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「伍魚福と私の変遷」その1〜スーパーマーケットへの展開〜

「習慣作り」のnoteで少し触れましたが、1996年(平成8年)から営業部長(その後、名称変更してお客様繁盛推進部長)になった私は、売上の減少に頭を悩ましておりました。

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5年単位の概略は、このスライドのような感じです。
1995年(平成7年)の入社時は、お酒のディスカウンターがまだ伸びている時期で、チルド商品を中心に引き合いも多く、全国に販路が広がっていました。

しかし、酒ディスカウンターのバブルも崩壊します。
酒販店は規制緩和やコンビニ・業務スーパーへの転換などで減少傾向に陥ります。
そこで私は、スーパーマーケットチャネルへ展開すべきだと考えていたのですが、当時の社長(父)は頑として聞きません。

過去、スーパーと取引して値段と内容量ばかり言われた印象があったり、スーパー業界で苦労する業者の声を聞いていたせいでしょうか。

ただ、お世話になっていた北海道のお酒のディスカウンター「デリーズ」のバイヤーが、デリーズ破綻後転職されたご縁で、帯広のJA系のスーパーの惣菜の売場で伍魚福のチルド商品を販売いただく事例ができるなど、スーパーやGMS的な店舗でも少しずつ事例ができつつありました。
販路拡大の可能性は感じていたのです。

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こちらが当時の帯広の「ハピオ」での事例です。

20000307ランドロームNT南店事例

探したら、千葉県のスーパーマーケットの事例もありました。

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横浜市のGMSの事例です。

そんな1999年(平成11年)のある日、お世話になっていた酒業界専門誌「酒販ビジネス」の編集長、小島稔さんから展示会に出展しないか、と声をかけていただきました。

酒類販売小売免許が緩和され、スーパーマーケットでも全店でお酒を販売する方向になっていることを背景に、2000年(平成12年)3月に開催される「スーパーマーケットトレードショー」で6コマのスペースを確保し、酒類メーカー数社で出展するので、伍魚福も出さないか、とのことでした。

スーパーマーケットトレードショーの主催者は、当時の「日本セルフ・サービス協会」(現在の全国スーパーマーケット協会)。
会長は、紀伊国屋さんの社長が務めておられるとのことで、こだわりのスーパーが多いそうです。

当時の社長(父)に、「こういう話しがありますので、出展しましょう」と持ちかけたところ、売上もかなり減少していたこともあり、ようやく了解を取り付けることができました。

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従来のチャネルは、山本常務にお任せし、「新チャネル開発」の部署を新設、ベテランの営業課長と2人でのスタートです。

展示会用に小島編集長からのおすすめで「酒売場の珍味はお任せください」というゴム印を作り、名刺に押して準備。
幅90cmくらいの小さな冷蔵庫を借りて、チルド珍味を並べました。

そのころもすでに肉製品・海産物・練製品など、スーパーの部門の枠を超えた品揃えをしていました。
同じコーナーでは、大関さん、山形の地酒「東光」の小嶋総本店さん、ワインのモトックスさんなども出展されていました。

「チルド珍味」というくくりが、スーパーの方には珍しかったようです。

山陽マルナカの中山明憲社長(当時)にも立ち寄っていただきました。

開口一番「おたくのスケベ親父は元気か?」とおっしゃいます。

「うちの社長をご存知なんですか??」と驚いて聞きますと、中山社長は以前ライフコーポレーションの肉のバイヤーをされていたそうです。
その時代に船井総研の北海道産地視察ツアーで弊社の社長(父)と一緒になり、札幌で一緒にススキノに繰り出したとのことでした(詳しい中身は聞いてません・・・笑)。

展示会終了後、早速中山社長にアポイントを取り、弊社の社長と一緒に伺い、旧交を温めるとともに、具体的な商談をすることになりました。

山陽マルナカさんでは、当時畜産部門、水産部門の部長は兼任。その部長と、畜産バイヤー、お酒のバイヤーなど数名で神戸にお越しになりました。

お店のどこで売ったら良いかを確かめるため、「酒売場」、「水産売場」、「畜産売場」それぞれで同じようなスペースで販売してみました。

我々は、てっきり「酒売場」が一番売れると思い込んでいたのですが、実際には、「水産売場」「畜産売場」の方が「酒売場」の7倍売れたのです。

スーパーでは、酒売場にはお酒を買う、「目的買い」の方しか行かない。伍魚福のチルド珍味は「ついで買い」の商品なので、主通路沿いの目につくところに陳列するのが良い、ということがわかったのです。
次の年、名刺に押すゴム印から「酒売場の」をカッターで切り落としたのはいうまでもありません(笑)。

そこから山陽マルナカさんでは、畜産バイヤーに窓口になっていただき、店舗を広げていただくことができました。

その後、コープこうべさん、イズミヤさん(デイリーカナート)、関東では、東武ストアさんなどでも売場を設けていただくことができました。

これ以降も、食品問屋さんの展示会やスーパーマーケットトレードショー、FOODEX JAPANなどのご縁や、伍魚福を導入した新店を視察した方からの問い合わせをいただくなどしながら、全国のスーパーマーケット業態のお店に徐々に売場を設けていただくことができて今に至ります。

それから20年。
山陽マルナカさんもイオングループになるなど、スーパーマーケット業界も再編が進み、大きく変わってきました。

導入初期にお世話になった方からは「定着したね」と言われることがありますが、まだまだ十分お役に立てているとは言えません。

新しい商品をどんどんつくり、売場も改善し続け、お得意先にとって「おもしろい会社」であると評価いただけるように努力を続けたいと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan