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リベンジ・オブ・タラの芽(2024.04.22)

先日、妻の実家から大量のタラの芽を頂いたが、それが食卓に上がった日に私は頭を負傷しており、全然楽しめなかった事を書いた。

そして今日、会社の畑(弊社は色々な事をやっていますが、事情があって畑を所有しております。宜しくお願い致します)でタラの芽が少し出ていて、私はそれを少し頂くことができた。有難い。

しかし本当に少しの量なので、家族で食べる程の量はない。というか、子供たちは別にタラの芽なんかに興味はない。ヤマザキチョコパンとかポテトチップスが食べられればそれで満足だ。あげる必要はない。しかし妻に見つかると何かと嫌味を言われそうなので、妻には黙っておいた。

そして夕食後、妻が風呂に行ったその刹那。私はタラの芽の素揚げに取り掛かった。「タラの芽は天麩羅だろう」と思われる方も多いかもしれないが、私は素揚げも同じくらい好きなのだ。

私はタラの芽を自室から持ってきて、素早く洗い、片栗粉にまぶして素揚げした。しかしこの時間は本来洗い物をせねばならず、同時に子供らの歯磨きの仕上げも行わなければならない。趣味の揚げ物をしつつ、その二つもやらなければならないとても難しいミッションだったが、タラの芽のその鮮やかな緑色を見て、「これはやるしかない」というふうに思ったのだ。なんて素敵な緑色なんだろう。山のめぐみ(正確に言うと会社の畑のめぐみだが)そのものじゃないか。

これほど素敵な緑色が他にあろうか。いやない。

ほんの少量の片栗粉にまぶして180℃に熱した油でさっと揚げる。「ジュワー」という音がけっこう大きくて風呂に入っている妻の耳に届くんじゃないかと心配になる。匂いが残らないように換気扇を最強にする。

一瞬で揚げる

揚がったタラの芽に少しだけパラパラと塩をかけて、揚げたそばからすぐ食べる。

美味い!!


ただ片栗粉にまぶして揚げただけとは思えない美味さ!タラの芽の、まるで春を体現したような香りと、鮮烈な苦み。サクサクした歯ごたえ。最高だ。ちくしょうビールを用意しておけば良かった。

ごく少量のタラの芽だったが、私は満足だった。できればちゃんと腰を落ち着けて食べたかったが、週末まで待ってしまうと鮮度が損なわれてしまうので、今日食べるしかなかったのだ。

一瞬で食べ終え、私はすぐに片付けに取り掛かった。そしてあっという間に揚げ物をした形跡を完全に消してしまった。油はぎりぎりまで冷ましてキッチンペーパーを詰めた空いた牛乳パックに入れて封をして、袋に包んで外のゴミ箱に捨ててしまった。

歯磨き後のポケモン(アニメ)を楽しんでいる子供ら。私が揚げものをしていたことに何の興味も示していない。すぐに妻が風呂から揚がって来たが、少しも訝ることなく、子供らに声をかけている。

ようやくタラの芽を十分に味わう事ができて、私は何度目かの春の到来を感じていた。

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