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精進料理に目覚める3歩前 #73 コウバシタビ

ここのところお腹の話ばかりですっかり體内巡りの引きこもり旅行記のnoteであるが たまにはカラダの中を飛び出して外側の旅でもしてみよう

とはいえ結局旅先の決定権も體内にあってワタクシのカラダの血を奪いながら手先に長期滞在中のケッキョさんと決別をするべく向かった場所である


貧血メイカー血虚さん

植物性の補いレッド食材を摂り続けていたもののこれっぽっちも手先に居座っているケッキョさんが退去してくれそうな氣配がない

ガッツリとケツを補ってくれる食材のある地を目指して2時間バスに揺られるところからスタートである


辿り着いた場所は南国感の漂う地

枕崎である
駅があるなら電車でもと帰りのルートを考えながら時刻表を眺めてみるも電車は1日6本の各駅停車で指宿乗り換えしたとしても2時間半以上の所要時間である


電車旅はいつか暖かい時期のお楽しみにしておこう

お昼に乗り込んだバスはランチタイム終わり間際の到着予定である

むくみメイカーであるスイタイさんが憑いているワタクシのカラダは食後にバスに揺られるとまあ間違いなく酔うであろうから到着後のご当地ランチに期待してバスに揺られる

終点枕崎で降りたバス停の目の前に遅めのランチができそうな素敵なお店を発見して


一幅さん

なんとかランチタイムに滑り込ませて頂いた


カラダを冷やさぬようナマモノを出来る限り避けると冬養生に宣言してみたものの 18℃もあれば冬ヨウジョウを少しばかり緩めてみても大丈夫だろうとしておすすめにあった枕崎丼まくどんを注文する


まくどん

なんてったって赤身のお魚は抜群にケッキョさんを追い出すお手伝いをしてくれるらしいから この旅ではとことん赤身のお魚にケッキョさんと戦って貰おうとまくどんを掻き込みながら決心する

鰹節といえば枕崎

新鮮カツオにケッキョさんとの闘いの協力サポートをして貰う旅としよう

計画旅なんぞワタクシのへっぽこボディには無縁であるから行き当たりばったりの風天で旅するのが1番である

天に任せて風に任せておけば何処かには辿り着くであろう

まく丼をペロリと平らげてお宿を目指す

駅から徒歩15分とされているお宿であるがワタクシがスーツケースと共にゴロゴロ歩けばおそらく30分の時間を要するであろうと仮定して バスにて楽な移動をしようと試みるもどうやらちょうどいい時刻にバスは無さそうである

