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若者のすべて〜アジアプロ野球チャンピオンシップ2023

割引あり

2023年は3月のWBCで始まり空前絶後の熱狂を生んだ。野球ファンにとって幸せなスタートとなり、コロナ・ウイルスで闇に包まれた野球界に光明がさした。来年はプレミア12が控えており、3年後のWBCも今から待ちきれない。満腹、大満足の2023年だが、なんと国際大会のデザート、最後のシメが残っていた。

『アジアプロ野球チャンピオンシップ』

初耳の人も多いだろう。WBCに比べて知名度、注目度ともに低く、野球ファンの間でも素通りされてしまう。しかし、"アジチャン"を見ずに令和五年を終えたら野球ファンの名が廃る。

大谷翔平がWBC優勝直後のインタビューで訴えた「日本だけじゃなく韓国、台湾、中国、その他の国の野球が盛り上がって欲しい」

その言魂の襷を受け取ったのがアジアCS。中国こそ参戦しなかったが、2023年の国際大会はWBCだけでは語れない。WBCで始まりアジアプロ野球チャンピオンシップで締めてこそ、野球史上最高の1年が完成する。


アジアプロ野球チャンピオンシップとは

アジアプロ野球チャンピオンシップ(Asia Professional Baseball Championship)は、アジア野球の発展、および若手選手の育成を目的とした国際大会。参加国のプロリーグから選出された選手が総当たり予選を実施し、1位と2位でアジアチャンピオンの覇権を争う。「APBC」「アジチャン」「アジアCS」などいろんな呼び方がある。

プレミア12を主催する世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公認試合であり、WBSC国際球を使用。国際大会の機会が少ないプロ野球において、アジア諸国の代表チームの礎になり、WBCやプレミア12といったトップチームへ飛躍する滑走路。

プロ野球は個人事業主の集まり。チームが優勝しても個人成績が悪ければ戦力外通告を突きつけられる。ライバルが金太郎飴のように次々に現れ、「チームのために」なんて言っていたら、あっという間に仕事を奪われる。チーム事情を気にする余裕のない選手がほとんど。しかし、国際大会では個人成績よりチームの結果がすべて。本来あるべき姿である「全員野球」が見られる。

ペナントレースは7割勝たなくても優勝できる。しかし国際大会は一敗が致命傷になる。ペナントレースは木刀の試合であり、国際試合は真剣の勝負。だからWBCやプレミア12、アジアプロ野球チャンピオンシップは面白い。

第1回大会

引用:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20171120_1.html

第1回アジアプロ野球チャンピオンシップは2017年1月23日に発足。時代は平成29年だった。将来的には開催国の増加や4年後の2021年に第2回大会を実施予定であると発表。日本の監督は稲葉篤紀。2023年WBCで外野守備・走塁コーチを務めた清水雅治も同ポジションに就いていた。

アジアプロ野球チャンピオンシップ2017は日本、韓国、台湾のプロリーグ3カ国で争い、試合は全4試合。2023年と同じ11月16日(木)から19日までの4日間で争われた。

1日1試合、記念すべき初戦は、日本vs.韓国。犠牲フライから二塁へのタッチアップなど積極的な攻撃が多く見られ、いきなり延長タイブレーク。日本は10回に3点差で負けていたが、上林誠知(ソフトバンク)の起死回生の同点スリーランが生まれ、8-7で勝利。4時間29分、観衆32,815人が熱球を見守った。

最終日は30,498人と初戦より観客が減り、全勝の日本vs.台湾に1点差で勝利した韓国の優勝決定戦。山崎康晃(ベイスターズ)が後のメジャーリーガーとなるキム・ハソンをセンターフライに打ち取って優勝。

引用:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20171120_1.html

大会MVPは3試合で打率.462、1本塁打、4打点と大暴れした埼玉西武ライオンズの外崎修汰(当時24歳)が選ばれ、ベストナインには外崎の他に田口麗斗(先発投手)、西川龍馬(三塁手)、松本剛(外野手)、近藤健介(指名打者)の計5人が選ばれた。この第1回大会の出場選手で、2023年WBCのトップチームに選ばれた選手は5人。

