やまがたまさゆき

経営学(経営学史)の研究と教育にたずさわってます。能やら和歌やら、日本の古典文芸がすご…

やまがたまさゆき

経営学(経営学史)の研究と教育にたずさわってます。能やら和歌やら、日本の古典文芸がすごく好きです。最近はサービスデザインやら、意味のデザイン / 意味のイノベーションやら、美意識をめぐる議論やら、そういうあたりに強く関心を持ってます。 抽象と具象をいったりきたりするの好きです。

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自分が何者かいまひとつわからない経営学を生業にしている人間のひとりごとを折々書き流します。人文学のこと、経営学のこと、ゼミのこと、能のこと、その他日々のよしなしごとを。 【書くことが多そうなテーマ】 ■ 経営や“サービスデザイン”などをめぐる思索の余滴 ■ 人文学、とりわけ詩学や美学をめぐる個人的思索 ■ 能など舞台を観たこと ■ ゼミなどのこと ■ その他、ふと感じたこと 【更新頻度】 つぶやき程度の投稿は、それなりの頻度でするかなと思います。 思索が進んでいるときは、まとまった文量の記事を投稿することもあります。 【ご留意をお願いしたいこと】 ここだけで書いていることは、まだ公にするに至っていないレベルのことですので、このメンバーシップ内でおとどめくださるようにお願いいたします。 ※そうではない投稿はオープンにするつもりです。 もちろんですが、ここにおられるみなさんが心地よくあれるような場でありたいと考えております。その点につきましては、みなさまもご協力をお願いいたします。 ※これを乱される書き込みなどがありました場合には、ご退室いただくことがあります。

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快楽と幸福。“teleiosな状態”はどこにあるのか。リストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(10)。

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。 今回は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の第10巻。いよいよ最終巻。毎回注記してますが、巻といっても、現代的な感覚でいえば“章”に近いです。今回は、幸福に関する内容。アリストテレスが、ひとまずこの本において述べられたいことのゴール(そして、その先)が述べられています。 読書会での設定文献は↑の翻訳だが、最近になって以下の文庫

    • 「語り」の根源性:語られた言論と書かれた言論の交錯、そこから哲学(史)が生まれる。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(7)。

      アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第2部第8章「言葉の両義性」と結章を読みます。 摘 読:第8章を中心に。ここで取り上げられるのは、今となってはほとんど注目されていないソフィスト・アルキダマスである。彼はゴルギアスの弟子であり、在世中にはきわめて重要で有名な弁論家であった。にもかかわらず、すでに紀元3世紀のフィロストラトスの『ソフィスト列伝』にお

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        写真は、昨年度の価値創造デザインプロジェクトの成果報告会の様子です。 価値創造デザインプロジェクトの成果報告会を開催します!今年度も価値創造デザインプロジェクト成果報告会を開催いたします!昨年に引き続き、LINEヤフー 大阪オフィスの中川さんはじめ皆さまのお力添えで、グランフロント大阪にあるLINEヤフー大阪オフィスで開催させていただく運びとなりました。ほんとにありがとうございます! 対面参加(20名;PJ先のみなさまは別枠です)と、3回生の価値創造デザインプロジェクトの

        • ポリス共同体/社会的共同関係を支えるのは、やはり愛だ。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(9)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。 今回は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の第8巻。毎回注記してますが、巻といっても、現代的な感覚でいえば“章”に近いです。今回は、愛/友愛に関する内容。前の巻に比べて、言いたいことがけっこうすっきり述べられている感があります。ちなみに、次の第9巻も引き続き、愛/友愛に関する議論です。 読書会での設定文献は↑の翻訳だが、最近に

        快楽と幸福。“teleiosな状態”はどこにあるのか。リストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(10)。

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        • 【備忘】山縣ゼミ/価値創造デザインプロジェクトでの成果報告会のための論文化:ゼミメンバー向けのSlackより

        • ポリス共同体/社会的共同関係を支えるのは、やはり愛だ。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(9)。

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        メンバー特典記事

          ○○資本主義。いやそも資本主義って。

          「ちょい飲みプラン」に参加すると最後まで読めます

          資本主義批判って、ほんとに世の中に多く出てます。「確かにね」って思うところもあります。 ただ、そもそも資本主義って何やねんってところについては、意外と議論が大雑把なので、資本主義批判を聞いても正直なところ、あまり響きません。 じゃあ、そもそも資本主義(Capitalism)って何やねん。そんなもん、すぐに答えられたら苦労しません(笑) 酔睡状態で、雑に考えてみようと思います。

          ○○資本主義。いやそも資本主義って。

          ふと顕れる色。

          「ちょい飲みプラン」に参加すると最後まで読めます

          昨日(2023/12/01)の木村祥一郎さんのX(いわゆるTwitter)での投稿、すごく惹かれるものがある。

        記事

          ポリス共同体/社会的共同関係を支えるのは、愛だ。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(8)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。 今回は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の第8巻。毎回注記してますが、巻といっても、現代的な感覚でいえば“章”に近いです。今回は、愛/友愛に関する内容。前の巻に比べて、言いたいことがけっこうすっきり述べられている感があります。ちなみに、次の第9巻も引き続き、愛/友愛に関する議論です。 読書会での設定文献は↑の翻訳だが、最近に

          ポリス共同体/社会的共同関係を支えるのは、愛だ。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(8)。

