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医療機関での痔の治療法 重症度により異なる選択肢   

みなさんは痔で病院にかかったことはありますか?

痔は肛門疾患の中でも最も多く、症状がある人だけでも成人の約半数もいるといわれています。

男女比で見ると女性の方が痔になりやすいと言われています。
これはなぜでしょうか。

排便リスクは同等であるもの、女性は生理・妊娠・出産により肛門が炎症を起こす環境があること、便秘持ちが多いということが挙げられます。

日本大腸肛門病会誌掲載文によると、女性に便秘が多いのは妊娠や食事量、排泄環境などの習慣性が大きく関係していると調査結果を出しています。

実は悩んでいる人も多い“痔”ですが、多い反面下記のような研究結果も出ています。

ある製薬会社の合同研究結果によると、痔疾(じしつ)を認識している6,000名の72.6%が医療機関およびOTC薬品のいずれも利用していないことが分かっています。
医療機関を受診しない理由として、「病院に行くほど症状が悪くないから」41.2%が最も多く、次に「病院に行くのが恥ずかしいから」36.8%、「どんな診察をされるかわからず不安だから」24.5%という結果でした。

やはりデリケートなお尻のこと、「見られるのが恥ずかしい」と思う人は少なくないようです。

実は私広報Tは昨年ひどいいぼ痔/外痔核になり、あまりの痛さについに医療機関(当院)を受診しました。
痔になるのは今回が初めてではなく、以前は自己判断による市販薬で済ませました。
しかし、目視は出来ませんでしたが触手でも大きく腫れていることが分かったこと、常に違和感を感じ、座っていると余計に痛みを感じるため、医師による診察が必要だと判断しました。

いぼ痔は痔の中でも男女ともに最も割合が多い症状です。
いぼ痔の原因として、主に
・排便時のいきみ
・便秘や下痢
が挙げれます。
また、肛門部の血液の流れが悪くなり、うっ血してはれることでも症状が悪化します。

いぼ痔の症状

自分がどうしていぼ痔になったのか、有難いことに便秘や下痢はないのではっきりとした要因は分かりません。
ただ、仕事で座っていることが多いので、座りっぱなしによる血流の悪化は考えられます。

当院には男性、女性両方の消化器外科医師が在籍していますので、自身の希望で受診することが可能です。
現在の状態を話し、正確な診断には内診が必要なため、診ていただくことに。下着だけ外し、ベッドに横向きで横たわり、上からタオルを掛けられた状態で入り口にジェルを塗布し、器具を挿入します。

内診の結果、私の場合は大きな外痔核が出来ている、との判断でした。
そして、痔とは別にもう一つ気になっていたぷにぷにした突起物について伺ったところ、正体は“スキンタグ”=肛門皮垂という肛門周囲の皮膚のたるみでした。

肛門皮垂(スキンタグ)


多くがいぼ痔や切れ痔などで一時的に肛門部が腫れ、その後、腫れが萎縮した後に、しわとなって残ったものです。
自分のケースはこれに該当します。

スキンタグは皮膚の一部であり、一度できてしまったものは切除しなければ、消失することはありません。
人により気になる度合いが異なるため、切除の必要性は一概には言えません。日時用生活に支障がなければ、治療は不要です。


痔に関しては内服薬や塗り薬を処方していただき、またおよそ一週間後に再診・経過観察という流れになります。

今回は内服、塗り薬での治療が該当しましたが、重症度により硬化療法、手術療法(結紮切除術)、ジオン注射硬化療法といった治療を行うこともあります。

痔はQOLにも関係してくる疾患です。

デリケートな部位のため、かかりづらいと感じている方は女性に限らず多いかもしれませんが、当院のように女医がいる病院もありますので、ぜひ一度ご相談に行ってみてはいかがでしょうか。


明理会東京大和病院広報【消化器外科】
※女性医師を希望する方は、千葉蒔七医師の外来にお越しください。
月/午後、第4水/午前、金/午前





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