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祇園祭 前祭 山鉾巡行2022

 京都で7月17日に行われた祇園祭の前祭に行ってきました。コロナの影響もあり、開催されるのは3年振り!!その為、たくさんの人がいました。

祇園祭(祇園御霊会)とは

 祇園祭はかつては祇園御霊会と呼ばれ、貞観十一年(869)に京の都に疫病が流行したとき、勅を奉じて神泉苑に六十六本の鉾を立て、祇園社の神輿を送り厄災の除去を祈ったことに由来します。
 平安時代の中頃からは次第に規模も大きくなり、空車、田楽、猿楽なども加わって賑わいを見せてきました。
 京の都に千百余年の伝統を有する祇園祭は、7月1日の吉符入りに始まり31日の疫神社夏超祭まで、1ヶ月に及ぶ壮大な祭礼です。山鉾巡行と神輿の渡御を中心に、各種神事・行事が繰り広げられます。

巡行の様子

前祭

 祇園祭には前祭と後祭があり、今回参加したのは前祭です。前祭では、23基の山と鉾が都大路を突き進みます。煌びやかな懸装品、そして見どころは豪快な“辻廻し”です!
 くじ取らずの山鉾以外の巡行の順番は「くじ改め」によって決めまれます。
 当日はかなり混雑して大変なので、巡行を見たい方は有料観覧席を買うことをオススメします。私は今回が初めての参加だったので、有料観覧席を取りました!
 パンフレットをもらえたり、当日はかなり暑かったので凍ったアクエリアスや首を冷やすシートなどももらえて有り難かったです。なにより、椅子に座って観れるところが良い。

パンフレット

 祭は9時からで、約10時20分頃に、有料観覧席付近を先頭が通り始めます。

先頭の旗

 因みに、最後の鉾の通過時間は約13時〜13時30分頃でした。けっこう長丁場です。熱中症に注意が必要です。日傘などはさせないため、帽子などを準備しましょう。
 それでは先頭の鉾から紹介していきます!

長刀鉾

 毎年「くじ取らず」として、必ず巡行の先頭を行きます。現在、生稚児いきちごが乗る唯一の鉾であり「しめ縄切り」で山鉾が神域に入ります。

 この生稚児ですが、祭の数日前から足をつけないで生活したり(歩くときは「強力」さんに運んでもらう)、母親を含む女性に触ってはいけないなど、様々な制約があってけっこう大変そう……と思っています。

 この鉾頭にかざした伝・三条宗近作の長刀(現在は複製)は疫病邪悪を払いながら進みます。長刀は刃が八坂神社と御所の方を向かないように取り付けてあります。

 1番目なだけあり、かなりの迫力がありました!

 後ろも立派でした!

孟宗山

 今年の山1番目は孟宗山でした。

 中国の史話「二十四孝」に登場する孟宗が、病気の母の好物である筍を、雪の中探し回り、ついに掘り当てて母を喜ばせたことを題材とした山です。

孟宗山

保晶山

 山2番は保晶山でした。

 平井保昌が、和泉式部のために紫宸殿ししんでん前の紅梅を手折ってくる姿を表しています。
 宵山では縁結びのお守りが授与されているので、お守りも欲しい……と思っています。

保晶山

函谷鉾

 次は、くじ取らずの函谷かんこ鉾です。

 鉾の名前は、中国戦国時代の斉の孟嘗君もうしょうくんが秦の国を逃れ函谷関かんこくかんに着いたが、この関は早朝の鶏の鳴き声で開く規定でした。そこで、家来に鳴き声を真似させたところ、本物の鶏が和して鳴いたため、門が開いたという故事によります。

 こちらの前懸は重要文化財となっています。

 鉾はやはり大きくて迫力がありました!

