読み返したら長すぎる@夕汀とるか

ちゃんとした稽古場日誌を最後ぐらい書こうかな〜と思います。きっと稽古場日誌自体本当に最後なので。


助演出として今回は演出のやりたいようにのびのびやってほしい!と思っていました。今回の演出とは23夏公演でも演出ー助演という関係でいましたがそのときよりも演出の好みを知れているような気が(勝手に)していたので、力になれたらいいなと思っていました。

ほんとに実現できたかは微妙な気がします。できた部分とできなかった部分が明確な気もします。演出が考えていることを翻訳するような、そういう立ち位置になれたらよかったような気もします。演出が意図するように完璧にできるなんてことは妄想なのかもしれません。特に幕が開いてしまったら。

でも演出の目指す「どこかあたたかい」は実現出来たのではないでしょうか、傍目から(助演は傍目たりえない気はしますが)見ていてそう思います。布や白い家具たちの柔らかな雰囲気と散りばめられた小道具たち、照明の色味と静かな音、役者の演技がそう見せられていたらいいなと思います。











以下は長〜い自分の演劇論です。読んでなにになるわけでもありません。そもそもここじゃなくて個人のnoteとかに書くべきかもしれません。本当に長いし読みづらい!






演出って面白いなと思っています。どこまでが戯曲の範疇でどこまでが演出としてやっていいのでしょうか。この間Xで演出にも著作権があるけれど、著名な演出家と同じ演出をしたからといってそれは同じ演出と呼べるのか?という論を見ました。戯曲の通りにやっていてもきっと差異は絶対に出ます。役者本人の発話の癖がセリフに意図せず乗ってしまうように。劇場の性質だって、その日の天気だって、社会情勢だって、観客の雰囲気だって乗っかります。実際観客の雰囲気に否応もなく役者が影響を受けてしまうことはあります。


突飛なことをやろうとしても私は意味が無いなと思ってしまいます。戯曲にはその戯曲ならではの面白みがあって、戯曲の、演出の歴史的な潮流だってある。伝えたいことの全部を観客に伝えることは難しいかもしれないけれど、少しでも伝わるようにしたい、伝わるような手助けが演出の第一歩だと思っています。できることなら「なんでこうしたの?」の質問に完璧に答えたいものです。

上演の定義は観客がいることです。観客がいなければ上演、パフォーマンスとは呼べません。逆に見ている人間がいればなんでもパフォーマンスなのです。だからこそ観ている人間を意識するのが演出の仕事で、役者の演技にも「私にはこう見えているけどそう伝えたくてやっているの?」とよく聞きます。どう伝わっているかを細かく調整してあげることが会話劇を成り立たせるんじゃないか、そう思います。よくセリフに実感がない、と役者に言います。役者がイメージできていないことはそのまま観客に伝わってしまいます。あくまで役者がわかっていることしか観客にはわかりません。観客に伝わるように、とは言いますが観客はよく見ていて、できなかったこともそのまま伝わってしまいます。

演劇は総合芸術です。山脈で言うと、大道具・美術・小道具(ないときもありますが)・衣装・音響・照明のどれもが等しく重要で調和していたいものです。バレエ・リュスを率いたディアギレフのように、芸術の粋を集めたものこそ演劇であって欲しいような気もするのです。そこまでやりきるほど山脈にはマンパワーと計画性が足りませんが……。





演出がこうやって頭を悩ませている横で、上演中以外のお客さんの目線にもたつのが制作の仕事だと思っています。上演以外で減点をどれだけ減らせるかが制作の腕の見せどころなのかもしれません。演出は好きですが制作の方が向いているなと思うことはあります。お客さんに来てもらうにはどうすればいいか、楽しんでもらうためにはどうしたらいいかと頭を悩ませるのがいちばん楽しいので……。どうしてもわたしは観客の目線に立ちたくなってしまうので制作が好きです。
え〜んでもごめんなさい、キャパオーバーで多方面に迷惑をかけました!!!!!ごめんなさい!

よく演劇に貪欲だ、とか言われますが本当に貪欲だったら不器用なことももっとできるように頑張ろうとしていたんじゃないか?と思うことがあります。周りにはそういった今できないことをできるようにしようとする人たちがいるのでよっぽどそういうみんなの方が貪欲だと思います。だからこそ自分が貪欲にできていることは観客であり続けることだけです。演劇は観客あがいて初めて上演になります。だからこそもっとみんなに観てほしい、観せたいと思ってなりません。山脈を、とは言わないので演劇を1回でも観た事がある人がもっと増えたら嬉しいな〜と思っています。演劇はたのしい!大変なこともいっぱいあるのでやるのが楽しいかは置いておいて、良い作品を観た時のあのきらめきを追いかけて私は今もここにいます。

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