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広島県 中山間地域シンポジウム

広島県が主催した「中山間地域の未来を考えるシンポジウム ~地域への愛着と誇りを、将来への希望と安心につなげる~」をオンラインで聴講しました。

島根大学教育学部教授・広島県集落対策に関する検討会議座長、作野広和教授の基調講演では、広島県の中山間地域の課題についての概論と、今後の課題解決への考え方が紹介されました。
中山間地域も都市部も人口縮小していく中で、現状の地域運営や行政サービスをどう維持していくかではなく、全体を最適化して地域運営方法を見直し「幸せを感じることができる地域」にしていくことを目指すというお話には、視野を広げてもらえました。

パネルディスカッションでは、中山間地域で地域活動に取り組んでおられるお三方、三次市のNPO法人「ほしはら山のがっこう」事務局長 浦田愛さん、広島市のNPO法人「NPO狩留家」理事長 黒川章男さん、神石高原町ながの村自治振興会会長 宮野元壮さんはそれぞれの活動を紹介されました。また、都市部住民の視点からは、地域価値共創センターディレクター 今田順さんが、都市部から見た中山間地域の価値と魅力についてお話されました。広島の魅力の一つとして、「海と山が近い」とよく言われ、熾烈な都市間競争の中で休日に癒やしの旅ができる中山間地域にすぐに行けることは大きな魅力で、こうした地域が疲弊することは長期的には広島が魅力を失い選ばれなくなるのでは、と語られました。

私は中山間地域に出向く際に、芸備線などの公共交通に頼っているので、今回のディスカッションの中でNPO狩留家の黒川理事長が芸備線に触れられたことに深く感銘を受けました。2015年に芸備線敷設100周年記念事業で狩留家伝統芸能シャギリ復活興行を行ったことも紹介され、今後は「芸備線活性化を実現することで狩留家の町おこし」に取り組まれるとのこと。その中で、
・芸備線狩留家をパーク&ライド機能の拠点に
・芸備線沿線の特産品売場作り
・狩留家駅防災公園
などのアイディアを提案されました。「狩留家単体のことではなく、芸備線と共に生きていきたい」という黒川理事長の言葉には元気づけられました。

シンポジウムを通して何度か意見が出された、中山間地域と都市部が、一つの運命共同体として広域に連合して対応していくという考えに共感しました。


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