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[実話怪談]走り屋

Hさんは20代のころ走り屋だった。
走り屋とは高速道路や山岳道などの公道を、違法な速度で競争をする人たちのことで、特に90年代後半には走り屋漫画の流行と合わせて、峠で違法なレースなどが行われていた。

ある日、Hさんは走り屋仲間7人と青梅にある有名な幽霊トンネルに向かった。
それぞれの車を近くのコンビニに止め、山道を分け入り、深夜の肝試しを楽しんだ。
不気味な場所ではあったものの、幽霊が出るようなことはなく、不思議な現象なども起こらなかったそうだ。

拍子抜けしたHさんたちは「コンビニで酒でも買った帰ろうぜ」と山道を下り、買い物をして各々が車に乗りこんだ。

するとドアのロックがかかり、中から出られなくなってしまった。
手動でロック解除をしようといてもビクともしない。
その直後、今度はクラクションが大音量で鳴り出した。

7台の車に偶然、一斉にアクシデントが起きた事になる。

メールで連絡を取り合い、その日は解散した。
後日、再び集まってお祓いを受けたそうだ。
その一件以来、なんだか車が不気味なものに思えてしまい走り屋も引退したそうだ。
7人が一斉に。