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アンケート調査をやってみよう(1)

アンケート調査に関する書籍・解説はそれこそ星の数ほどあり、優れたものばかりです。それゆえ私もこのテーマは避けてきた面があります。偉大な先人たち以上に読者の皆さまに役立てるものができるとも思えませんでしたし、そういう評価をされるのも怖かったですし。このnoteを書いている今も「読む価値なし」と評価されたら嫌だなあ…などと思っています。

とはいえ避け続けるのもなあ…という気持ちがないわけではなく。いろいろ考えましたが、実際の自分の仕事になるべく近いものを見てもらうのがいちばんだろうと判断しました。即ち、あるテーマに関して私がどのようなアンケート調査をつくり上げていくのかを疑似体験していただく。その過程で私の思考プロセスをお見せするのがよいだろうと。

「私のnoteなど必要ない」という方や、そこまで言わないが教科書的なもの、ベーシックなものがまず必要、という方は…

例えばこれらを読んでいただければと思います。どれもアンケートに限定されない「マーケティングリサーチ」全般に関する書籍であり、だいぶ読みごたえがあります(笑)。しかし、それゆえに実務の際に机の横に置き、首っ引きで取り組んでいただければ、素晴らしい成果を導いてくれること間違いなしです。

また、菅原大介さんのnoteをフォローしましょう。

アンケート調査に限らず、リサーチ全般の技術手法に関してとても解像度高く説明いただけます。15年前に自分がこの道に入ったときに菅原さんのセミナーが存在していれば…参加できていれば…などとよく思います。

さて「実際の自分の仕事」と書きましたが、もちろん本当に自分の仕事を曝け出すわけにもいきません。これは現在の仕事でも過去の仕事でも同様です。守秘義務や仁義というモノがあります。
そこで、これまで自分が取り組んできた仕事になるべく似たものを探し、経験を有効活用できそうなものがないかを考えてみました。

私の経歴はご存知かもしれませんが、新卒でテーマパーク、転職して人材紹介、そして現在は総合エンターテイメントの領域にいます。副業フリーランサーとして様々な企業様の支援もしていますが、いったん主業としていた3つから選択します。

このうち、現業はさすがに除外するとして、テーマパークか人材か…と考えると、やはりテーマパークを選びたくなります。単純にアクセスが稼げそうですし(笑)、過去に所属したところを避ければ守秘義務違反を犯す可能性も低いと判断しました。

また、小川貴史さんがされている取組に大いにインスパイアされたことを正直に告白いたします。
小川さんはこちらのnoteでテーマパークを取り上げておられます。

話を戻しまして、ではどのテーマパークを対象とするか。
せっかくなので、我が家から近い「京成バラ園」を選んでみます。あまり馴染みのないテーマパークを取り上げると上滑りしたリサーチになりそうなので、適度に身近で肌感覚が働きそうなところを選んでみました。

京成バラ園はこんなところです。(オフィシャルホームページ)

YouTubeやInstagramなどはこちらからどうぞ。

私は年間パスポートユーザーでして、年にたぶん20回ぐらいは行っています。これはつい先日に更新してきたものです。

余談ですが、ピークシーズンの入園料が1,500円だったり1,800円だったり(時期によって入園料が違います)する一方、年間パスポートが5,000円とは破格の安さです。
これでも過去数年に二度ほど値上げがあったと記憶していますが、もっと高くても全然文句はないです。他の消費者の皆様に怒られるかもしれませんが…。

そういうわけで、このシリーズは京成バラ園のアンケートをもしも私が組み立てるとしたら!?という体でお送りします。

それでは、どんなリサーチをするかを考えてみます。
本来であれば施設の課題感からリサーチを組み立てたい。通常それは事業者側にヒアリングするものですが、当然、今回はそれができません。取材が受け入れられるとも思えませんし。

そこで、消費者の立場から課題を妄想してみます。年20回ほど通う私の目から見た妄想上の課題は、以下三点です。

①季節・曜日ごとの集客の偏り
②施設へ落とす金額の小ささ
③体験のバリエーションの少なさ

このあたりがパッと思い浮かびます。

①は通年で咲く植物を用意するのが難しい(特に冬)ことによる季節の偏りのほかに、平日と土日の差があります。
また集客が多いときは周辺に渋滞をつくるなど派生的な課題も生じます。なお混雑時は、自転車で行ける距離に住む私が密かに優越感を覚える季節だったりもします(ごめんなさい!)。

②はフードコートやレストラン、ショップ、植物の販売所は併設されているものの(というか本来は植物の販売所が本体と思われます)、ディズニーランドにおけるポップコーンのような、多くの人がそこに行ったら毎回買う「お約束」「象徴的」なものがありません。
従って年間パスポート保有者だと本当に一円も払わずに過ごすことが可能ですし、実際に私はよくそうしています。同じ敷地内にあるパン屋のサンブレッタでカレーパンを買って帰るのが好きですが、毎回買うわけではありません。

③は基本的に「見る」ことしかできないことが挙げられます。
ただ最近は園内にアトラクションなどの体験施設が増えてきていますね。10年前は子供たちを連れてきても退屈されてしまいましたが、今の施設が揃っていたらまた違ったと思います。

これらが実際に課題かどうかは定かではありませんが、これらを念頭に置いてアンケートを組成することにします。

次回以降で、現状を把握し課題を精緻化するためのベーシックなアンケート調査を3つ考えていきます。

(1)来園者プロフィール調査
(2)来園者満足度調査
(3)認知度調査

(1)は来園した人がどのような人か、主に属性を把握することが目的です。
項目は性年齢、居住地、交通手段、同行者などです。これに来園頻度や何を目当てに来園したかを加えます。

(2)は体験者の満足度を把握することが目的です。
従って体験したコンテンツの把握と、それぞれの満足度の取得がメインとなります。それに再来園意向や推奨度を加えます。また(1)ほどの分量ではないですが、基本的なプロフィールももちろん取得します。

(1)(2)は被るところも多く、一本化してもいいのですが設問が多くなるのを避けるために分けて作成します。

(3)は京成バラ園という施設がどの程度知られ、良さそうな場所と思われているかを把握することが目的です。
言うまでもなく、消費者は知らない施設を選択することはできません。だから集客を増やすには、その施設を知っている人や期待してくれる人の数を増やす必要があります(その上で訪れる頻度を上げる)。

次回はこれらのうち、まず(1)来園者プロフィール調査です。
私が何をどう考えて調査票を組み立てていくのか、なんとか楽しめるものにできればと思います。

あ、ちなみにこれはかなり先の話になりますが、可能であれば実際にお金をかけてアンケートもしてみようかとも思っています。たぶん対象は(3)ですね。

やるかどうかわかりませんし、あくまでオマケ程度のものですが、どんな結果になるかは私も楽しみですし、データ分析や知見出し、提案をどうしていくかに興味ある方も多くいらっしゃると思いますので。
むしろ私のnoteを読んでくださる方々は、そちらの方に課題感や興味をお持ちかもしれませんね。

そんな方もしばらくは調査票づくりにお付き合いいただければと。
よろしくお願いいたします。

なおトップ画像はChatGPTに描いてもらった「京成バラ園」です。なぜか日本庭園の要素が入ってきてますね。「京成」の部分でしょうか。

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