山と仏@僧職系登山男子

長野県在住の真言宗僧侶で、「小雪童(しょうせつどう)」の号で活動しています。 アルプス…

山と仏@僧職系登山男子

長野県在住の真言宗僧侶で、「小雪童(しょうせつどう)」の号で活動しています。 アルプスや八ヶ岳など、長野県中心の山を登る中で出会う素敵な神さま・仏さまや、 山にまつわる信仰をゆるりと紹介していきます。

マガジン

  • ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」

    ULハイカーと登山男子・登山女子、そして全ての山好きの皆さんのための僧職系登山男子がわかりやすくお伝えする「お経の唱え方」です。 実際のお唱えの様子はYouTubeで配信します。 noteでは、お経も文言や解説、意味などを書いていきます。 【初級編】では、般若心経などの重要な部分。 【上級編】では、「仏前勤行次第」を最初から最後まで 山で神さまや仏さまに出会ったとき、 遍路などの巡礼やお寺巡りの旅に出たとき、 お仏壇のご先祖さまに、 お経をお唱えしてみませんか。 とても素晴らしい体験になると思います。 【使用する経本について】 下記のお経本を使ってお伝えしています。 https://www.kouya-inc.co.jp/shop/?94,%E4%BB%8F%E5%89%8D%E5%8B%A4%E8%A1%8C%E6%AC%A1%E7%AC%AC

  • 山で出会う神と仏と。

    山に登るお坊さん、僧職系登山男子が山で出会う素敵な神さま・仏さまを紹介していきます。山好きなお坊さんから見た神さま・仏さまが息づく山々の風景を皆さんと共有していきます。難しい用語や言葉を用いず、山好き目線で書いていきます。是非、ご一緒に神と仏と山とが一つに溶け合う世界を巡りましょう。

  • 山好きのための仏さまの話

    大「菩薩」嶺や「菩提」峠など、山ではたくさんの仏教にまつわる言葉が出てきます。 どこかで聞いたことがあるけれど、それってなんだろうって思ったことありませんか? そんな、山で出会う仏教の基礎知識を山好きのお坊さん、僧職系登山男子がやさしく語ります。名付けて山好きによる「山好きのための仏さまの話」。 山、登山やアウトドアお好きな皆さま、是非フォローよろしくお願いいたします。

最近の記事

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「山と仏」って、こんな活動です。あ、YouTubeも始めました。

登山をするお坊さん、僧職系登山男子が山で出会う神さま・仏さまを紹介するプロジェクト「山と仏」。 発信の準備が整ってきたので、 「山と仏」がどんな活動であるかと 今後の展望についてお話したいと思います。 なぜこの活動を始めたか私は、信州にある真言宗のお寺の副住職です。 つまりは、お坊さんです。 私は高野山での修行を終えて信州の自坊へ帰ってきてから、登山を再開しました。大学生のときに所属していた山岳部以来の登山です。 登山は全くの趣味です。 山岳修行だ、修験だ、山伏だとか、 全

    • 山と仏と御嶽山登拝 ~御嶽最後の強力(ごうりき)と若いYouTuberを繋ぐ物語~

      2022年7月、御嶽山に登拝してきました。 御嶽山とは 御嶽山とは、長野県(木曽町・王滝村)と岐阜県にまたがる標高3067mの山です。 信仰の山として、今でも多くの方が白装束を身にまとい「登拝」しています。 なかなか登れなかった「御嶽山」 長い間、御嶽山に登りたいと思っていましたが、 御嶽山は御嶽本教や御嶽教といった御嶽信仰の総本山。 なかなかヨソモノがおいそれとお参りできるところではないかな・・・という感じ。 そうかと言ってふらっと一般登山で、 私(僧職系登山男子

      • 元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #3「そもそも高野山ってどんなところ?」高野四郎・不動堂・大会堂など

        YouTubeに元・修行僧が案内する高野山第3回を公開しました。 やっと最終回まで公開することができました。 今回はこのnoteで、動画ではお話できなかったところをご紹介していきたいと思います。 そもそも、高野山ってどんなところ? 高野山は、いまからおよそ1200年前に、 弘法大師空海さまによって開かれた真言密教の聖地であります。 お大師さま(弘法大師さま)は、その目的を2つおっしゃっています。 一つが修行する場所、もう一つは祈りを捧げるための場所。 修行、といっても

