Yamamoto Hiroshi@マーケティングリサーチャー

マーケティングリサーチャー| 現職はエンターテイメント産業、前職はHR、前々はテーマパ…

Yamamoto Hiroshi@マーケティングリサーチャー

マーケティングリサーチャー| 現職はエンターテイメント産業、前職はHR、前々はテーマパーク | 副業でフリーランスリサーチャー、リサーチ講師 | マーケティングリサーチのご相談もお待ちしています |

マガジン

  • リサーチャーを育てよう

    私流のリサーチャー育成メソッドとその効果をまとめました。ChatGPTなどAIの進化は、今度こそ本当に人による労働を不必要にしかねません。そんな、人間にしか発揮できない価値がシビアに求められるようになる時代を生きるためのヒントになればと思います。

  • 楽しい観察調査-アンケートやインタビューにない学びについて-

    大事だ大事だと言われていますが、あまり普及しない観察調査。筆者がディズニーランドやディズニーシーで培ったメソッドを通し、観察調査のメリットやデメリット、ノウハウや意義をまとめました。アンケートやインタビューでは得られない学びと楽しさが伝われば嬉しいです。

  • 定性調査を実効性高く楽しくやるために

    インタビュー調査のノウハウを記したものです。

最近の記事

アンケート調査をやってみよう(2)

謝罪と訂正いきなりですが謝罪です。私が「京成バラ園」と呼んでいたのは、正確には「京成バラ園」の中の施設のひとつ、「ローズガーデン」と呼ばれるものでした。 「京成バラ園」とは、上記の地図の範囲全体を指す呼称で、植物の販売所である「ガーデンセンター(中央②)」やパン屋「サンブレッタ(右下⑦)」など全てを含みます。 わかりやすく例えると、「京成バラ園」とは「東京ディズニーリゾート」、つまりテーマパーク以外の入場無料の飲食・ショッピング施設(イクスピアリなど)も含むもので、「ロー

    • アンケート調査をやってみよう(1)

      アンケート調査に関する書籍・解説はそれこそ星の数ほどあり、優れたものばかりです。それゆえ私もこのテーマは避けてきた面があります。偉大な先人たち以上に読者の皆さまに役立てるものができるとも思えませんでしたし、そういう評価をされるのも怖かったですし。このnoteを書いている今も「読む価値なし」と評価されたら嫌だなあ…などと思っています。 とはいえ避け続けるのもなあ…という気持ちがないわけではなく。いろいろ考えましたが、実際の自分の仕事になるべく近いものを見てもらうのがいちばんだ

      • リサーチャーを育てよう(5) -みんなでやろう、日常業務外の活動-

        第一回:解像度を自律的に高められる人を育成したい 第二回:その「解像度」とは?なぜ高める必要が? 第三回:解像度を高めるトレーニングとしての言語化 第四回:思考する身体感覚を1on1で育てる 今まではOJTなど、日常の業務を通じての育成についてお話ししてきました。 今回はそれとは別に、座学に代表される「日常業務外の活動」についてお伝えします。その目的は、OJTで身につけた知識の体系化により思考の深化・定着を促すことです。 ここでは「ウェビナー/セミナーへの参加」「変数定義

        • リサーチャーを育てよう(4) -もう少し、1on1-

          第一回:解像度を自律的に高められる人を育成したい 第二回:その「解像度」とは?なぜ高める必要が? 第三回:解像度を高めるトレーニングとしての言語化 前回の最後に、解像度を高めることを通じて「思考」のやり方を教える場としての1on1についてお伝えしました。 1on1はとても重要ですので、今回は前回お話しできなかったところをもう少し掘り下げてお伝えします。 実施スパンと回数 まず「1on1は週/月に何回やればいいのか?」ですが、多ければ多いほど良いと言えます。 ただし、トレ

        アンケート調査をやってみよう(2)

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        • リサーチャーを育てよう
          5本
        • 楽しい観察調査-アンケートやインタビューにない学びについて-
          6本
        • 定性調査を実効性高く楽しくやるために
          11本

        記事

          リサーチャーを育てよう(3) -ただただ愚直な言語化-

          第一回:解像度を自律的に高められる人を育成したい 第二回:その「解像度」とは?なぜ高める必要が? 今回から、私が実際に取り組んだ具体的内容の説明に入っていきます。 思考を記述する 私が取り組んだ指導はこれだけです。 「とにかく書こう!言語化!」 解像度を高めるにはまず、その人が有する現時点の解像度のレベルを自身で把握しないといけません。少々乱暴に言えば、自分の解像度が低いことを自覚してもらう必要があります。 名作「SLAM DUNK」でも、安西先生が との名言を残

          リサーチャーを育てよう(3) -ただただ愚直な言語化-

          リサーチャーを育てよう(2) -解像度について-

          「解像度」とは何か 前回、私は「解像度を自力で高められること」を育成上のポイントとしましたが、そもそも「解像度」とは何でしょうか。そして、なぜ解像度は高い方が望ましいのでしょうか。 解像度とはもともとは画像の密度を表す言葉だそうですが、マーケティングやリサーチの文脈では、顧客などの対象をリアルに捉えられている度合いを表すときに使われます。 私なりに正確な表現をするために少し固い表現を許していただければ、ある対象の構造-対象を構成する要素群とそれらの間の関係性-を理解して

          リサーチャーを育てよう(2) -解像度について-

          リサーチャーを育てよう(1) -前書き-

          組織の人材育成という課題 リサーチャーらしく、まずはデータをお見せします。 「次世代の経営を担う人材が育っていない」 「新人・若手社員の立ち上がりが遅くなっている」 「中堅社員が小粒化している」 これらの項目に関し、それぞれ半数を超える人が「現在課題であるもの」としています。 勝手な想像ではありますが「この3ついずれかを選択した人」であれば、全体の7割を超えるのではないでしょうか。 また「人材育成の成果に課題を感じている」というもっとシンプルな選択肢であれば、さらに割

