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2022年7月に聴いた新曲5つ

 どうもヤンです。7月分も書いていきますよ〜!

佐々木恵梨「ミモザ」

 映画『ゆるキャン△』エンディングテーマ。シリーズ恒例の佐々木恵梨さんが歌う、三拍子ののどかでゆるやかな曲。

 この曲に関しては、映画『ゆるキャン△』を視聴してから聴く・MVを見ることをお勧めいたします。映画のエンドロールにて初見でこの曲を聴くときが、「この映画を見れてよかったな」と思ったので。佐々木恵梨さん本人も映画視聴後に聞くことを推奨しています。ぜひ、劇場でお聴きください。


Ado「逆光(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」

 「新時代」「私は最強」に次ぐ、Adoさん扮するシャンクスの娘・ウタが歌う映画『ONE PIECE FILM RED』劇中歌第3弾。楽曲提供はVaundyさん。

 この曲は、とにかくロックシンガーとしてのAdoさんの強みが前面に出ています。がなりや巻き舌、さらにはシャウトボイスなども使用してどこまでも荒々しく歌っているのですが、ここまで荒削りに歌っても曲が破綻しないのがAdoさんの強みだと思うんですよね。ウタの怒りの感情をここまで克明に歌い上げるというのは本当に強い。早く映画館で聴きたい…あとライブでも聴きたい…

 これは僕の妄想なんですけれども、Adoさんはもう映画の脚本などからインスピレーションを受けて「ウタ」という人物になりきっていると思うんですよね。「役になりきる」という作業は声優にとって最も重要な能力の一つだと思うんですが、Adoさんは「歌」という媒体を通してなりきっているのです。その時々の感情を歌で示す必要があるわけですから、その歌声には声優と同じくらい、いや、時には声優以上に「説得力」が必要なのかもしれません。しかし、Adoさんは歌による「説得力」が段違いなので、この度ウタの歌役を任されたのでしょうね。


SLAVE.V-V-R「心中なら倉敷で」

 よく引退するボカロP、SLAVE.V-V-Rさんがボーカルに音楽的同位体裏命を迎えて作成されたジャズチックな新曲。

 この曲は倉敷の美観地区という、実際の倉敷のレトロな街並みをイメージして作られた楽曲だそうです。オシャレなスウィングの雰囲気に乗せて、岡山弁で歌っていく裏命。どことなくかっこいいですよね。あとバス停を振り回す裏命がかわいい(?)

 この曲を聴いたときに思い出されたのが、藤井風さんの存在。彼もまた岡山にゆかりのあるシンガーであり、デビュー曲「何なんw」では岡山弁を交えて歌詞が作り上げています。

 方便って基本的に訛っているものだと思うのですが(筆者は埼玉出身で本当に標準語で育った人間なので間違っていたらごめん)、それで「なんで訛るのか」を考えたときに、その理由の一つとして「リズム」があると思うんですよね(僕は言語学者でもないので間違ってたらごめん)。藤井風は岡山弁にリズム感の良さを見出して、サビで訛り全開の歌詞を用意したといいます。

 日本において一般的に広まっている歌のうち、標準語を用いて東京という街の活気や儚さを描く歌は数多くありますが、一方で地方方言を用いて地方の情景を描く歌は少ないと思います。あるとしたら「涙そうそう」や「海の声」などの沖縄ルーツの音楽だけですかね。現実世界において人口が首都圏などの大都市に集中するのと同じく、歌詞の世界においても大都市集中の情勢が強まっているかと思われます。そのような情勢下において、「倉敷」という地方都市を描いた歌は貴重であり、また地方文化興隆のきっかけにもなりうるのではないか、と思います。


TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA「Free Free Free feat.幾田りら」

 9人組のスカバンド、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRAが、YOASOBIのikuraとしても活躍するシンガーソングライター、幾田りらとコラボして制作された、"希求"をテーマにしたナンバー。

 まず驚かされるのが、幾田りらさんのパワフルな歌声。YOASOBIで見せるボカロ曲のような打ち込みメインの曲に対しては正確無比なコントロールを、個人名義のアコギメインナンバーでは感傷的な一面を魅せる彼女の歌声ですが、「Free Free Free」では曲と一体になりノリノリになって歌い上げているのが非常に印象的です。その上でDメロの語句が詰まるパートや、ラスサビの転調などについても当たり前のように対応しており、その才能をフル活用しているように思われます。YOASOBIのikuraとしての活動が、彼女の才能を開花させたように思いますね。

 また、今回の曲ではなんと幾田りらもトランペットとしてバンドに参加。ラスサビのソロパートを担当するなど、楽曲に花を添えています。インタビューによれば、彼女はなんと高校時代に部活でトランペットをしていたとのこと。歌が超絶上手くて、ギターが弾けて、トランペットも吹けるとは、本当に彼女はなんでもできますね…!

 歌詞においても、自由の偉大さ、大切な何かを希求することの素晴らしさ、そういった壮大だけれども普遍的な課題について書かれているように思います。コロナ禍で大切なものを見失いかけている昨今に、強いメッセージを届けてくれる一曲です。


V.W.P「共鳴」

 KAMITSUBAKI STUDIOが誇る5人の魔女、花譜理芽春猿火ヰ世界情緒幸祜の5人からなるユニット、V.W.Pの新曲。プロデュースはKAMITSUBAKI STUDIOお馴染みのカンザキイオリさん。

 この曲は…とにかく楽しい!最高に盛り上がれるダンスロックです!
 初めは5人の自己紹介から始まり(かわいい)、その後のイントロのフレーズからもう踊り出したくなります。Aメロ・Bメロではそれぞれがソロパートを担当していて個性があふれておりますし、サビは掛け声と覚えやすいメロディで中毒性があります。個人的には2番Bメロで挟まれるラッパー春猿火によるラップが最高。そのラップに他のメンバーも合いの手を入れてくれるのが最高にかわいい。

 しかし、Dメロになると、少しだけシリアスな感じになるのが、V.W.Pらしくていいですよね。それでもラスサビでははっちゃけて「せーのっ」って言っちゃうあたりがもう最高。魔法だとか電脳だとか、小難しい彼女たちの楽曲のイメージとは正反対の曲であり、それらから逸脱して楽しくやっちゃおうってのがコンセプトなのかな、と思います。普段の彼女たちのキャラからは見えてこない、明るくハッピーな曲ですね。


 今月は以上です!また次の記事でお会いしましょう〜!

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