[実話怪談]夢

Hさんは、親戚に不幸があり、5歳の娘を連れて帰省していた。
その時に、娘が不思議なことを言い出した。

「Mちゃんって人が夢に出てきてね、一緒に遊んだり、ダンスしたりしてくれるの。」
「Mちゃんは、いつもニコニコしててね、優しいの、わたしのこと守ってくれてるんだって」

Mちゃんというのが誰なのか分からなかったHさんは「子供のいうことだから」とあまり気に留めていなかった。

夕食の片付けの時に、世間話として母にMちゃんの話をした。
すると、Hさんの母はとても驚いていた。

Mとは曽祖母の名前だったのだ。

「気難しい人だったからダンスをしていたなんて想像もつかない」
「私が知らなかっただけで、本当は可愛い人だったのかもね」と母は懐かしんでいた。