コンプレックス

 とある人とのやり取りで、自分の根底に流れるものが見つかった気がした。それは、「自分が育った家庭環境に対するコンプレックス」である。おそらく、昔から勉強が好きだった訳ではなく、何かを成し遂げたいという思いがあったわけではない。ただ、「この環境を変えたかった」、それだけなんだと思う。

 「頑張る人を助けたい!」というのは幼い頃から見てきた母の姿によるもの。「ただ周りのせいにして努力しない人は嫌だ!」というのは父の姿によるもの。そこから形成された人格は、「己の力で運命を変えていきたい」という強い信念、正義感か。

 そう考えると、まだ自分のリミッターは外せていない気がする。心のどこかで、「これは俺はできないんだ、やってはいけないんだ」みたいな子供の頃に考えていた心の壁が深く残っていると思う。でもそれは「本気で努力してないのでは?」という、自己矛盾を起こしている。

 どでかいもの、完成したものよりも、小さくて、儚くて、今にも壊れてしまいそうだが頑張っているものに魅力を感じるし、そういったものをサポートしたいと思う気持ちが強い。長男で、色々我慢もしてきたが、頼られることによって自己の存在意義を見出すというものは、どこか自分が認められたような気がして嬉しいからなんだと思う。これは幼少期には体験できなかった事だ。

 今は会社員人生の分岐点に立っている。仕事も、プライベートも。このモヤモヤをどのように乗り越えるかで今後の人生の彩りが大きく変わってくると感じている。まだまだ自分の考えはまとまらないし、植え付けられたリミッターを外すのは簡単ではないことも理解している。時間はかかるかもしれないが、少しずつ自分自身を整理し、消化していきたい。

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