  • 今永昇太

  • 源田壮亮

  • 近藤健介

  • 甲斐拓也

  • 山川穂高

韓国代表にはWBCの日本戦で大暴れした当時19歳のイ・ジョンフやメジャーリーガーとなるキム・ハソン、今年のWBC にも出場した投手のク・チャンモなどがいた。

台湾代表でもWBCに出場した陳 冠宇(チェン・グァンユウ)、呉念庭(ウー・ネンティン)、陳傑憲(チェン・ジェシェン)、王柏融(ワン・ボーロン)、林立(リン・リー)などのホープを輩出。

プロ野球選抜の侍ジャパンは2017年から主要な国際大会すべて優勝で飾っている。2019年プレミア12、2021年の東京オリンピック、そして2023年WBC。そのヴィクトリー・ロードの一歩目が2017年の第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ。

アジアプロ野球チャンピオンシップ2023概要

いよいよ2回目の扉を開くアジアプロ野球チャンピオンシップ2023。近年のプロ野球では若手の台頭が著しく、第1回を超える熱戦が待っている。

参加国

引用:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20231024_2.html
  • 日本:一般社団法人日本野球機構(NPB)

  • 韓国:韓国野球委員会(KBO)

  • 台湾:中華職業棒球大聯盟(CPBL)

  • 豪州:オーストラリア野球連盟(ABF)

※台湾は正式には「チャイニーズ・タイペイ」だが敬意を込めて「台湾」で統一

第2回大会(2023年)は、第1回大会(2017年)王者の日本、準優勝の韓国、台湾の三国志に加え、新たにオーストラリアが参戦。四皇で覇権を争う。

今後も参加国を増やす方針であり、WBCの常連国である中国をはじめ、フィリピン、タイ、シンガポール、ラオスなどの参戦も実現が待ち遠しい。

引用:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20231024_2.html

10月24日の会見では参加国のグライム・ロイド投手コーチ(豪州)などが出席。南半球のオーストラリアは国内リーグ(11月がシーズン開幕)と重なるが、選手はアジアプロ野球チャンピオンシップを優先して日本に来る気合。

引用:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20231024_2.html

台湾の陳金鋒(チェン・ジンフォン)監督は台湾人初のメジャーリーガー。「選手はシーズン後も練習を続けている」と自信。

引用:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20231024_2.html

韓国のリュ・ジュンイル監督(韓国)は今年、中国で開かれた杭州アジア競技大会野球で韓国を優勝に導いた指揮官。今年の韓国プロ野球ホームラン王のノ・シファンを4番に起用することを明言。その他にも3月のWBC出場メンバーが7人もおり、日本を上回る戦力で初優勝を狙う。

大会ルール

  • 全試合DH制を採用

  • 大会使用球はWBSC国際公認球

  • 投手の投球制限なし

  • 7回以降10点差以上でコールドゲーム
    ※決勝戦は除く

  • 9回を終了して同点の場合:タイブレーク制

  • 予選、3位決定戦は12回にて打ち切り
    ※12回で決着がつかない場合は引き分け

WBCと大きく違うのは、使用するボールがMLB球ではなく日本のSSK製、球数制限がないことなど。WBCは球数制限があるためリリーフ投手の存在が重要だった。アジアプロ野球チャンピオンシップは1人の投手が完投することもでき、完全試合やノーヒットノーランが生まれる可能性もある。延長タイブレークは10回の攻撃から無死一・二塁、9回終了した時点での継続打順で開始する。

参加資格

  • ロースターは26名まで

  • 24歳以下(1999年1月1日以降生まれ)または入団3年目以内

  • オーバーエイジ枠は、29歳以下(1994年1月1日以降生まれ)で3名まで

登録は26人まで。WBCの30人より4人少ない。MLB機構が主催するWBCと違い、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の試合にはメジャーリーガーの参加は認められていない。またプロ野球のフルメンバーで挑むプレミア12と違って24歳以下、もしくは入団3年目以内の選手を中心に構成され、基本的には若手の育成を目的にした大会である。

その代わり、代表に選ばれた若者は栄誉に喜びを爆発させ、明日をもかえりみないハッスルプレーで若き血潮が躍動する。ある意味でWBC以上の白熱した試合が見られる国際大会。それがアジアプロ野球チャンピオンシップ。

試合日程

侍ジャパン秋季キャンプ

日程:11月6日(月)~13日(月)
開催:宮崎市清武総合運動公園
(SOKKENスタジアム、第2野球場、屋内投球練習場、多目的グランド)