この時間の感覚の間隔が愛おしすぎて田舎旅がやめられないのである


ここのところお氣に入りの
『はじめまして駅 下車旅』であるが枕崎も駅から旅するのは多分初めましてである


ぽかぽか陽氣にゴロゴロスーツケースを連れて歩けばキキョさんにカラダの熱を奪われがちなワタクシでさえ額に汗がふつふつ湧き出てくる


ひたすら未知の道を進んで目的地のお宿さんへ

Ocean Hotel IWATOさん

チェックインを済ませて案内して頂いたお部屋は海に向いていて太陽光をとことん掻き集めてぽっかぽかである

窓を開けてベランダから見える景色も南国的である

どうやらお宿の温泉は宿泊さん向けに日帰りさんよりも昼は1時間早く そして夜は2時間ゆっくりと入浴できるようにしてくださっているらしい

今なら誰もいないのでゆっくり温泉に浸かれるチャンスですよ

と素敵なご案内をして頂いたので この陽氣であるならばあまり湯冷めの心配も必要無さそうであるとしていそいそと階下の温泉へ

貸し切り状態なのでお写真を

温泉効能
よかかげん風呂 ぬっか風呂
露天風呂


露天風呂から

露天風呂の前に道路が通っているので壁が高くなっているらしい

首を伸ばして外の景色をキョロキョロしていたところ外でホースを持って作業中の方とバッチリアイコンタクト出来てしまうくらいの距離である


温泉お湯はとにかく優しくて肌に心地よい



夜に再びゆっくり浸かるとして温泉を出る

お部屋のぽかぽか陽氣に温められた窓際の椅子に座ってひたすら本に溺れたい心地良さである

チェックイン時に頂いた飲食店マップを開くも おやつの時刻とも言える時間にランチをいただいたので晩ごはんは軽めで充分であろう

しかしながら何故だか無性にみかんが食べたい

夕陽を拝むまでにもう少し余裕がありそうなので
みかんを求めて少しばかり散策へ出掛けてみる


海の音を聴きながら歩く街中はなんとも香ばしい

そして何故だか出逢う猫さん方は皆少しばかりウキウキしているようである


チェックイン時に鰹節工場から立ち上るカツオを燻した煙に包まれる街の生活を教えて頂いたので工場の傍を歩きながらその工場から立ち上る煙が流れる方向を観察してみる

この日は海側に向かって香ばしい匂いを纏った煙がもふもふ流れていたが風向きが違えば鰹節の香りが街を包み込むことになるらしい

故に洗濯物を干すのもコツが要るようである


そろそろ冷えを氣にする時刻である

みかんに出逢う為に街中を歩いてみるもワタクシの道中に八百屋さんは見当たらない

駅前のスーパーまで行くのも少しばかり遠いのでトボトボとお宿を目指して引き返す

しばらく歩くと何やらみかんらしきオレンジ色が目に飛び込んでくる


コンビニの隣の広々した駐車場の奥の方にある建物はお店なのか倉庫なのか

お店にしては看板らしき物は見当たらないが正面に買い物カゴらしき物が積まれている

少し離れた歩道から目を凝らしてみるも太陽の傾きかけている時刻の自然光の明るさでは建物内に人の有無を確認出来そうにない

どうにも旅ゴコロを揺さぶるコウバしいスポットに出逢ってしまったようで好奇心がもぞもぞしている

兎にも角にもみかんが食べたいワタクシはそろりそろりとみかんに近づいてみる

ネットにたくさん詰められて並んでいるみかんの周りにはひとつひとつ手描きの値札が置かれているお野菜が並んでいる


建物の奥にお店の方を発見して並んでいるみかんの種類を尋ねてみる

店頭に並んでいるのは

温州みかん 
ぽんかん
スイートスプリング
あと名前を思い出せないみかん

確かこの4種類である
こうなるともうワタクシの選択肢は“ぽんかん”一択である

スイートスプリングも食したいところであるが何てったって そのひとつひとつが大ボリュームなのである

ひとつのネットにぽんかん10個くらい入っていてお値段なんと250円

ぽんかんを購入して荷物にならぬようネットをからお買い物袋にぽんかんをポンポン移し替えている間に ワタクシのお悩みなんぞお見通しなお店の主さんはスイートスプリングと大きなぽんかんをひとつずつプレゼントしてくれたのである


真ん中奥がスイートスプリング

頂いたスイートスプリングもぽんかんも美味しすぎてあっという間にお腹に吸い込まれていく


ぽんかん

ぽんかんはそのしゃくしゃくの食感がたまらないのである

お宿へ戻って夕陽を見送りながらのんびりと過ごすワタクシの周りにプーンと何やら怪しい音がする

音の出所はなんと蚊である

時は確か2023年の12月末な筈である
オーシャンビューに浮かれて開け放った窓からはたっぷりの陽の光と潮風と潮騒に乗って予期せぬお客さんが舞い込んでいらっしゃっていたようである

本州最南端の街ならではのエピソードであろう


温泉再びである
ちょうど日帰り入浴の終わり間際時刻であったので温泉で出逢った地元の方と温泉のお湯の氣持ち良さをお話ししながら その地元の方が2リットルペットボトルを抱えていたのでどうにも氣になって聞いてみると 洗い場の端にある蛇口が飲泉用でそこからお水を頂けるようである

先ほど温泉の効能の写真を撮ったにも関わらず貸し切り状態の絶景温泉に入れることに完全に浮かれていたワタクシはすっかりその効能に飲泉の項目をすっかり見落としていたようである


