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【いそがしいとき日記】その37


梅雨って感じですね。

買い物に行かないと冷蔵庫が空っぽなのに、朝から雨が降っていて外に出るのが億劫で、夕方近くまでグズグズしてしまいました。15時過ぎにずいぶんと小降りになってくれたから、いそいそと出かけましたが。

美味しそうなジャガイモが安かったし、今夜は肌寒そうなので、あとでジャガイモのグラタンを作ろうと思います。ホワイトソースを使わない、ナツメグを効かせたやつ。


さいきんTwitterでときどき「行動戯曲」ってのを書いてるんですけど。

「行動戯曲とはなんぞや」という方はこちらの記事をご参照ください(長いけど)。


梅雨だし、せっかくだから雨があるからこそできる行動戯曲をと思って、ふたつほど書いてみました。



どうぞ、ご興味ありましたらやってみてくださいね。


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公演の中止の発表をしていました「ジャージーボーイズ」ですが、本日、「ジャージーボーイズ・イン・コンサート」として帝国劇場での上演が告知されました。

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公演日程、回数、公演会場を大幅に縮小の上、上演内容も変更し、休憩なしの1幕構成として上演いたします。

客席の間隔をあけるなど、ソーシャルディスタンシングとしての施策を導入し、またそれ以外にもお客様に新型コロナウィルス感染対策へのご協力をお願いすることになります。

僕らキャストスタッフも、稽古の仕方や劇場での過ごし方など、さまざまな工夫をしながら上演に向けて準備をしております。

いずれにしても初めてのことばかりなので戸惑われることもあるかと思いますが、何卒ご協力をお願いいたします。


さまざまなハードルがあるなかで、このような上演機会を作ってくださった東宝演劇部の皆様はじめ、すべての関係者の方々のご尽力に感謝いたします。

2016年初演、TENTH、ジャージーボーイズ・イン・コンサート@シアターオーブ、2018年再演、そしてこのたびの2020年ジャージー・ボーイズ・イン・コンサート@帝国劇場と、ここまでずっとジャージーボーイズに携われているありがたさを噛み締めています。


2020年の全世界的舞台公演自粛という忘れられないであろう出来事のなかで、僕自身のひさびさの舞台のお稽古のスタートがジャージーボーイズだったということも、ひとつのご縁かと思います。


他の製作会社、カンパニー、劇団等も舞台公演を再開させたり、再開に向けて動き出したりしはじめています。が、同時に、今年の舞台の中止の報も、まだまだ日々聞こえてきます。

ジャージーボーイズを完全に中止ではなくコンサートの形でお届けできる喜びを全身で感じながらも、これはけっしてゴールではない、演劇界にとってようやく見えてきたリスタートのひとつだ、と捉え、気を引き締めて取り組みたいと思います。


待っててくださった皆様、本当にありがとうございます。

公演数もグッと少なくなっておりますし、なにより、いまだ予断を許さない状況ではありますので「ぜひ会場でお会いしましょう!」とこれまでのように言うのが憚られますが、それでも僕らは皆様のことを劇場でお待ちしております。


しかしまあ、そういいながらも、久々に舞台に立てるというは本当に嬉しいもので。

一言で言うなら "Oh, What a night!!!" って感じ!!!がんばります!!!


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村上春樹の長編小説に「1Q84」という作品があります。

簡単に言えば、小学校のときに出会っていた天吾と青豆という男女が、再び出会うまでを描いた小説なのですが、その物語の序盤でふたりは、それまで住んでいた世界とは微妙に異なる世界に入り込むことになります。

いままでの世界とそれほど変わりはないけれど、よく見ると警察官の制服が違っていたり、武装集団と警察の銃撃戦があったりします。そしてその世界の夜空には「二つの月」が浮かんでいます。

ひとつは明るく大きくて、もうひとつは「苔むしたような緑色をして小さくて歪んでいる」月です。

一見、同じ世界のように見えて、じつは微妙に、しかし決定的に異なった世界。その違いを見分けるためには、夜空に浮かぶ月を確かめるしかない。そんな世界観の中で物語は進んでいきます。


僕も少しばかりこのところ、そんな「月が二つある世界」に迷い込んだ気分がします。


一時の「基本的には外出禁止」の状態を経て、現在ではふたたび日常が取り戻されようとしています。それを「新しい生活様式」と呼ぶこともあるようですが、概ね「以前通り」に、しかし確実に何かが違う日常が僕らの周りでスタートしたようです。

もしかしたらどこかのパラレルワールドでは、感染症の影響を受けてない日常が進んでいるのかもしれない。なのにどこかのタイミングで僕は乗るべきレールを間違えて、この世界に来てしまった。かすかに、そんなふうに思います。

現実逃避をしたいわけではないし、現状に絶望しているわけでもありませんが、わずかに身体や心がフワフワとしていて、「新しい日常」をどんどん取り戻していく人々を尻目に、僕は目を凝らして二つの月を眺めることしかできないような、そんな気持ちなのです。


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読んでくださってありがとうございました!サポートいただいたお金は、表現者として僕がパワーアップするためのいろいろに使わせていただきます。パフォーマンスで恩返しができますように。