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次男、誤飲する(2023.09.09)

昨夜、次男が何かしらを誤飲した。

それは眠る直前だった。もう部屋の電気を消して、あとは眠るだけというタイミング。隣で眠ろうとした妻が血相変えて次男が誤飲したと言った。

何を飲み込んだのかははっきり分からなかった。多分その日買って大事に握っていた石ではないかとの事だったが、さだかではない。

慌てる妻。私も眠ろうとしていたが、起きて一緒にどうしたものか思案する。と同時に次男に何を飲み込んだのか?本当に飲み込んだのか?たずねるが、返答が的を得ない。何を聞いても「うん」と言うだけで、きょとんとしている。

腸閉塞にでもなったら大変だという妻。そうなったら手術するしかないと言う。私もいよいよ事の重大さに気づいて、「じゃぁ吐かせるか」となった。

次男を連れてお風呂場へ行き、妻は次男を抱きかかえて、お腹を圧迫するように押した。次男にも「げーしぃよ!」と言うが、次男は「げー」と言うだけで「吐く」と言う事を多分全然理解していない。その呑気な「げー」という声に私たちは笑ってしまった。

妻のやり方では失敗に終わったので、それならばと私の出番となった。かつて私は泥酔を未然に防止するために酔いがいよいよ回ってくると、みずから吐いてリセットし、また飲むという無茶な事をやっていた時期がある。だから「吐く」という事、その仕組みとやり方についてはよく精通しているのだ。そして妻もそれをよく知っていたからすんなり私に任せた。

私はビニールの手袋をはめてよくそれを洗い、人差し指を次男の喉の奥につっこんで、舌の根本をぐいっと下に押して喉を大きく拡げるようにした。

次男は少しえずいたものの、吐くには至らない。しかしもう少しだと睨んだ私は再び次男の喉の奥に指を入れようとしたものの、一回目がしんどかったのか(そりゃそうだ)、次男はこれを拒否し、二度目はなかった。

この様子を心配そうに見る長男。時刻はすでに23時を回っている。せっかく眠りそうになっていたのに、目がきっぱり覚めてしまったようだった。

妻と私は嘔吐させる事を断念した。そして事ここに至って私はようやく子供が誤飲した場合の事についてネットで調べた。

すると案外心配には及ばないと書いてある記事が多かった。そして大抵翌日にはうんこと一緒に出てくると書いてある。私はそれを見て少し安心し、妻にもその事を伝えた。そして諦めて眠る事にした。

しかし夜中の3時に目が覚めた私が次男を見るとなんだか激しく動いているので「これは苦しんでるんじゃないか」と心配し、とりあえずおしっこがたくさん出ていたのでオムツを交換したが、まぁ目を覚ますわけではなかったので、寝ることにした。




そして今日、夕飯後、次男がどうやらうんこみたいで、うんうんきばっていた。「これはうんこが来たぞ!」と私たちは色めきだった。めでたくうんこに誤飲したものが入っていれば私たちは心配から解放され、手術しなくても良いからだ。

長い事うんうん頑張っていた次男。やがてうんこが出尽くして私はオムツを交換することにした。そして出たうんこを妻がさっき食べたスーパーの焼き鳥の串を使って探索した。

子どものものとはいえ、なかなかうんこを分解して探索するという事はないため、私はちょっと抵抗はあったし、なんと言っても臭かった。しかし職業柄慣れた感じでうんこをより分ける妻。そしてついにうんこの中からいちごの形をした小物を見つける事に成功した!

それは長女のヘアゴムについていたプラスチックでできたイチゴだった。大きさは1センチにも満たない。それがうんこまみれで出てきた。

妻と私は歓声を上げ、ほっと胸をなでおろした。こんなに嬉しい事はそうそうないなと思った。誤飲したイチゴの小物はちゃんと1日を経ずしてうんこと一緒に出てきたのだった。

そんな私たちをきょとんとした目で見る次男。私たちの心配を全く理解していない様子だった。

今までさんざんおもちゃを口に含むなよと子供には言い聞かせてきたが、もう今後はそのような小さな物は手の届くところに置かないようにしようと固く誓った私たちだった。


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