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「野球未経験者の戦力分析」vol.1 (千葉ロッテ篇)

さぁ、始まりました。「野球未経験者の戦力分析」シリーズ、第1弾。
この連載では、野球未経験者であるヤマシが、野球に関する技術がないなりに各チームの戦力を分析していきます。ゆくゆくは、今年のドラフトについて語るための材料となればいいと思っています。もう先取りでドラフト候補についても語っちゃってますが。笑
初回となる今回は、現時点(9/11時点)でパ・リーグ1位の井口監督率いる千葉ロッテマリーンズについてお伝えします。

年代別分析の前に、なぜロッテが上位にいるのかを考えてみます。
まずは、パ・リーグの順位表をご覧ください。

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ロッテの特筆すべき点として、
盗塁数 第1位
得点数 第1位
この2つが挙げられます。
このことから、ロッテは、「足」と「打」のチームだといえます。

まずは盗塁がダントツで多いことについて。
現在のロッテは、1番から3番までの3人全員、足が速く、かつ打率を残せるバッターを並べています。(藤原選手は8月の月間MVPをとったのですが、残念ながら離脱してしまいました…;;)
1番 荻野貴司(.301 17盗塁)
2番 藤原恭大(.269 7盗塁)
3番 中村奨吾(.294 11盗塁)
それに加え、控え野手陣には21盗塁の和田康士朗、11盗塁の岡大海がおり、盗塁を企図できる選手が数多くいます。

この足の速いランナーを確実に返せるのが「打」のチームのロッテ
1番から3番の後は、左右の主砲が続きます。
4番 マーティン(25本塁打、パ・リーグ1位)
5番 レアード (22本塁打、パ・リーグ4位)
この後の打順も、長打力のある安田尚憲山口航輝が続くことが多く、若手の活躍も光ります。

実際、先発で勝利数が多い岩下、小島、美馬、二木の防御率は3点台から5点台と、決していい数字ではありません。しかし、それをカバーするだけの足も絡めた攻撃力で、首位に立っているのではないかと考えています。

前置きが長くなってしまいましたが、千葉ロッテの年代別分析に行きましょう。

・千葉ロッテマリーンズの年代別分析

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<表の色や文字の説明>(次回以降も同じです)
黒字:投手なら右投、野手なら右打
青字:投手なら左投、野手なら左打
紫字:両打の野手。ロッテであれば育成選手のペラルタが該当
オレンジ背景:新入団選手
ピンク背景:今年の戦力外が危ぶまれる選手
太字:1軍の試合における主力選手(と主観で判断した選手)
カッコつき選手:育成
※年齢は2022年3月31日時に達する満年齢です

ロッテの現状をひとことで表すとすれば、

「ベテランと若手が入り混じった世代交代の過渡期」

とでも言いましょうか。
ポジションによって差はありますが、全体的に見ればベテランも中堅選手も若手もひとしく活躍しているような、イイ感じの年代構成です(細かく見ると、先発は若手が多く、捕手や内野手は中堅選手が多い、など様々です)。

それでは、ポジションごとに見ていきましょう。

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投手(先発)

先発は、23歳~26歳の比較的若い年齢に選手が集まっています
現在勝利数が多い岩下大輝、小島和哉、二木康太がこの年代です。その他、2019年に8勝を挙げた種市篤暉、ドラフト1位の鈴木昭汰、育成出身の本前郁也、ファームで9勝を挙げている育成選手の森遼大朗がいます。
一方、ベテランといえる先発は美馬学石川歩のみで、まるでベテランと若手の穴を埋めるかのように今年6月にロメロを獲得しました。
先に挙げた23歳~26歳の年代は2,3年後には更に成長してくれると思われるので、ドラフトで大卒投手の補強は必要ないような気がします。
一方で、佐々木朗希、中森俊介に次ぐ高卒投手は獲得すべきだと思います。今年も高卒投手が豊作なので、1人か2人とっておきたいところです。22歳以下の左腕がいないので、大阪桐蔭の松浦慶斗君あたりはアリだと思います。

投手(リリーフ)

最初に投手力は低いみたいな書き方をしてしまったが、ロッテのリリーフ陣は非常に盤石で、選手層が厚い。現在ロッテは、益田直也佐々木千隼田中靖洋国吉佑樹の4選手が防御率1点台と、盤石のリリーフ陣です。
ロッテは、リリーフ陣に連投させて疲労を溜めさせないような球団独自の起用法を設けて投手を管理しています。しかし、これができるのは勝ちパターン以外の投手も信頼がおけるような、選手層の厚い球団だからこそではないでしょうか。
(リリーフ陣の起用については→https://baseballking.jp/ns/243429
選手層が薄い球団は、1点差や2点差のゲームにもこれ以上点差を開かせまいと、勝ちパターンで使う投手を起用してしまい、その結果、勝っていても負けていても同じ投手が起用され、登板過多となるようなことがあります。すなわち、リリーフの成績が良いのは選手層の厚さによって裏付けされている、と私は考えます。事実、ファームにも東條大樹石崎剛など実績のある投手が控えてますしね。
盤石のリリーフ陣ではあるが、一つ心配事があるとすれば、リリーフ陣の主力の年代が30歳を超えてきていることでしょうか。そろそろ次の世代のリリーフ陣が育ってきてほしい。その意味では、今年の佐々木千隼の成長は非常に大きいですね。ドラフトでも、リリーフ向きの大卒・社会人の投手を指名したり、あるいは中村稔弥や土肥星也という投手をリリーフに専念させたり、ということもアリかもしれないですね。