白楽天山

 山4番目の「白楽天山」です。

 前懸は、トロイ戦争の場面を表した16世紀ベルギー製の毛綴です。

四条傘鉾

 傘1番の「四条傘鉾」です。

 こちらは室町時代から伝わる「ケンケト踊り」を参考に、踊りと囃子が再現されています。

 囃子って良いですよね。ずっと聞いていたいです。

油天神山

 山5番目の「油天神山」です。

 油小路通にあることから「油天神山」と呼ばれています。

月鉾

 鉾1番目の「月鉾」です。

 鉾頭に新月型をつけています。

 真木の「天王座」には月読尊を祀っています。

 この浴衣?のデザインが可愛くてけっこう好きです。

 立派な絨毯で凄いです!!

蟷螂山

 山6番目の「蟷螂山とうろうやま」です。

 カマキリの羽や鎌は動きます。

 祇園祭では唯一のからくり山です。カマキリ可愛い。

山伏山

 山7番目の「山伏山」です。

 御神体の山伏人形は、八坂の塔が傾いたとき、法力によってなおしたという浄蔵貴所じょうぞうきしょの姿を表しています。

霰天神山

 山8番目の「霰天神山あられてんじんやま」です。

 先頭の方は金属の棒でカラカラと音を出していました。

 永正年間、京都に大火があった時、季節外れの霰が降り、猛火がおさまりました。その時、霰とともに小さな天神像が降りてきて祀ったのが山の起こりです。

鶏鉾

 鉾2番目の「鶏鉾」です。

 古代中国において、天下がよく治って太平が続き、訴訟用の太鼓に用がなくなり、鶏が巣を作ったという故事を題材とした鉾です。

 見送は重要文化財となっています。

 水色の浴衣?のデザインが良い……!!こんな感じの浴衣?欲しい(高そう)

 水引も立派で凄いです!

木賊山

 山9番目の「木賊山とくさやま」です。

 世阿弥作の謡曲「木賊」を題材とした山です。

綾傘鉾

 傘2番目は「綾傘鉾」です。

 大きな傘と棒振り囃子の行列で構成されています。こちらの棒振りの踊りは迫力があって凄かったです!

占出山

 山10番目の「占出山うらでやま」です。

 こちらは日本書紀の話を題材とした山です。

菊水鉾

 鉾3番目の「菊水鉾」です。

 町内にあった「菊水井」にちなんで名付けられました。

 鉾頭には金色で透かし彫の菊花がついています。

芦刈山

 山11番目の「芦刈山」です。

 貧しさのために夫婦は離別したあと、妻は都で宮仕えをし、別れた夫を探したところ、落ちぶれて芦を売る夫と再会できたという謡曲「芦刈」を題材とした山です。

伯牙山

 山12番目の「伯牙山はくがやま」です。

 琴の名人である白牙が、自分の琴を理解してくれた鍾子期の死を聞いて、その琴の絃を切ったという故事を題材にした山です。

太子山

 山13番目の「太子山」です。

 聖徳太子を祀る山です。

放下鉾

 くじ取らずの「放下鉾」です。

 真木の「天王座」に放下僧の像を祀る鉾です。

岩戸山

 くじ取らずの「岩戸山」です。
 「古事記」と「日本書紀」に記される「国生み」と「天の岩戸」の神話を題材とした山です。

 他の山と違って鉾みたいだ……!!と思いました。

船鉾

 くじ取らずの「船鉾」です。

 前祭23基の殿を努めます。

 「日本書紀」の神功皇后の出陣を題材としています。

 御神体人形の神功皇后は安産の神とされています。巡行の時、岩田帯を多数巻いており、祭の後は安産の御守として妊婦に授与されます。

 船の型の鉾はカッコ良いですね!!

最後に

 船鉾を最後に前祭の巡行は終わりました。今年初めて巡行を見ましたが、どれも迫力があって凄かったです!今回見ることが出来て、また無事に開催されて本当に良かったです。
 京都の夏は暑いですが、是非一度は見てほしいです。

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