マガジンのカバー画像

遠出ミュージアムまとめ

17
東京都以外の美・博術館を多く訪ねた、そのまとめ。
運営しているクリエイター

記事一覧

【遠出ミュージアム1】 Hara Museum ARC (群馬)

せっかくnoteをつけはじめたので、遠出を兼ねて訪れたミュージアムを記録しておこうと思います。では早速。 品川にある原美術館の分館で群馬県にある Hara Museum ARC。 都内からだと車で2hのところにあります。 なかなか行く機会がなくようやく昨年行けましたが、2020年には品川がなくなり結局ここだけになってしまうことに。 あの空間がなくなるのかと思うと残念ですが、こちらは近くに伊香保温泉があり小旅行を兼ねて行くのも楽しいです。みどころはなんといっても自然に囲

【遠出ミュージアム2】 museum as it is(千葉)

千葉県の長生郡長南町にあるmuseum as it isという美術館をご存知でしょうか? お隣の県とはいえ、都内から車で2h〜3hの距離のところ。最寄りの駅からはタクシーで30分くらいだそう。 こちらは目白の小道具坂田のオーナー坂田和實さんの美術館/ギャラリーで、中村好文さんが建築を担当され1990年代にオープン。小さな空間ですが、そこまで行く道のりを含めてセンスを感じる美術館です。一種の庵といえるとおもいます。 個人的な辿りつき方としては、ずっと昔に雑誌で見かけて、m

【遠出ミュージアム3】 市原湖畔美術館(千葉)

市原湖畔美術館を訪れたのは突然だった。 朝の9時に予定が終わって新宿にいる。その後、別段急ぎの用事がなく、えらく天気がいい。鎌倉にでも行こうかとも思ったが、自分にとって珍しくない場所なので思い切り違うところに行くのもいいと、興味ある展示をやっている場所のリストからここが浮上したのだ。 行き方をしらべると、なんとか行けそうだ。でも帰りが不安なくらい早い。だがこのタイミングを逃したら次行けるのは相当先かも。思い切って電車に飛び乗り新宿から3時間近くかかって高滝という駅に着く。

【遠出ミュージアム4】 ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)

絵を習いに行っていたころ、彫刻が好きだという話になった時に、ヴァンジ彫刻庭園美術館は彫刻が素敵だよと教えてもらった。 静岡にあるという。 「いつか行ってみたい」は、行こうと思えば行けるはずなのに、なかなか実現しないことが多い。とても遠い方が思い切って行けたりするのが不思議だ。でも頭の片隅にその時の情景とともにキーワードが保存されていることが結構な頻度である。 ようやく行けたのは昨年。クレマチスの丘と称される一帯の中にヴァンジ彫刻庭園美術館、ベルナールビュッフェ美術館、I

【遠出ミュージアム5】 江之浦測候所(神奈川)

2017年に一般公開がスタートした江之浦測候所。コンセプトなどが面白くてオープンから半年以内くらいにサクッと見学に行った。 この辺りは、正直きた事がなかった。小田原まではある。でもその先は新幹線で、たいてい熱海や三島まで跳ぶように進んでしまう。初めてのところはワクワクするけど、まあお隣神奈川県で小田原のそばだし、普通だろうと考えていた。 行った時には、根府川の駅の隣にある早川にある漁港に寄った。そこには食堂がある、と教えてもらっていたからだ。海は好きだけど、こういう漁港そ

【遠出ミュージアム6】 明治村 (愛知)

西洋文化に傾いた時代の日本の建築物を集める明治村。フランク ロイド ライトが建てた帝国ホテルの一部があると聞いてから行きたかった場所の一つだった。 2回目に名古屋に行くことが決まった時、市内の観光は一通り見ていたので次は少し遠出でもいいかもと思っていた。犬山城がいいと地元の人が言っていたのを思い出しそちらにいくことに決めた。そして周辺を調べていたら明治村が近くだとわかり、予定をぎゅっと詰め込んで向かう。 とにかく広い。そしてたくさんの建造物がある野外博物館だ。全部をじっく

【遠出ミュージアム7】 竹中大工道具館(兵庫)

大阪からの遠出で、神戸を訪れた。港や船が好きなので嫌いなわけがない街だけど、自分にとってなかなか縁がない。 その中でも竹中大工道具館は、コンセプトもすばらしく、そしてグッズがワイズベッカーと、伝統と現代のよいところの融合がひしひしと伝わり、とても行きたい場所の一つであった。 限られた時間の中でしか見れなかったけど、日本の宮大工をはじめとする木を扱う職人さんたちの色々な技術が、どういう道具に支えられて作られ守られてきたのかを垣間見れる興味深い展示でした。あまりに多い種類の道