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捕手

捕手に関しては、27~30歳になんと6人もの選手が集まっています。なかなか珍しい年代構成だと思います。特に今年は29歳の加藤匠馬選手をトレードで獲得しました。
優勝争いをしているチームでは珍しいと思うのですが、正捕手が全然決まっていません。田村龍弘柿沼友哉佐藤都志也加藤匠馬でのスタメンマスク争いがずっと続いている状況だと思います。
「正捕手が固定できていないなら即戦力捕手をとればいいじゃないか…!」という思考になる人もいると思うですが、私はその意見には否定的です。というのも、ロッテは2019年のドラフト2位で東洋大の佐藤都志也選手を獲得しました。佐藤選手は、東海大の海野隆司(現ソフトバンク)、慶応大の郡司裕也(現中日)と並んで大学生トップクラスの捕手でした。さらに佐藤選手はバッティングにも光るものがあり、注目されてきました。しかし、現状、上に挙げた3人の中でスタメンマスクを誰も勝ち取ることはできていません。2020年のドラフトで日本ハムが3位指名した古川裕大捕手も1軍昇格を果たせていないことを考えると、捕手が即戦力としてスタメンマスクを被り続けるのは難しいのではないかと考えています。(ここ最近だと、巨人の大城卓三選手なんかはかなり優秀だと思います)
そう考えれば、年代は被るけれども加藤匠馬選手をトレードで獲得する人事は、実はすぐれているのではないでしょうか。
とはいっても、次世代の捕手育成という意味で、大卒・社会人捕手は1人ぐらい指名してもいいのではないかと思います(おそらく捕手で1人ぐらい戦力外通告が言い渡されそうな気もするので)。

内野手

内野手が最もベテラン、中堅選手、若手のバランスがとれているといえるでしょう。30歳を超えた井上晴哉、レアード、加入したばかりの小窪哲也がファーストを、中堅選手の中村奨吾、藤岡裕大が二遊間を、若手の安田尚憲がサードを務めることが多く、よくバランスがとれています。
注目されることは少ないですが、61試合に出場しながら無安打の三木亮も1軍には欠かせない存在です。無安打なのは、そもそも打席数が8しか与えられていないため。基本的に三木は試合終盤で出場する守備固めの選手です。

また本題からそれますが、三木選手は内野のユーティリティプレイヤー(どこでも守れる万能型選手)であることから守備固めとして使われますが、それ以上に、三木選手のような内野のユーティリティがベンチにいること自体に大きなメリットがあります。
控え選手には色々な役割が与えられますが、その中に、スタメンの選手にアクシデントが生じた際、その代わりに出場するということがあります。内野のユーティリティプレイヤーが1人いれば、内野のどの選手が離脱したとしても交代要員は1人で済みます。その代わりに空いた1軍の枠を、他の役割の控え選手に回せられる。ロッテの場合は、最初に紹介したような「足」を使える選手の枠を多く確保できる、そのようなメリットもあるのです。

本題に戻ります。内野手の課題としては、選手層が薄いことにあります。選手層を厚くするためには、22~24歳の福田光輝、平沢大河、小川龍成、西巻賢二といった若手の台頭が不可欠です。彼らの奮起に期待しましょう。
もうひとつ、若手のファーストを守る主砲候補が欲しい気がします。山口航輝もファーストを守ることがありますが、主砲候補がもう1人いると層が厚くなります。ロッテの本拠地は千葉ということもあり、小学生の時にロッテのジュニアチームに在籍しており、高校でも通算70本塁打を放った千葉学芸高校の有薗直輝君とかは指名されるような気がしています。どうなるんでしょうか…?

外野手

外野手の年代構成は顕著で、チームの主力はベテランと若手で構成されているといっていいでしょう。ベテラン選手は荻野貴司、角中勝也、マーティン、若手選手は藤原恭大、和田康士朗、山口航輝といった具合です。
外野手には中堅選手がほぼいない(本来ならば加藤翔平選手がいましたが、トレードで中日へ移籍した)ので、世代交代のタイミングが非常に難しいのですが、ロッテの場合は高卒外野手の台頭が早いことが功を奏し、うまく世代交代が進みそうな感じです(一方、ソフトバンクは世代交代に苦しんでいる気がするなぁ、また説明します)。
昨年は中堅選手の穴を埋めるように岡大海選手をトレードで獲得しています。全体的に年代構成の穴や補強ポイントに合わせた補強をきちんと行えていますね(ロメロ、国吉、加藤、岡…)。
とはいえ、年代構成のアンバランスがあるので、それを解消するためにも大卒・社会人の外野手を獲得するべきだと思います。ここ最近で評価が急上昇している上武大のブライト健太選手とかどうでしょうか。2,3年後に1軍で爆発できれば最高です。


以上、ロッテの年代別分析を行ってきました。
余談も多かったような気がしますが、初回ということもあり、自分のプロ野球のチーム構成に関する考え方が随所で語ることができたのではないかな~と思っています。
ドラフト候補についても、もうすでに何人か紹介しましたが、余裕があればドラフト候補について掘り下げて書きたいですね~。

最後まで読んでくださり、どうもありがとうございます。
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次回は、9/11時点でパ・リーグ2位、奇跡のチーム オリックスについて書こうと思います。それではまた!(@^^)/~~~

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