          ちょっと後半息切れしたかも。な、2023年ふりかえり。

          2023年も終わろうとしています。仕事は残っています。年内にやるべきことが。けれども、先にこれを書いときます(笑) 2023年、長かったような気がします。といって、この長いというのは、おもしろくなかったとかいうことではまったくないのです。むしろ、いろいろできたこともたくさんありました。だから、長く感じるのかもしれません。 1. アントレプレナーシップへの美学的・詩学的アプローチへの展開。研究その1。2023年の研究の多くを占めていたのは、これでした。 幸いなことに、202

          ちょっと後半息切れしたかも。な、2023年ふりかえり。

          思慮から抑制へ。自律という考え方の原点。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(7)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。 今回は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の第7巻。毎回注記してますが、巻といっても、現代的な感覚でいえば“章”に近いです。今回は、抑制あるいは節制をめぐる巻。ちょっと込み入った議論ですが、いわゆる〈自律〉にかかわっているとみることができそうです。 読書会での設定文献は↑の翻訳だが、最近になって以下の文庫版の存在も知りました。

          思慮から抑制へ。自律という考え方の原点。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(7)。

          ○○資本主義。いやそも資本主義って。

          資本主義批判って、ほんとに世の中に多く出てます。「確かにね」って思うところもあります。 ただ、そもそも資本主義って何やねんってところについては、意外と議論が大雑把なので、資本主義批判を聞いても正直なところ、あまり響きません。 じゃあ、そもそも資本主義(Capitalism)って何やねん。そんなもん、すぐに答えられたら苦労しません(笑) 酔睡状態で、雑に考えてみようと思います。

          ○○資本主義。いやそも資本主義って。

          ふと顕れる色。

          昨日(2023/12/01)の木村祥一郎さんのX(いわゆるTwitter)での投稿、すごく惹かれるものがある。

          真剣に「遊ぶ」ことで浮かび上がってくる何か。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(6)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第2部第6章「弁論の技法」と第7章「哲学のパロディ」を読みます。 摘 読。今回は、第6章と第7章を併せて摘読する。第6章で扱われているのが『パラメデスの言明』という法廷での弁明形式による演示、第7章で扱われているのが『ないについて、あるいは、自然について』という哲学的な議論の形式を採った作品である。 『パラメデ

          真剣に「遊ぶ」ことで浮かび上がってくる何か。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(6)。

          演じる詩作者、ゴルギアス。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(5)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第2部第4章「ソフィスト術の父ゴルギアス」と第5章「力としての言論」を読みます。 摘 読。1. ゴルギアスという人 ソフィストというと、もうネガティブな意味合いしか現代では認識されていない。それは、プラトンによって確定されたといえる。その代表的な存在がゴルギアスである。彼の事蹟はよくわかっていないが、100歳を

          演じる詩作者、ゴルギアス。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(5)。

          関係性のなかで定まっていく〈正義〉あるいは〈不正〉:道徳哲学の淵源として。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(5)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試みの第6回。 今回は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の第5巻。毎回注記してますが、巻といっても、現代的な感覚でいえば“章”に近いです。今回は、正義と不正と題された巻。前の巻では〈中庸〉が採りあげられたが、それを他者との関係性に拡張した議論とみることができそうだ。 読書会での設定文献は↑の翻訳だが、最近になって以下の文庫版の存在も

          関係性のなかで定まっていく〈正義〉あるいは〈不正〉:道徳哲学の淵源として。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(5)。

          Criticalに事象を見定めていくなかで“それ”が何ものか定義されていく。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(4)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第1部第3章「ソフィストと哲学者」を読みます。 摘 読。この章で主人公となるのは、プラトンである。プラトンはレッテル貼りとして用いられがちな「ソフィスト」ということばを、実体をあらわす概念として規定しようとした。そのなかでも、『ソフィスト』においては「ソフィストとは何か」を明らかにすることで、哲学者との相違を示そ

          Criticalに事象を見定めていくなかで“それ”が何ものか定義されていく。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(4)。

          40代半ばの新参報告。組織学会2023年度研究発表大会。

          安西さん 久しぶりに、こちらに書いてみようと思います。 この年齢になってくると、所属年数が長い学会ともなると、統一論題だったり、あるいはコメンテーターだったり、役職だったり、いわゆる自分の研究そのものを稀釈なく報告するという機会は減ります。学務も忙しくなりますし。そういうなかでも、ときどきは自由論題報告に申し込んで、自分のダメさ加減も含めて、身を晒さないとなとは思っています。 以前に、こんな感じで私自身の「越し方」(←時代がかっててすみません笑)を書きました。 3年近

          40代半ばの新参報告。組織学会2023年度研究発表大会。

          両極のあいだに中庸。しかも、固定的ではなく。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(4)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試みの第4回。 今回は、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の第4巻。巻といっても、現代的な感覚でいえば“章”に近いです。今回は、その他の〈性格の徳〉および悪徳と題されている。ここでは、具体的な状況に応じた中庸の可能性が論じられている。 私見交じりの摘読。摘読に先立って。本章は、それぞれの状況における中庸が、どのように現れるのかを具体的

          両極のあいだに中庸。しかも、固定的ではなく。アリストテレス『ニコマコス倫理学』をよむ(4)。

          いかにして、それは“それ”になるのか。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(3)。

          アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第1部第2章「誰がソフィストか」を読みます。 摘 読。もともと、ソフィストという名称は「知者(ソフォス)」と同義であった。それが異なるニュアンスを持ち始めたのは、紀元前5世紀にプロタゴラスが自らこの名で呼ばれる専門職業人を標榜したことによる。そもそもソフィストの技術は古いものであった。かつては、詩の朗唱や神の言葉

          いかにして、それは“それ”になるのか。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(3)。