【遠出ミュージアム8】川崎市岡本太郎美術館(神奈川)

日本人で一番有名な芸術家だと思われる岡本太郎氏の美術館がお隣の県、神奈川にある。川崎市岡本太郎美術館だ。 最初に訪れたのはどのくらい前だったか。あまりよく覚えていない。岡本太郎氏の作品がジャコメッティのように好きか、と言われたらちょっと違う気がする。でも両方とも第一印象は「なんだ、これ?」という衝撃。ジャコメッティの場合は繊細さが、太郎さんの場合は色や画面構成の強さがそうさせている。 わたしの場合は、彼の強い信念に惹かれます。具体的にいうと、伝統とは創造であると言い切りや

【遠出ミュージアム9】太宰府天満宮(福岡)

太宰府って、島流しのところでしょ。 九州に全くの縁がない自分にとって、これが最初に入ってきた太宰府のインフォメーションだったと思う。DA ZA I FUという濁音多めで強い聞きなれない音や形の文字と流刑地という言葉がセットで脳内保存されて、それ怖いの?という印象しかなかった。 数年前に福岡に行った際、糸島は九州にいる友達に運良く案内してもらったけど、まだ少し時間がある。少し遠くに行ってもいいなと、名前だけで何も知らない太宰府天満宮を訪れた。 降り立った太宰府は、人が多い

【遠出ミュージアム10】神長官守矢史料館と藤森照信氏の建築群(長野)

諏訪湖の周りに4つの神社が集り、7年に一度の御柱祭があったりと独自の特徴のある諏訪大社。以前から何度か神社の方には行っていて、大きいしすごいなあと思っていましたが、それ以上にこのあたりについて学習したと感じたのは神長官守矢史料館に伺ってからでした。 こちらは諏訪神社で代々神長官をされていた守矢氏について、また同地方で行われている神事についての史料館です。初めてこちらを見て少し怖いと思う人がいるというのも頷けます。ただ、確かに少々こわい部分もありますが、それ以上に貴重な史料だ

【遠出ミュージアム11】中之島周辺(大阪)

数年前、行ってみたいお店(作業場)があったことがきっかけで大阪を訪れた。その前に行った時は忙しくて街は散策できず、この時がほぼ初めてだった。 大阪の、特に地下鉄の駅での第一印象は「日本」でした。大阪のサインには、東京に比べて圧倒的に日本語が多いと感じました。さらに大阪弁もある。これは結構なカルチャーショックでした。なんだか日本に来たみたい!と国内移動のくせにわけのわからないことを発していました。わたしは普段東京に日本を感じていないのかもしれないです。 さて、その地下鉄がが

【遠出ミュージアム12】金沢21世紀美術館と鈴木大拙館(石川)

3、4年前の夏に、北陸新幹線の開通とともにかなり交通の便が良くなった金沢に行った。規模が大きくない割に色々な見所がギュッと詰まっていたり、見てみたいお店があったりと興味深い動きをしている地域だなと。そしてやっぱり、なんといっても海産物の宝庫....!という引力は大きい。 そしてこの都市の魅力は古都というだけでなく、特にコンテンポラリーアートに興味がある人にとって21世紀美術館の存在が大きい。パリのルーブルのと同じくらい金沢の21世紀美術館は土地名とともにインプットされている

【遠出ミュージアム13】川崎市立日本民家園(神奈川)

Q:ここはどこでしょうか? A:生田緑地の川崎市立日本民家園です。 どこの村にやってきたのか、と思わせるような原風景が魅力的な民家園。岡本太郎美術館と同じ生田緑地の敷地内に位置し、20以上の古民家が集まっています。多摩川近郊地区だけではなく、白川郷や五箇山など、全国各地から民家をが移築され、それぞれをエリアごとにまとめた感じで配置されています。民家園というとイメージしづらい(自分だけかな)ですが、要は公立の野外ミュージアムなのです。 何百年か前の日本の家、社寺仏閣がアー

【遠出ミュージアム14】MOA美術館(静岡)

岡本太郎氏の本で、尾形光琳の国宝「紅白梅図屏風」のことが丸々1章書かれていて興味が湧き、本物が見たくて調べると熱海のMOA美術館所蔵とのこと。通常は梅の時期に飾ることが多いが、今年は企画展のため夏にも公開されるという。もうこれはタイミング的に行くしかない。 最近また盛り上がりを見せている熱海は、都内からは近いような遠いような不思議な存在。自然を求めて一泊の旅となると、どうしても同じ半島の伊豆に行きがちで熱海ストップはなかなかない。でも逆に考えれば、交通の便が良いので日帰り旅