しかもお腹の味方をしてくれるらしい


飲用効能

飲用効能もばっちり写真に残っているうえに吸入効能に貧血まであるなんて

今回の貧血メイカーケッキョさんに真っ向勝負を挑む旅としては最高のお宿をどうやら無意識のうちに選んでいたようである



お水好きなワタクシには最高の情報を頂いたので温泉を堪能したあとお部屋へペットボトルを取りに戻ってお水をたっぷりと汲ませていただいた


お腹に優しいお水でスープジャーに翌朝用のお粥を仕込んで潮騒に子守唄に夢の中へ



翌日
香ばしい匂いに包まれた街に南国感を見つけながらケッキョさんと闘ってくれるカツオを求めて


石敢當を発見
ギャラリーの壁
ブーゲンビリア
山茶花でお仕事中の蜜蜂さん


お魚センターへ

一階には鰹節商品の並ぶお店が並んでいる

鰹節が色んな厚みで盛りだくさん並ぶお店を見つけてどれにしようかな状態である

店員さんのおすすめのどうやら珍しい中サイズ?と厚みがあってそのままおやつにバリバリ食せるものを手に入れる

斜め向かいの店舗で試食させて頂いた無添加のかつお味噌は朝ご飯のお粥用にお迎えする

枕崎補血食材

ケッキョさんに立ち向かう為の補血食材のお買い物をして2階のレストランへ


鰹節もカツオもお出汁もたっぷり楽しめる枕崎鰹船人めしを注文して枕崎食材を堪能する

枕崎鰹船人めし
具だくさん


カツオだし

初めにそのままの素材の味を楽しんでそこからお出汁をかけて豪快に頂くのがおすすめスタイルなんだとか

嬉しい事にお出汁はお代わりも出来るんだとか

2回もお代わりする方がいらっしゃる程美味しいお出汁なんだとか

ズズズとひとくち口に含んだ途端に広がる旨みと香りは格別である

こんなに優しい高級お出汁がならばお代わりを欲するのも納得でしかない

あったかお出汁をかけて丼をどんどん掻き込んで残りのお出汁も最後の一滴まで啜り尽くす



どんぶり中の新鮮な赤身のカツオさんはワタクシのカラダの中で思い切りケッキョさんと戦ってくれるであろう

そして海藻類はワタクシの人生の腎精をチャージしてくれる筈である

更に海藻類で少しひんやりしたカラダをネギが温め直してくれる船人めしは ワタクシのカラダに最高の薬膳となってくれるどんぶりである


食後のおすすめヨウジョウは200歩くらい歩くことである

お魚センターの向かいに氣になるお店が2店舗並んでいたので道を渡って 先ずはさつま揚げのお店へ

ひとくちサイズや串に刺さったさつま揚げのキクラゲ ニラ タコ チーズを晩ご飯用にゲットする


さつま揚げ

さつま揚げのお店を出てお隣のお茶のお店へ

のんびりとお茶でもしながら読書でも出来ればと思ってお店に入って店内に並ぶ手作りバッグや器を見ていたところ

どうぞと淹れたての温かいお茶を出して頂けたのである


お茶

食後に嬉しい緑茶を頂きながら喫茶も出来ますかと尋ねてみると いつかやる予定らしいがいつになる事やら状態であるとのご回答


そのまま地元の方とお店の方とのんびり2杯目 3杯目のお茶を頂きながらおしゃべりを楽しませていただいて 更にちゃっかりお茶と相性抜群のひとくち羊羹とお試しサイズの無農薬の高級煎茶を地元の方からプレゼントして頂いてるんるんで歩きながらお宿へ戻る

今回の旅はケッキョさんに真っ向勝負を挑む旅であるが 一応絶好調に憑いているゲンシハンシャさんと闘う旅でもある


ゲンシハンシャ

カラダにぺったりとゲンシハンシャさんが憑いていてカタメルハンシャをワタクシの無意識を狙って仕掛けているようなので カラダはいつのまにかカチカチになっているのである


カチコチボディ

ただでさえ寒い冬に加えてキキョさんに熱を奪われて冷えてカチコチになりやすいのに
更にゲンシハンシャさんのカタメルハンシャで冬のワタクシのカラダはもう冷凍状態である

先ずは温泉でカチコチボディを解凍して  そこからカラダをゆらゆら緩めて行こうと目論んでいる

お宿を決める決定打となったのがハンモックである

ハンモックに身を委ねてのんびり脱力してゆらゆらする

傾いた夕陽から届く光をたっぷり浴びながらハンモックタイムを満喫する


昼間の燦々の太陽を浴びたお部屋の畳も両手両足を伸ばしてゴロゴロと転がるには最高の場所である

温泉でハンモックで畳の上でひたすらカチコチボディを緩めて行く

腎精を意識する人生でミビョウファイブの黒幕的存在となっている可能性のあるゲンシハンシャさんは いつか主人公となるであろう


鹿児島へ戻るバスを待ちながら解凍ボディで引き続きぽかぽか陽氣の枕崎を少しばかり散策しようと駅前の案内板で行き先を探る

どうやら氣になっていた南冥館は年末年始の冬休み期間中であるらしい

枕崎の街は青空美術館となっていて『風の芸術展』ゆかりの作品が街中の通り沿いに展示されているらしい

案内マップのである駅前の頭上では青空を背景にる『風のメリーゴーランド』がくるくる踊っている

『風のメリーゴーランド』

駅から急坂を登った先にある南冥館の周りにも作品が並んでいるらしい

『月の詩』
『風の帆』
『天の魚』
『Passage ‘91-6 光と風のボルダリングストーン』
『枕崎 この地に生きる 〜大切な命〜』


『風はここより東へ向う』
『風はここより東へ向う』別方向
『響きのはじまり』
『どれどれ』
『晶』



陽当たり抜群の南冥館の周りの頭上に地面に着々と準備を始めている春が展示されている

野蒜
桜の蕾む
蓬に天道虫

毎年 地球さんがひっそりと準備を進めている春の展示物を見つけてはニヤニヤしながら飽きることなく野山を駆け巡る

この芽吹きの時期の自然のエネルギーの逞しさと美しさと優しさとウキウキ感とキラキラにときめかずにはいられないのである


ぽかぽかな枕崎時間が愛おし過ぎてこのまま枕崎に貼り付いていたいところであるが どうやらバスの時間である

ワタクシの鹿児島旅は『残しておく』旅であるらしい

以前は毎度毎度地元の方に車でおすすめスポットにご案内頂いていた道中で  素敵な提案までもプレゼントして頂けたのである

『貴方は満足したら戻って来なくなるから 行きたい場所のひとつくらいは次に来る時用に残しておきなさい』

ワタクシの風天性質をビタリと言い当ててくださったそのお言葉が なんともしっくりくると共にほんわかするものであったので
鹿児島に訪れる度に旅の楽しみ方のひとつとして旅のお供にこの素敵な提案をパンパンのスーツケースに必ず詰め込んで持ち歩いているのである

行くも残すもご縁である

鰹節の香りに包まれた香ばしい枕崎さん
またいつか


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