10日に巨人、12日に広島カープと練習試合。WBCで使用した「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」は巨人軍が秋季キャンプを行っているため、清武町での合宿。

本戦

日程:2023年11月16日(木)〜19日(日)
会場:東京ドーム

11月16日(木)
韓国 vs 豪州(12時)、台湾 vs 日本(19時)
11月17日(金)
豪州 vs 台湾 (12時)、日本 vs 韓国(19時)
11月18日(土)
豪州 vs 日本(12時)、 韓国 vs 台湾(19時)
11月19日(日)
3位決定戦(11時)、 決勝戦(18時)

井端JAPAN始動

2023年10月4日

https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20231024_2.html

栗山英樹監督のあとを受け、新生・侍ジャパンのトップチームおよびU-15代表の兼任監督として井端弘和の就任が発表された。これまでトップチームの内野守備走塁コーチ(2017〜21年)、U-12代表監督(22年、23年)を歴任。第1回大会のアジアプロ野球チャンピオンシップも内野守備走塁コーチとして優勝。選手としても2013年のWBCでベストナインに選ばれる活躍を見せ、選手、コーチ、監督のすべてを担ったMr.侍ジャパン。

井原敦(日本野球協議会 侍ジャパン強化委員会委員長)が定めた監督の要件は6つ。

①国際大会や海外経験
②求心力
③知名度
④発信力
⑤アマチュア野球界を含めた日本球界への理解
⑥侍ジャパン事業への理解

そして重要な「世代交代」。当初は工藤公康など数人に打診したが全員が辞退。お鉢が回ってきた48歳の井端弘和が引き受けた。あまりにも劇的で神話を築いたWBC直後、栄誉の数百倍の重圧、火中の栗を拾うような栗山監督の魂の襷(たすき)を受け継いだ井端弘和の男気が光る。契約期間は第3回プレミア12終了後の2024年11月末まで。その間、U-15代表の監督も兼任する。

前回の第1回大会で優勝した監督・稲葉篤紀もアジアプロ野球チャンピオンシップが初陣。その稲葉監督のもとで内野守備走塁コーチを務めた井端弘和。選手、コーチの経験を経て代表監督へ。井端JAPANがアジアの純真への航海に船出する。

2023年10月12日
井端監督の就任から8日後、コーチングスタッフを発表。

【監督・コーチ】


89 井端弘和(監督)48歳
88 金子誠(ヘッドコーチ)47歳
74 村田善則(バッテリーコーチ)49歳
77 梵英心(内野守備・走塁コーチ)43歳
79 亀井善行(外野守備・走塁コーチ)41歳
81 吉見一起(投手コーチ)39歳

金子誠は前回大会に続いてのヘッドコーチ。優勝の重み、勝利の方程式を知る井端監督の右腕。村田善則バッテリーコーチは2017年WBCから前回のアジアプロ野球チャンピオンシップ、それ以降の侍ジャパンでコーチを務める超ベテラン。WBC、プレミア12も優勝を経験している。

ノックを行う梵英心コーチ

梵 英心、亀井善行はオリックス、巨人に所属する現役のコーチ。井端監督とは選手時代に鎬を削ってきた。梵 英心は日の丸をつけるのは初めてとなり、亀井善行は選手として2009年WBCに出場して以来。

吉見一起ピッチングコーチ

吉見一起はNPBのコーチ経験はないが、今年のU-12代表で井端監督のもと投手コーチとして組んでいる。

全員50歳以下の若いコーチ人事。24歳以下が中心のアジアプロ野球チャンピオンシップにおいて、どのように選手に寄り添い、井端監督を支えるか注目が集まる。

代表選手

2023年10月24日

監督就任から20日後、怪我で選出を見送った山下舜平大(オリックス)、出場を辞退した村上頌樹(阪神)や平良海馬(西武)などを踏まえて、第2回アジアプロ野球チャンピオンシップ2023の26選手を選出。代表メンバーを選ぶにあたり、井端監督はセ・パ両リーグの全858試合、2759時間を超える試合をチェック。自宅のレコーダーが何台も壊れた。

