子守話は、芥川龍之介「鼻」だった。
幼い頃、子守唄ならぬ子守話としてお気に入りだったのが、芥川龍之介の「鼻」だった。
父に「鼻やって、鼻やって」と頼み、「鼻」を聞かせてもらっていた。
読み聞かせのように本を読むのではなく、昔話みたいにストーリーを語ってもらうのだ。
大人になってからきちんと作品を読んでみたら、幼い頃に聞いていた話とは意味合いが違っていることに気づいた。物語のすじは間違っていないのだけれど。
幼い頃に聞いていた話は、和尚の鼻がもとに戻って、和尚は「ああよかった」と思った。みたいなオチだったと記