見出し画像

【文化】韓国式お辞儀?

一部でコンスと呼ばれる腹部に手を当てながら行うお辞儀、韓国式と言われているが実は起源が不明である。

元は日本のエレベーターガールがやっていたお辞儀だともいわれるが、70年代以前を知る人の言葉では、腕の角度が明らかに異なるという。

腕の角度の違いはつまり、手の位置の違いである。

そもそもエレベーターガールのお辞儀は、狭いエレベーター内でお辞儀の角度を大きくせずに美しい礼をしようとした結果開発されたものらしい。

日本のお辞儀には4段階あり、会釈15度、敬礼30度、最敬礼60度、拝礼90度の順で大きく頭を下げるが、目上の人・お客に対しては通常最敬礼を用いる。

この場合、手の位置は体の横から膝の上に滑らせるか体の横のままである。ちなみに後者は帯刀時の作法だが近代以降はこちらの方が標準になったように思える。

エレベーターガールは本来、最敬礼を用いる立場ではあるが、狭いエレベーター内では最敬礼で下げた頭が邪魔になったり、込み合って会釈しかできないという場合も考えられるため、頭をあまり下げない会釈を行う事が望ましいが、通常の会釈ではお客を軽んじているようにも見えてしまう。

そこで考えられたのが、腹部で手を重ねる休めの姿勢から会釈と共に下腹部に手を下ろすという特別な動作なのだろう。

ちなみに西洋式のお辞儀、カーテシーでは両手の位置が腹部にくる事は無い。

コンスと呼ばれるものは、このエレベーターガールのお辞儀が韓国に伝わったものだといわれるが、こちらは”両手を腹部に置いたままのお辞儀”であり、お辞儀の角度も会釈に限らない。

今わかっている事をまとめると
=============================
(1)日本のデパートでエレベーターガール用の肘を曲げ浅く頭を下げる礼(以下エレガ礼)が開発される
  ↓
 韓国に伝承されコンス(コンスの一種)と呼ばれる。

(2)エレガ礼(コンス)の手の位置が腹部のまま変わらないようになる。エレガ礼(コンス)改。

(3)エレガ礼(コンス)改が一般に普及
  ↓
 起源不明の礼法が韓国式のお辞儀として注目を集める。
=============================

となる。

(2)がいつどこで起きたかが分からないので韓国式お辞儀ではない可能性もある。

とはいえ、起源不明の「腹部に手を置いたままのお辞儀」がいわゆる謎マナーの一種である事は間違いないだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?