【投手】
15 早川隆久(楽天)25歳
16 隅田知一郎(西武)24歳
17 赤星優志(巨人)24歳
19 佐藤隼輔(西武)23歳
20 横山陸人(ロッテ)22歳
21 吉村貢司郎(ヤクルト)25歳
34 田口麗斗(ヤクルト)28歳
37 及川雅貴(阪神)22歳
47 桐敷拓馬(阪神)24歳
48 今井達也(西武)25歳
50 清水達也(中日)24歳
59 根本悠楓(日本ハム)20歳

投手陣は先発と抑えの柱に2つのオーバーエイジ枠を採用。先発の今井達也(西武)は今季10勝、防御率2.30の好成績で19日の優勝決定戦で先発する可能性が高い。気になるのはパ・リーグ最多の与四死球の数。抑えは余程の乱調でなければ田口麗斗(ヤクルト)。日本シリーズの第7戦で最終回に登板した桐敷拓馬(阪神)も可能性がある。

早川隆久。10月5日、日本ハム戦

特に制球力お化けの赤星優志(巨人)、2020年ドラフトで4球団競合の早川隆久(楽天)、チーム最年少20歳で選出された根本悠楓(日本ハム)は重要な役割を担う。

【捕手】

22 古賀悠斗(西武)24歳
31 坂倉将吾(広島)25歳
58 石橋康太(中日)22歳

オーバーエイジ枠の最後は捕手にあてた。坂倉将吾(広島)は25歳と若く、来年のプレミア12、3年後のWBCで森友哉や大城卓三と正捕手を争う。今季の本塁打が12本と球界で貴重な「打てる捕手」。セ・リーグの捕手で2桁ホームランは巨人の大城卓三(16本)と坂倉の2人しかいない。

24歳の古賀悠斗(西武)は盗塁阻止率 .412と12球団でダントツ。長い歴史の中でも古田敦也(.462)が最高で、阻止率が4割を超えるのは大矢明彦、田淵幸一の3人だけ。古賀悠斗は歴代4位。

【内野手】

2 牧秀悟(DeNA)24歳
5 野村佑希(日本ハム)23歳
8 佐藤輝明(阪神)24歳
9 野口智哉(オリックス)24歳
35 門脇誠(巨人)22歳
51 小園海斗(広島)23歳

紅林弘太郎(オリックス)は日本シリーズでの靭帯損傷(左手4指手根中関節炎)により欠場。代わりに23歳の野村佑希(日本ハム)が追加召集。

ホームランの野村佑希。8月26日、日ハム戦

背番号は日本ハムと同じ5。清宮幸太郎が選ばれる可能性もあったが、野村は二塁や一、三塁、外野などの複数ポジションで起用できることが大きい。26人しかいないアジアCSにおいてはユーティリティプレーヤーが貴重。

佐藤輝明。8月27日、巨人戦

ホームランが出にくい甲子園を本拠地としながら3年連続20本塁打の佐藤輝明(阪神)、井端監督が「もうとにかく素晴らしい」と手放しで絶賛する2018年ドラフト4球団競合の小園海斗(広島)など、プレミア12やWBC候補の逸材が多い。

【外野手】
1 藤原恭大(ロッテ)23歳
23 森下翔太(阪神)23歳
55 秋広優人(巨人)21歳
60 岡林勇希(中日)21歳
66 万波中正(日本ハム)23歳

外野手も若手のホープが充実。 WBCでサポートメンバーに選ばれた藤原恭大(ロッテ)

藤原恭大。8月8日、オリックス戦

日本シリーズの大舞台で躍動したドラフト1位の1年目ルーキー森下翔太(阪神)、身長2メートルを超える巨人の若き55番・秋広優人、今季25本塁打を放ちホームラン王まで1本差に迫った万波中正(日本ハム)

万波中正。10月5日、楽天戦

NPB歴代2位の連続安打29試合の記録を持つ21歳の岡林勇希(中日)。将来のWBCスタメン候補がズラリと並ぶ。

岡林勇希。8月11日、広島戦

現在の日本プロ野球はフレッシュな顔ぶれの宝石箱。24歳以下、入団3年以内でありながらWBCに選ばれたメンバーが12人もいる。

  1. 佐々木朗希

  2. 宮城大弥

  3. 髙橋宏斗

  4. 栗林良吏

  5. 戸郷翔征

  6. 大勢

  7. 伊藤大海

  8. 湯浅京己

  9. 宇田川優希

  10. 中野拓夢

  11. 村上宗隆

  12. 牧秀悟

フルメンバーで戦えば余裕綽々(しゃくしゃく)の優勝。オーバーエイジ枠で岡本和真や山本由伸だって招集できる。しかし、それではアジチャンの意味がない。「育成」と「優勝」。相反する二兎を追うことを宿命づけられた大会。井端監督は栗山監督よりも難しい二刀流に挑む。

