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歩く


新宿駅である
電車から降りて改札を目指す
歩いている僕は突然に
自分の歩いている不思議に気づく
骨盤と大腿骨の組み合わさるところ
ぐりぐりと回転しながら
脚が前へと投げ出される
左 右 左 右 左 右 ......

まるで自分の意思かのように僕は歩くが
実はその機構のなんにも
操作することはできていないのだ
何かに突き動かされるように前進し
何かに操られるかのように移動をする
骨の連動に運ばれて
僕はいったいどこへ行こうというのだ

周りを見渡せば何百人もの人々も
その重たい脚を投げ出して
前へ前へと進んでいる
非常にグロテスクな蠢きが
骨の軋みと共に新宿の地下をかき混ぜる
左 右 左 右 左 右 ......
左 右 左 右 左 右 .....









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