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台北紀行

8月の大晦日、東京の最高気温は35℃。夏が終わらない。海の向こう台湾で高校野球のワールドカップが行われるからだろう。甲子園という世界でいちばん熱い夏が終わると、その余熱を抱えて世界大会が開かれる。球児たちにとっては疲労がピーク。選ばれし者に夏休みはない。

旅の目的は2日目だが、初日は日本代表の試合がある台北市立天母棒球場に向かう。台北松山空港に向かう飛行機のフライトが7時55分と早朝。新宿発の始発に乗ればギリギリ間に合うが、空港の大混雑に備え、前夜に前のり。

東京はスーパーブルームーン。羽田空港の国際線ターミナル。駅には通勤という日常の匂いがあり、ターミナルには旅という非日常の匂いがある。

ターミナルに作られた日本橋。外国へ飛び立つ滑走路に見える。萩原慎一郎さんの短歌を思い出した。

きみのため 用意されたる滑走路 きみは翼を 手にすればいい

寝返りをうっていないからか、膝と腰が激痛。帰国したらトムハンクスとスピルバーグの『ターミナル』を観よう。

いよいよフライト。乗り場に向かう途中『六厘舎』があった。7年前、エヴェレストに向かう前に和食納めとして食べた店。ネパールで嫌というほど日本食をたべたけど。まだ残っていたのか。それだけでうれしい。食べようか迷ったが、機内食があるので我慢。アメリカに向かう前に食べるか。

機内は爆睡し、気づいたら台湾だった。日本時間11時半、台北では10時半に空港到着。都会なのに山に囲まれている。それだけで安心できる。山は偉大だ。早速、両替。長蛇の列。5万円。1元が4.7円。

タクシーはトヨタ。1,500円くらい。電車を乗り継げば40元。次からは電車で来よう。ユリイカ、我、発見せり。ホテルまで歩いて1時間ちょっと。夏じゃなかったら歩いていた。ファミマ、ダイソー、ユニクロなど日本の店も多い。ネパールや上海、色んな匂いが混ざっている。とにかく暑いが清潔な街だ。

一宿の世話になるホテル。カタコトの日本語が通じる。チェックインは15時なので荷物を預かってもらう。街を探索。

映画『台北暮色』で見たような光景。台北は観光地というより住んでみたい国だ。

路地裏にある寺院。地元の人の日課なのだろう。ネパールに似ている。

大通りの向こうに山々が見える。東京より住んでみたくなる。台北の街は最高気温30℃。湿度が凄いから日本と同じか、それ以上に暑く感じる。

最初に向かったのがホテルから近くの「忠孝橋」。と言っても15分から20分くらい歩く。

ここは映画『台北暮色』のラストで主人公の車がエンストし、大渋滞をつくってしまう場所。

たぶん、この道路だ。ここで車がエンストする。

せっかくなので橋を渡ってみる。黄昏に来たかったが、青空も清々しい。

ニューヨークのマンハッタンに似た風景。入道雲が夏を彩る。

台湾は右側通行。だから車も左ハンドル。日本と逆。

人生とは非日常を求めながら、日常を愛すること。ニューヨークにあるブルックリン・ブリッジと同じ匂いがあった。

ホテルのチェックインまで明日の下見。新幹線が通る台北駅。立派だ。これもニューヨークのグランドセントラル駅と似ている。

中山駅に向かう地下街にはQBハウスがある。料金も同じ1,300円くらい。言葉が話せたらカットしてもらうのだが。

地上に出ると公園を通り過ぎホテルへ。

とても綺麗なホテル。壁の装飾がオシャレ。

汗だくなのでシャワーを浴びる。使い方がわからず困惑する。何から何まで日本と違うところがいい。

台湾珈琲の専門店『森高砂咖啡館』へ向かう。

ホット珈琲の前に試験管に入った一口アイス珈琲を飲むシステム。珈琲の旨みはしっかりあるのに、めちゃくちゃ優しく感じる味わい。

単品でも美味しいけど、アップルパイのあとに飲むと口に豊かな風味が広がる。これで準備万端。野球場に向かおう。

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