          リサーチャーを育てよう(1) -前書き-

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -ナイチンゲール先生に学ぶ-

          「楽しい観察調査」過去のシリーズはこちらからどうぞ。 さて、ひとまずの最終回となる今回は、フロレンス・ナイチンゲールの著書「看護覚え書」を紹介いたします。 ナイチンゲールという人物を知らない人はいないと思います。 偉大な看護師。看護師を「白衣の天使」と呼ぶのはナイチンゲールに由来するそうですね。 私がナイチンゲールを知ったのは幼稚園生か小学生の時だったと思います。 童話などで得た、そのときのイメージはこんな感じです。 後者はだいぶ現代にあわせてビジュアライズされていま

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -ナイチンゲール先生に学ぶ-

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -現場感-

          過去のシリーズはこちらからどうぞ。 さて、突然ですがマーケティングやリサーチをされている方に質問です。 現場の人たちとの関係は良好でしょうか? 「あいつらは現場の苦労をわかっていない。机上の空論を語るだけ」 現場を見ずに、統計データの数字だけ見て、何の役にも立たないが上のウケだけは良いレポートをまとめて仕事をした気になっている。 業績が上がったのは、さもそのおかげであるように取り沙汰される。そんな「仕事もどき」の尻拭いは、全部現場がやっているのに。 残念ながら、現場

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -現場感-

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査で得られるもの-

          これまで、観察調査をテーマに3回ほどお話ししました。 今回は、観察調査で得られるものについてお話しします。 「得られるもの」とはもちろんデータですが、同時に「リサーチャーとして身につくもの」という意味合いも込めています。 観察調査で入手できるデータには観察調査独特の性質がありますので、実践を繰り返すことでそれを取り扱えるようになっていきます。 簡単に言いますと「観察調査を実践することで、リサーチャーとしてこんなにパワーアップできますよ」ということですね。 ひとつひとつ説

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査で得られるもの-

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査のコツ-

          観察調査をお勧めする理由 前回、観察調査の難しさについてお話ししました。 おさらいしますと、対象者に質問できないので気づきを得にくく、また結果報告の際に分析者の主観と判断されるリスクがある、でしたね。 そのように扱いの難しい観察調査に拘るのはなぜか。 インサイトを見出すのに極めて効果的だからです。 耳にタコができるほど聞いたお話と思います。 ならばいっそ、質問を封じてみてはどうでしょうか。 質問という「答えを教えてもらう」ことを意識せざるを得ない手段を手放す。 た

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査のコツ-

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査の難しさ-

          観察調査のハードル 前回、観察調査がレアであると記載しました。 マーケティングリサーチが意思決定支援の手法であることを考慮しますと、つまり観察調査が意思決定に使いづらい、ということかと思います。 なぜでしょうか。 おそらく、観察調査の「対象者には原則的に非関与を貫く」という手法上の特性からもたらされる、独特の難しさがあるためでしょう。 (「原則的に」なので関与する場合もあります) 対象者に非関与ということは、こちらから質問ができないということです。 この点がアンケー

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査の難しさ-

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて(前置き)

          レアな調査手法:観察調査 マーケティングリサーチの世界には数多の調査手法がありますが、私がいちばん好きなのは、表題の観察調査です。 世の中のマーケティングリサーチの大半はアンケート調査とインタビュー調査で占められているのではないでしょうか。一般的に、マーケティングリサーチャーが観察調査に取り組む機会はレアなのではと思います。 実際に調べてみたところ、調査種別ごとの売上を日本マーケティングリサーチ協会が経年で調査されていました。 この表から確実に観察調査と判断できるのは

          楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて(前置き)

          動画はじめました

          はじめにきっかけは自分の子供たちに私の仕事がどうにも伝わりづらいということ、ただ特に下の子が「マーケティング」という分野に対してふわっとした興味を抱いているようでして、なんとか上手い具合に伝えられないかなと漠然と思っていたことです。 そして私自身、いくつかのYoutubeチャンネルに日参しております。その中にはある分野の専門家や一家言持っている方が、私のようなド素人にわかりやすく解説してくれるものが多くあります(後述)。 もちろん、作成者の方が顔出しでされているものもありま

          北風と太陽はマーケティングの寓話でもある!?

          半年ほど前に以下のツイートをいたしました。 https://twitter.com/Yamamot86817508/status/1410736005032726528 これが実務でも顧客理解の重要性を説明するのに有用でして、いろいろな場面で導入として使っており、あらためてnoteで取り上げてみました。 主題の寓話は皆さまご存知のことと思います。イソップ童話で、北風と太陽が「どちらが旅人の上着を脱がせられるか」を勝負したお話ですね。 結果はご存知の通り太陽が勝ちました

          北風と太陽はマーケティングの寓話でもある!?

          定性調査を実効性高く楽しくやるために(9)

          今日は最後のパート「報告書をまとめる」についてです。 1)背景や目的を定める 2)誰を呼んで/どんな話を/どういう形態で聞くのかの概要をまとめる 3)スクリーニング調査をかけて対象者を集める 4)インタビューフローを決める 5)日程やオペレーションを定め、見学者を集める 6)実査を行う 7)実査と同時に解釈のすり合わせを行う 8)報告書をまとめる 「報告書をまとめる」と言っても、インタビューが終わって翌日から始める資料のまとめ作業のことを指すのではありません。以前にも触れ

          定性調査を実効性高く楽しくやるために(9)