見出し画像

200日の努力

近年、人口の高齢化の流れに加え、楽な生活、身体を動かさない生活と飽食とのリスクが重なり、メタボリック症候群やロコモティブ症候群が世界的に蔓延しています。今般、循環器疾患、代謝疾患のみならず一部の癌の発症にも、明らかに身体不活動が関連し、身体活動の増加は、これらの 疾患の予防に有効であることが徐々に解明されてきました。

磁気共鳴分光法、近赤外分光法、超音波法などの非侵襲的手法を駆使することにより、運動効果のエビデンスを筋内エネルギー代謝面から解明してきました。3週間の非利き腕上肢固定不動化モデルは、全身の活動制限を最小限に抑えることができ、不活動肢の筋機能を特異的に低下させることのできます。運動トレーニングの効果検証を行った結果、週2回の短時間(2分間程度) の持久的トレーニングとストレングス(筋力)トレーニングの組み合わせにより、不活動により低下 した筋機能が完全に回復することが、わかっています。

NMNを飲み始めた目的は、介護を必要とされる時期を先延ばしさせる健康寿命を延ばすこと。持久的能力の向上。長時間動き続けられる身体作りです。毛細血管のお掃除をしたり、筋細胞の酸素の取り込みを良くするための動静脈酸素較差を強化したり、脂肪燃焼を引き受けるミトコンドリアを増やしたり、身体のサビにもなる活性酸素の除去効果も期待しています。

近年、身体活動の影響は、熱産生の少ない低強度活動であっても効果があることも分かっています。さらには、適応的熱産生を高める作用を有し、毛細血管やミトコンドリア(脱共役タンパク質 UCP1)に富む褐色脂肪を多く有する者は、糖代謝やインスリン感受性が高いことも分かり、褐色脂肪の研究も盛んとなっています。

褐色脂肪の評価法の選定と妥当性の検証、さらには人の褐色脂肪組織の活性化・増加の方法についての研究では、近赤外時間分解分光法により測定した鎖骨上窩組織内の微小血管密度を反映する総ヘモグロビン濃度が、褐色脂肪組織密度の指標となることが、確認されています。

NMNを飲み始めて、211日目。200日過ぎましたので、当初飲んでいた量を、そろそろ一般的な量に戻します。

身体の中身は、30代の頃に若返っている計算になりますので、今後は、身体不活動に伴う不利益を減らすためのトレーニング方法を筋エネルギー代謝の面から、健康への影響について実践研究しながら、人々の疾病予防や健康増進に繋げられるよう試みたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?