        • 元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #2 最も大切なお堂「御影堂・根本大塔」

          YouTubeに「元・修行僧が案内する高野山 #2」を公開しました。 今回は前回の続き、大伽藍の中心部の御影堂・根本大塔などをご案内いたします。 西塔(さいとう) 御社と山王院を後にしますと、西塔が見えてきます。 大伽藍は中央の根本大塔をはさんで、西と東にそれぞれ塔がありますが、 この西塔は根本大塔と対になるものです。 (詳しくは根本大塔のところでお話しましょう) 1834年の再建。高野山の歴史の中では新しい建物ですが、雰囲気がありますよね。 修行時代、ある法会で初め

        • 固定された記事

        「山と仏」って、こんな活動です。あ、YouTubeも始めました。

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        • ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」
          3本
        • 山で出会う神と仏と。
          17本
        • 山好きのための仏さまの話
          4本
        • 僧職系登山男子による山道具紹介
          2本

        記事

          元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #1

          YouTubeに「元・修行僧が案内する高野山」の動画を公開しました。 先日、高野山が配信している「高野山の法話」というYouTubeに出演依頼をいただきまして、収録のために高野山に行ってきました。 いつもご覧いただいている皆さまに、 私が修行した場所である高野山をご紹介したいと思っておりましたので、 自分でも動画を撮影してきました。 現在では長野のお寺に戻ってきていますので「元」にはなりますが、 修行僧目線での高野山をご案内したいと思います。 ・・・とは言え「ホーム」で

          元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #1

          鉢伏山の素敵な仏さま 厳冬期登拝・鉢伏山(長野県松本市・岡谷市)

          【雪の鉢伏山・僧職系登山男子の厳冬期登拝】YouTube動画を公開しました。 鉢伏山は、北・中央・南全てのアルプスと八ヶ岳がキレイに見える絶好のロケーション・高ボッチの隣にある山です。 私のお寺からは鉢伏山がキレイに見えます。 名前の通り穏やかな山容で、この時期は麓からも雪が白く積もっているのがよくわかります。 その美しい姿を、ゆかりの歌人たちが短歌に詠んでいます。 動画の冒頭に紹介させていただいた短歌もそのひとつ。 鉢伏の 山のしら雪 きらきらと  輝きにつつ 日は空

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          「山岳物故者追悼法会」に寄せて 〜山で亡くなった方のために祈りませんか〜

          山岳事故で亡くなった方の供養をする法会を行いまして、Youtubeで配信しました。 今回、この法会を配信する思いを書きたいと思います。 山岳物故者追悼法会を行いたいと思ったきっかけ山岳事故が起こりますと、いろんな声が上がります。 それは時に批判であったり、非難であったりします。 事故の原因を考えると、装備不足での事故もあるでしょうし、 御嶽山噴火のような自然災害での山岳事故もあります。 その中で批判や議論は、山岳事故の原因を明らかにし、 対策を行い事故を少なくしていくとい

          「山岳物故者追悼法会」に寄せて 〜山で亡くなった方のために祈りませんか〜

          ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【上級編(後半)・お唱えの仕方】

          YouTubeに「読経入門 上級編(後半)」を公開しました。 実際のお唱えはこちらをご覧ください。 YouTubeではお唱えの実際を配信、 noteではお経の文言と意味など解説を配信します。 今回は仏前勤行次第後半の文言をお伝えします。 (読経入門上級編では、仏前勤行次第最初から最後までをお伝えしています。) 使用するお経本 高野山真言宗布教研究所発行の「仏前勤行次第」です。 お経本もさまざまな種類、次第があります。 しかし、般若心経やご真言など共通する部分も多いと思い

          ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【上級編(後半)・お唱えの仕方】

          ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【上級編(前半)・お唱えの仕方】

          YouTubeに「読経入門 上級編(前半)」を公開しました。 実際のお唱えはこちらをご覧ください。 YouTubeではお唱えの実際を配信し、 noteではお経の文言と意味を配信します。(今回は文言になります) 上級編では「仏前勤行次第」というお経本のお次第、 最初から最後までをお伝えします。 今回はその前半です。 今回使用する次第高野山真言宗布教研究所発行の「仏前勤行次第」を使います。 同じお次第でしたら、他のお経本でも大丈夫です。 それでは、仏前勤行次第のお次第を見

          ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【上級編(前半)・お唱えの仕方】

          ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【初級編・お唱えの仕方】

          YouTubeに「読経入門 初級編」を公開しました。 実際のお唱えの仕方はこちらをご覧ください。 今回の内容は「お経のお唱えの仕方」になります。 (YouTubeで実際のお唱えを配信し、このnoteではお経の文言や解説などを書いています。両方合わせてご覧ください。) お経の意味については次回書きたいと思います。 なお、お経の唱え方や次第については、私が所属している宗派の「高野山真言宗」の習いでお伝えいたします。 初級編のお次第どんなお経をお唱えするか、その順番を「次第(し

          ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【初級編・お唱えの仕方】

          松本平の心の山「常念岳(長野県松本市・安曇野市 百名山)山頂の大山祇神・諏訪大明神」【#UL登拝 山行記録】

          YouTube「常念岳」を公開しました。 僧職系男子的には、お盆で忙しくしておりまして、 noteに山行記を書こうと思っていましたが、遅くなってしまいました。 常念岳山頂のお社へお参りしましたので、その記録です。 今回のルート 常念岳には主に2つの登山口があります。 一つは「一ノ沢ルート」 沢沿いの比較的難易度の低いルート。 もう一つは「三股ルート」 三股登山口からは蝶ヶ岳に登るルートが一般的でしょうか。 こちらからは常念岳~蝶ヶ岳の周回ルートを取ることもできます。

          松本平の心の山「常念岳(長野県松本市・安曇野市 百名山)山頂の大山祇神・諏訪大明神」【#UL登拝 山行記録】

          弘法大師の伝説が残る山・独鈷山(長野県上田市)へ  【#UL登拝 山行記録】

          YouTube動画「独鈷山」を公開しました。 解説と山行記をnoteに書きたいと思っていましたが、僧職系男子にとって最も忙しい時期の一つ「お盆」でありまして、遅くなってしまいました。 登山ルート いくつかルートはあるのですが、南側の「宮沢登山口」から登りました。 長野県松本市と上田市をつなぐ国道254号線から少し入ったところに登山口があります。 松本市と上田市の間にある三才山トンネルを超えたところです。(三才山トンネルは有料道路でしたが、最近無料化されました) 他にも

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          「#UL登拝」スタイルでの登山ウェアについて考えてみました【作務衣登山をやってみて 守屋山 長野県諏訪市/伊那市】

          Youtube動画【初夏の守屋山 僧職系登山男子が作務衣で山を登ってみた】を公開しました。 「#UL登拝」スタイルで山に登ってみようと思いまして、 近くの守屋山に登ってみました。 長野県諏訪市と伊那市にある山で、近年とても人気のある里山です。 #UL登拝 に必要なものは「袈裟と数珠」。 したがって、普通の登山ウェアで大丈夫なのですが、僧職系登山男子としてはやはり僧服での登山をしたいところ。 そこで、「作務衣(さむえ)」での登山をしてみました。 作務衣とは作務衣とは、僧侶

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          UL(ウルトラライト)と登拝の交差点  ーULハイカーとのコラボからー

          ユーチューバーでULハイカーのけいしさんとのコラボ動画を配信しました。 ULハイカーとの接点「熊野古道」今回のnoteでは、けいしさんとのコラボで印象的だったことと、ULと登拝の素敵な接点についてお話したいと思います。 「山と仏」の活動を始めたとき、いち早く反応してくださったのがけいしさんを始めとするULハイカーの皆さまでした。 その接点は「熊野古道」にありました。 ULハイカーに人気のロングトレイルの一つが熊野古道。 熊野古道は山岳信仰の中で歩かれてきた道です。 熊

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          UL登山的文脈で「新しい登拝」スタイルを考えてみた。ーUL登拝(仮)のススメー

          「登拝(とはい)」とは「山と仏」では、新しい「登拝」のスタイルを提案したいと考えています。 登拝とは、神さま・仏さまを拝むために山に登ること。 近代アルピニズムが幕を開けるまでは、古くから日本で大切にされてきた登山のスタイルです。 したがってそこには、長い伝統と厳格な作法や服装が存在しています。 しかし現在、一般に登山を楽しんでいる方がそこに触れることってほとんどないですよね。 しかし今の登山の形を考えると、一般登山者の方と伝統的な登拝スタイル、山岳信仰とに大きな距離が開

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          山好きのための仏さまの話#4 山でお見かけする「権現」ってなに?

          山好きのための仏さまの話 第4回。 今回のテーマは「権現(ごんげん)」です。 八ヶ岳には「権現岳」という山がありますし、 「蔵王権現」や「立山権現」といった石碑をご覧になることがあると思います。 「権現」って何だろうと思ったことはありませんか? 今回はその権現についてお話したいと思います。 権現(ごんげん)とは権現とは、「権(か)りに現れる」という意味で、もともと仏さまである存在が神さま(仏さま)として現れたもの、です。 根底にある考え方は「神さまと仏さまは一つのもの」

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