。
日本TOC協会:https://japan-toc-association.org/toc/basic_concept


ここから本題に入りますが、よくカスタマーサクセスでネガティブチャーンに繋がらない人っていると思うんですよ。ただ、これって単純明快だと思っていて、この制約理論でいうと、「非制約」の部分にフォーカスをしていて、制約が見過ごされていることが多いということです。
上手くいっている部分を伸ばそうとサポートをしたとしても、部分最適の考え方になってしまい、結果的に顧客の大成功には繋がらないということが考えられます。あとは、単純に自社サービスのソリューションが一部分に特化しているためボトルネックになっていない時に提案しているとかよくありますよね。

アップセル・クロスセルにおいて、この制約になっている部分(ボトルネック)がどこなのかを理解して、クライアントに提案するというのが大事ということです。


少し分かりづらいので、具体例を挙げます。私たちはMA(マーケティングオートメーション)を活用した営業のデジタル化のご支援をしているため、営業プロセスで解説していきます。

営業の4つのプロセス

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営業のプロセスは大きく分けて4つあります。(厳密に言うと⑤に顧客化が入ります)

①集客(リード獲得)
②見込客フォロー
③絞り込み
④クロージング


初めてご支援させていただく状態で、ボトルネックが何かを把握して提案する、という内容で考えてみます。

ボトルネック①集客(リード獲得)

新規事業の立ち上げやこれから事業の伸ばしていきたいという会社で良くあるのが「見込客フォローをする先がない」ケースです。その場合、メール配信や見込客関係管理(LRM)の仕組みを作ってもワークしないでしょう。ボトルネックがリード獲得件数なのであれば、まずは集まる仕組み・企画か特急として広告やイベントに頼ることになるでしょう。

◾︎クライアントの状態
・ハウスリストが少ない
・HPからの問い合わせ数が少ない

◾︎クライアントへの提案
・Webの改善(流入数とCVR)
流入数:記事、広告、イベントなど
CVR:導線改善、お役立ち資料などの中間CVの設置


ボトルネック②見込客フォロー

リストが集まると次は見込客フォローです。ここは中長期的な視点が必要になるため、無視をして新規リード獲得施策の改善ばかり行うケースですね。すでにボトルネックは移動しているのですが、過去の成功から抜け出せずここで止まってしまう会社も多いでしょう。
「見込客フォロー」がボトルネックになるのは、数十年営業をしてきて名刺情報は沢山あるような会社が多いです。

◾︎クライアントの状態
・一度失注した見込客は完全放置
・タイミングが合わなかった見込客が追客リストに眠ったままになっている

◾︎クライアントへの提案
・メール配信、ウェビナー、ブログ記事などを複数用意することで、一度接点を持った見込客との関係構築をはかる


ボトルネック③絞り込み

見込客フォローご出来ている状態になると、次は絞り込みです。ここが出来ていない会社も多く、問い合わせやテレアポから直接セールス部隊が商談をするケースも多いのではないでしょうか。
メールは送るけど、休眠顧客の掘り起こしが出来ていなかったり、どのクライアントが見込度が高いのかがフワッとしている状態です。

◾︎クライアントの状態
・休眠顧客の掘り起こし/リテンションが出来てない
・見込客のランク付けが出来ていない(何となくで設定している)
・インサイドセールスが構築されていない

◾︎クライアントへの提案
・インサイドセールスチームの構築
・見込客関係管理(LRM)の設計
※特にLRMは重要です。顧客関係管理(CRM)はしているのに、セールスで重要な「見込客」の管理がされていないのはおかしいですよね。


ボトルネック④クロージング

インサイドセールスチームも構築して、集客含め上手く回って来ると、クロージング部分がボトルネックになります。
問い合わせ件数が増えて、インサイドセールスからのパスも増えたのに成約率が上がらないどころか質が低くて提案が刺さらない。などが該当します。この場合、ペルソナの設計、MAL/MQLの定義が間違っているケースがあります。適切な流入があり、適切なパスが来れば成約率は上がるため、そもそもの設計の見直しも必要です。
※もちろん、そもそものセールスの内部事情や市場の外的要因も関係しますが

◾︎クライアントの状態
・ターゲット設定が間違えている
・インサイドセールスやマーケとの連携が出来ていない

◾︎クライアントへの提案
・ターゲットの再設計
・インサイドセールスとマーケの定例MTG


ボトルネックは常に移動する

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先ほど挙げていったようにどこがボトルネックになっているのかを把握した上で、適切な施策を検討する必要があるのですが、ボトルネックは常に移動します。

つまり、ある特定のボトルネックになっている部分が解消されたからと言って、その後、上手く回るとかではないのです。

また新しく別のところがボトルネックになるため、どこにボトルネックが移動したのかを数字を確認しながら発見して、改善が必要です。

セールスマーケに関しては、これの繰り返しですね。ただ、一度土台を整えさえしてしまえばあとは確認しながら進めるだけです。※これが難しいのですが…
お伝えしたいのは、この一連の土台を整えていなければ、ボトルネックを発見すら出来ないということですね。

今はざっくりとしか挙げていませんが、日々現場でやっていると細分化されたボトルネックが沢山出て来るので、それはそれで対処しないといけません。
だからこそ、マーケッターは現場ズブズブじゃないと務まらないですよね。という話ではあるのですが、悩みながら進んでいくのがセールスマーケの楽しいところでもあります!

是非、自社の現状を可視化して、土台を作り、ボトルネックを解消する仕組みを作っていってください!

サポートしていただいたら、すべて子供に還元させていただきます!