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「買いのタイミング」 ③ Volatility Contraction Pattern (VCP)

Volatility Contraction Pattern (VCP)

株価変動(Volatility)が32%→16%→8%と徐々に収縮(Contraction)している。これがVCPであり、Minervini流において理想的なentry patternである。

上図のような株価の値動きだった場合、もしその株が機関投資家にどんどん買い集めているのであれば、強い保有者が増えていくわけですから、次の動きとして、8%より低く株価は下がって欲しくないですよね。というわけで、このような値動きの場合、抵抗線 (pivot point)を超えて株式を購入したあとの損切りは、最大8%に設定します。逆に考えると、最終防衛損切りラインを8%に設定しているのであれば、最後の下落や押しが8%未満の場合に、pivot pointでの購入を検討するべきなのです。Cup-with-handleであれば、handle部分が8%未満です。この変動(Volatility)がどんどん収縮していく(Contraction)パターンはVCPパターンといわれ、Mark Minervini先生が好むentryパターンです。ここでも、やはり弱い株価保有者の個人投資家がふるい落とされる必要があり、「最後のvolatility(handle)の出来高が軽く、個人投資家の取引を思わせるようなsignがある」ことが大切です。

株式購入の最大のチャンスとは

私は「皆の興味がなくなっている時が最大の買い時、皆が加熱している時が最大の売り時」という言葉を、株式トレードの極意として、大切にしています。つまり、値動きが穏やかで、出来高も軽く、興味がなくなっている時こそが、最大の投資チャンス = entry pointだ、と考えています。そしてこの考え方が株価の値動きとして体現したチャートの形こそ、Cup-With-HandleやVCP patternであると思っています。そのため、私はさまざまなテクニカルインジケーターよりもはるかに、「出来高」と「値動き」に最も注意を払い、株価を注意深く観察しているのです。また、この概念は恐怖指数VIX (MarketSmith “0VIX”)や、Put-Call Volume Ratio (MarketSmith “0PCVR”) といった逆張りの指標とも似ていると思います。順張りグロース投資とはいえ、時に逆張りのような考え方で、損するリスクの低いentry pointを常に探っています。

最後のvolatilityなのか、ふる落としを待つのか

最後のvolatilityなのか、ふるい落としなのか、これはMark Minervini先生のようなUS Investing championも間違えるほど、判断が非常に難しいです。ふるい落としがあと1回あるかもしれないと構えていたら、一気にbreakoutすることもあるでしょう。Breakoutだと思ったら、もう1回ふるい落とされることもあるでしょう。1つ鑑別のポイントがあるとしたら、それはbreakoutの日の出来高だと思います。MarketSmithの紹介 で記載していますが、MarketSmithではその日の予測出来高をみることができるので、予測出来高が50日平均よりも1.5倍程度で高ければentryするという方法があります。またDavid Ryan先生は、寄りの1時間はvolatilityが高いから、1時間経過して落ち着いてからトレードをするとおっしゃっています。パソコンに張り付いていられない場合は、とりあえず逆指値(指値)で注文し、違ったら即売却するという手もあります。自分のライフスタイルと相談して、継続できる範囲で、breakoutを見極めてみてください。

参考: Mark Minervini 「株式トレード 基本と原則」「ミネルヴィニの成長株投資法」「成長株投資の神」

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