田舎の飲食店のリアル 健康と怪我
ついに壊れた
以前、こちらにも書きましたが僕は30歳の時にこの業界に入りそれはもう必死に働いてきました。
必死という言葉は必ず死ぬですが、本当に死にそうになった事もあります。
昔、僕の働いていた飲食店は大体13時に出勤して18時オープン。0時L.0で1時には閉店するのですが、その日のミーティングや試作試食、マネージャーからのミーティングという名の説教などで平均帰宅時間は5時を回ります。
家に帰ってシャワーを浴びて時計を見ると、7時になることも珍しくありません。買い出しを分担してるので少し早く出勤します。
11時には起きるとなると平均睡眠時間は4〜5時間です。
店長などの責任者は毎日不毛に行われるミーティング資料を作成するためにもっと早く出勤しなければいけません。
僕も経験しました。
特に月に一度の店長会議は殆ど寝ないで出勤です。
そんな状態で仕事をしてるのでたまに早く帰れる時(とは言って3時くらいなんですが)今日、飲み行く?と同僚で集って飲み歩いたりしてました。若かった。今なら睡眠優先!
ある日、そんな疲れ切って酔って帰って小腹が減り冷凍庫にあったコロッケかなんかを食べて寝ようなど、おおよそ一般人では考え付かないような事をしてしまうのは料理人の性なのか、コンロに火を付けて温度が上がるまでソファに座って待ってたらそのまま寝落ちしてしまい、気が付けばキッチンが業火に包まれてました。
消化せねば!と炎に包まれるキッチンを横切って玄関にある消化器を取り火元の天ぷら鍋に消火剤を噴霧!火は治ったがまだ燻っている火を消そうと高温に熱されていた蛇口に手をかけ右手を火傷。小さな火を消す代償は大きかった。
ベランダに避難し遠くから聞こえるサイレンの音
「ああ、これ俺んちに向かってるんだろうな」
火傷した手を見てぼんやり今後の人生を考えてたりしてました。これって出火罪とか賠償金とかで俺の人生詰んだのかな?
マンションのドアが開き、煙越しにマスクと防火服を纏った消防士にまるで捕獲された宇宙人のように両腕を抱えられて救出されました。
幸い、マンション住人に怪我はなく火災保険で全てなんとかなり人生詰むどころか保険でテレビも新しくなりましたw
いや、火事の話じゃなくそれくらい働いてたってことです!
あと手も完治してます😃
そんな仕事してるのに手取りは16万くらいだったので貯金出来ず(北海道も賃金安い)沖縄で開業する為に、東京で新聞配達、沖縄料理店、ラーメン屋とバイトを3つ掛け持ちしてお金を貯めました。
そして山ねこ料理店を開業するも
僕の失敗で書いた通り借金を増やしてしまい古巣のホテルと山ねこの掛け持ち生活が始まる。
翌年、売上が戻ってきたかと思ったら今度はパンデミックである。
マンゴー農園、グループホームなどの仕事を掛け持ちして山ねこを維持してきました。
思えばサラリーマンだった時も一日15時間は働いていた。
人の倍働いてやっと人の半分の収入を得る生活を20年近くやってきて
僕は壊れてしまいました。
変形膝関節症
3年くらい前から走ると左膝に違和感がありランニングが出来なくなってしまった。
2年くらい前にマンゴー農園での仕事中にも膝が痛くなり歩行出来なくなった。その時は数日で痛みは引いてなんとか歩けるようになった。
昨年くらいから時々足をひきづるくらいの痛みに襲われる時があった。
そして、今年になりついに50メートル歩くにも休憩が必要なくらい歩けなくなった。
先日、やっと予約が取れて膝の専門医が在籍しリハビリ施設も併設している病院に行って診察をしてもらった結果。
変形膝関節症と診断された。
そりゃ人の倍働いてきたんだもん、倍速で減るわな!って思ったけど、ここ数年で激太りしたのも原因と言われた。だって走れなくなって運動出来ないんだもん(言い訳)
個人事業主は体が資本とよく言いますが、働かなければカネが尽き、カネが尽きれば借金が出来、それを返済するには2倍働かねばならずと一度歯車が狂うと修正に使うエネルギーは膨大な量になります。
失敗したら一度撤退してやり直すのも選択肢の一つだと今にしては強く思いますが、不器用な僕は無理矢理にでも続けてきました。続けていい事もあったけど、その代償がコレでした。
もうダークサイドに堕ちてもいいからダースベイダーのように足を機械化したいw
先日お客様から
「お料理好きなんですね、色々工夫されててよく伝わってきます」
と言われ、それは本当に仕事を頑張ってきてよかったと思える瞬間でした。
これからはこの膝とも上手く付き合いながら料理を作っていきたいと思ってます。
もし、これを読んで飲食店を始めたいと思っている方がいましたら、どうかご自愛下さいませ。
僕のように自分を粗末にして阿呆のように働き続けるのは得策ではありません。
僕は阿呆なのできっとこのまま自分を削る事でしか何かを表現できない気がします。
飲食店は正に水商売。
清流も激流も流されるまま、その中で自分らしくどう泳ぐか。
膝は壊れましたが、まだぶっ壊れたわけじゃないのでもう少しだけ泳ぎ進んでいけたらと思ってます。
山ねこ料理店新店舗建設の為サポートお願いします!集まったお金は建設費、及び設備投資に使用させて頂きたいと思います。