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初めてナショナル・シアター・ライブに行く前に見ると少し安心する情報まとめ

 2023/10/20から、デイヴィッド・テナント主演ナショナル・シアター・ライブ『善き人』が上映されます。『ドクター・フー』や『グッド・オーメンズ』などで知られる人気の俳優さんなので、「彼が主演だから初めてナショナル・シアター・ライブを見に行く!」という方も多いでしょう。

 でも、ナショナル・シアター・ライブって普通の映画と違うところが色々あるちょっと変わった形式の作品です。何が違うんだろう? 逆に、普通の映画と何が同じなんだろう? というところを、ざっと書き出しました。初めてのナショナル・シアター・ライブで少し不安だという方の参考になれば嬉しいです。

(ナショナル・シアター・ライブってそもそも何? という場合は、こちらの記事も少しだけお役に立てると思います。)

なお、本記事はナショナル・シアター・ライブのただのファンである私が、(そんなに多くはないですが)20作近く鑑賞した個人的な経験をもとに書いたものです。公式とは全く関係がない・本記事公開時点(2023/10/14)での内容であることをご認識の上、最新情報は公式ホームページSNSでご確認をお願いします。


● 普通の映画と同じところ

  • 上映スケジュールの公開日やチケット販売開始日
    →通常の映画と同じタイミングでスケジュールが公開され、同じタイミングで買えるようになります。いつスケジュールが決まるのか、チケットが買えるのかは映画館ごとに違うと思うので、鑑賞予定の映画館のホームページでご確認ください。

  • 上映中の雰囲気
    →ナショナル・シアター・ライブはカーテンコールまで見られることが多く、スクリーンの中の観客たちは大盛り上がりで拍手したりスタンディングオベーションをしていますが、映画館で観ている私たちはじっと座っています。(もしかしたら、場所によっては拍手が起きることはあるかもしれませんが、私は遭遇したことがないです。)

  • 字幕
    →普通にあります。(ただし誤字もある。)以下、公式からこんな情報が出ておりましたが、鑑賞に支障はありませんでした。


●普通の映画と違うところ

1)諸々のお値段

  • チケットは一般3,000円
    →ロンドンへ行くよりは安い……。確か学割は2,500円、該当する方は情報が公開されたらご確認を。

  • パンフレットは1,000円前後
    →薄めのもので、作品解説が主な内容。作品への理解を深めたい人、気になった俳優さんの名前や活躍実績を日本語表記で確認したい人、鑑賞の思い出を何か手にしたい人にはおすすめ。上映期間外には販売していないことがほとんどなので、欲しいなと思ったらその時に購入した方がいいです。(演目によっては元々作られていないこともあります。)

見た目はこんな感じです。
ボリュームはこんな感じ。劇中の写真がいっぱい。

2)鑑賞チャンスは一期一会(に近い)

  • 上映期間は1~2週間
    →だいたい1週間だという腹づもりで予定を立てるのが吉。

  • 映画館ごとに差はあるが、1日の上映回数は1~2回
    →なにせ上映時間が長い(後述)ので……。

  • 円盤(Blu-rayやDVD)の販売は無し
    →ブロードウェイ作品もそうですよね……切ない。

  • 権利が切れると日本での上映は終了
    →再上映できるかは本国(イギリス)のナショナル・シアター次第で、日本のナショナル・シアター・ライブに決定権はない。作品によっては、本国の許可が下りて再上映できるものもあるけれど、全て本国次第。
    (以下、上映権が切れてしまう旨を日本のナショナル・シアター・ライブ公式が嘆いている投稿。無念さが伝わってきます。)

3)上映形式(演目による)

  • 上映時間が長い
    →私が鑑賞した中で一番短かったのは『フリーバッグ』の88分。私は鑑賞していませんが、長い作品だと『ハムレット』の240分!

  • 途中で休憩が入る
    →演劇鑑賞をされる方にはお馴染みの幕間みたいなもの。いつ・どれくらいの時間休憩が入るのかは、劇場に行けば案内が書かれているのでご安心を(だいたい20分前後、上映開始1.5時間くらいで休憩に入る印象)。スクリーン上では、同じく休憩中の舞台の様子が流れていることが多いです。
    📝追記:『善き人』の場合は開始から55分後に約12分間の休憩でした。少し短めなのでご注意を。

  • 本編以外の映像が流れる
    →ナショナル・シアター・ライブ情報(イギリス国内)のコーナーや、作品によっては上映直前の劇場の様子レポート、キャスト・製作陣へのインタビュー映像が流れることがあります。流れるタイミングは、冒頭または第2幕の最初(休憩時間の終わり頃)のことが多いです。
    📝追記:『善き人』の場合は、第二幕の冒頭(休憩明けの時間)に、作者C・P・テイラーの功績を振り返る動画が流れました。役者の出演は無かったです。

  • エンドロールが無音
    →メイクアップ協力がM・A・Cなんだなあと思いながら文字を見送るあの静寂の時間……。

4)その他

  • 原作の独自解釈が多い
    →原作がある作品の場合、キャラクターの人種や性別が変わっていたり、そもそも時代が変わっている、舞台演出が奇抜なことがよくあります。この大胆さがナショナル・シアター・ライブの醍醐味の一つ。こうした内容をパンフレットで解説してくれていることがあるので、気になる人はパンフレットを要チェック。

  • 日本語字幕はないけれど有料配信はしている(National Theatre at Home)
    →ただしこちらもずっと見られるものではなく、演目ごとに1年くらいで配信が終わるようです。

 National Theatre at Homeについては、個人の方のブログで情報を詳しく書いていらしたのでご紹介します。(2021年時点での情報ですが、プラットフォームについての基礎的な部分は変わっていないはず。)


番外編:私が好きな演目

 以前こちらの記事に、私が好きな演目の感想文をしたためました。今後の鑑賞予定を決める際のご参考に……とは思いますが、再上映してくれるかなあ……。見たい演目の再上映を祈りましょう……。

 それではみなさん、よいナショナル・シアター・ライブ鑑賞体験を!


※お芝居が見られるものではありませんが、ナショナル・シアターの歴史を振り返るドキュメンタリー作品は販売されているようです。(出演:アンドリュー・スコット、マギー・スミス、レイフ・ファインズ、ジュディ・デンチ、ベネディクト・カンバーバッチ等)



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デイヴィッド・テナント出演作『グッド・オーメンズS2』の感想文はこちら。(注意事項をご確認の上閲覧ください。)

矢向の映画感想文はこちら。

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© 2023 Aki Yamukai

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