そしてWBC出場者でありながらアジアプロ野球チャンピオンシップに出場する大和魂が1人いる。

牧秀悟

WBC中国戦の牧秀悟
  • 名前:まき しゅうご

  • 出身地:長野県中野市

  • 生年月日:1998年4月21日(24歳)

  • 身長:178 cm

  • 体重:93 kg

  • 投打:右投右打

  • プロ入り:2020年 ドラフト2位(DeNA)

WBCでチーム最多タイの2本塁打を放った"デスターシャ"こと牧秀悟。23年シーズンは打点王と最多安打のタイトルを獲得。打率.293、29本塁打、ペナントレースをフル出場し、疲労も溜まるなかアジチャンに挑む。そうなるとオフは12月から。来年2月のキャンプインまでに遅くとも年始に始動しないといけないプロ野球選手にとって、オフを丸々潰すことになる。しかも来年はプレミア12が控えているから2年連続での勤続疲労が溜まる。

WBC中国戦の牧秀悟

それでも牧はWBCで得た経験をチームメイトに伝える。それはMLBの新ルールの対応(ピッチクロックなど)が必要な時期に、宮崎で若手たちに余すことなく技術を伝授したダルビッシュ有と重なる。井端監督は牧秀悟の4番固定を明言。「ハマの4番」から「侍ジャパンの四番」へ。東京ドームで再び、デスターシャの本塁打パフォーマンスを見せてくれるだろう。

田口麗斗

8月19日 中日戦 神宮球場
  • 名前:たぐち かずと

  • 出身地:広島県広島市佐伯区

  • 生年月日:1995年9月14日(28歳)

  • 身長:171 cm

  • 体重:83 kg

  • 投打:左投左打

  • プロ入り:2013年ドラフト3位(巨人)

投手陣の注目はオーバーエイジ枠の田口麗斗。第1回大会に続いて唯一の2大会連続出場。前回大会は決勝戦に先発登板し、韓国打線を7回3安打無失点に抑えた。対戦相手の韓国・宣銅烈(ソン・ドンヨル)監督に「これだけの制球力のある投手はなかなかいない」と言わしめ、大会ベストナイン(最優秀投手)を受賞。

8月19日 中日戦

ヤクルトに所属する今季は33セーブを挙げ、阪神の岩崎優(35セーブ)に次ぐ2位。防御率.1.86。神宮球場で観たときは、150キロを超えるストレートの威力に度肝を抜かれた。WBC出場者と比べても、大谷翔平の100マイル(160キロ)、山本由伸の157キロ、栗林良吏の156キロに比肩する威力。優勝決定戦の最後のマウンドに立っているのは田口麗斗に違いない。

門脇誠

8月27日 阪神戦
  • 名前:かどわき まこと

  • 出身地:奈良県奈良市

  • 生年月日:2001年1月24日(22歳)

  • 身長:171 cm

  • 体重:76 kg

  • 投打:右投左打

  • プロ入り:2022年ドラフト4位(巨人)

大化けする可能性があるダイヤモンドが巨人のルーキー門脇誠。1年目を終えてジャイアンツの宝物。来季は坂本勇人に変わってショートに就く。アジチャンでは小園海斗がいるためセカンドの起用の可能性が高い。

8月24日 ヤクルト戦

「ストロング門脇」の愛称のとおり、171センチと小柄ながら高校1年から公式戦116試合999イニングを怪我なく出場を続けた。今季成績は打率.263、チームトップの11盗塁、なによりハッスルプレーはチームを勢いづけ、その守備で何度も勝利に貢献してきた。

8月24日 ヤクルト戦

こんな選手がドラフト4位で獲れたのは不思議だが、イチローや山本由伸、近藤健介などWBC戦士の多くがドラフト4位である。青木宣親や和田一浩もドラヨン。源田壮亮のあとを継ぎ、侍ジャパンの遊撃手を背負える逸材。

アジアプロ野球チャンピオンシップ2023 合宿

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