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協働プラットフォームとしての企業:いとへんuniverseという存在から考えてみる。

昨夜、せっかく早く寝れたのに新著を読む時間に充ててしまったので、いつもどおり5時間睡眠(笑)しかし、そんなことどうでもいいくらい脳みそ刺激されてます。

青野 慶久さんの〈カイシャ〉論、現代における企業の捉え返しにとってすごく重要っていうことは、昨夜のnoteにも書きました。

これに関して考え及んでしまうのは、やはりいとへんuniverseさん。2017年度にゼミのプロジェクトでご一緒させてもらったのですが、唯一の非法人。共同体というても、チームというても差し支えはありません。少なくとも〈法人〉ではない。メンバーのみなさん曰く「大人の部活」。

最近、複業(副業)をめぐる議論が少しずつ顕著になってきています。いとへんuniverseはある意味でそれを先取りする共同体。むしろ、協働態といってもいいかも。メンバーのみなさんは、それぞれに本業を持っておられます。いとへんさんの場合、みなさん本業での技能などを活かしておられるという点で、まったく無関係な複業というのではありません。しかし、それぞれに本業を展開しつつ、いとへんuniverseとしての活動も並行的にやってらっしゃる。

※ そこにゼミのメンバーまで参加させてもらったのだから、ほんとにお手間をおかけしました。あらためて深く感謝申し上げます。

ここで考えたいのは、いとへんuniverseという法人ならざる〈企業〉をどう捉えるか、です。少なくとも、会社ではない。今のところ有限責任事業組合でもない。まさに自由意思による協働態なのです。この点、ゼミのプロジェクトの一環の他大学との合同ゼミでの研究報告で、最初はスモールワールド・ネットワーク理論を用いてメンバーたちに考察してもらいました。たしかに、それによって説明できる部分はあったんですが、いとへんuniverseそれ自体のおもしろさを説明できてるかというと、まだ私のなかで物足りなさが残りました。

そこで、2月20日の成果報告会ではプラットフォーム概念を紹介して、メンバーに考察してもらいました(國領二郎『つながりの資本主義』をベースにしていた)。

すると、これのほうがすっきりする。
そう考えると、いとへんuniverseを〈協働プラットフォーム〉としてカテゴライズすると、こういった自由意思によるチーム企業を適切に捉えることができるかなと。

※ ちなみに、ここにいう企業とは「他者に対して何らかの価値(=提供する効用給付、つまり製品やサービス、コンテンツなどが、享受者にとっての欲望や期待を充たしている状態)を創造し、それによって成果を獲得しようとする営み。これは、個人または複数人の協働を通じて展開される」と規定しておきます。

複業といった際に、すでに存在している法人組織に参加し、協働するというのは、一般企業に勤めている人にとって、現状では必ずしも容易ではないかもしれません。かといって、個人で2つめ以上の事業(こういうと大仰ですが、規模の大小はまったく問題ではない)をやってくのもなかなか、という際に、自在な企業としての協働プラットフォームを立ち上げていくっていう選択肢はありうるように思ったりもします。

その活動が組合形態であったり、会社形態であったりを採る必要に直面することもありましょう。それはまた別個の課題として考えてみようと思います。

てなると、長らく地味な領域として位置づけられてきた感のある企業形態論にも、新たな展開が開けるかもしれないな、と。

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