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【中国動向観察】中国から逃亡する情報部員相次ぐ?・亡命富豪の郭文貴氏が暴露

 米国に実質的な亡命状況にある富豪の郭文貴氏が22日、自身のYoutubeで衝撃的な話を暴露した。彼はかねてより中国の内部情報を色々な形でリークしており、そうした情報はかつては仲が良かったトランプ前大統領の首席戦略官だったスティーブ・バノン氏と共有され、ポンペオ国務長官をはじめとするトランプ政権の中枢にもシェアされていたとみられる。彼は元々国家安全部の馬建副部長と緊密で彼から内部文書を含むいろいろな情報提供を受けていたようだ。馬副部長は5年前に逮捕されてしまったが、彼はその財力と影響力を駆使して今でも中国政権の内部情報を集めている模様だ。

 その郭氏が22日に暴露したのは2人の中国の情報関連部門幹部の逃亡についてである。中国国家安全部の董経緯副部長が米国に逃亡して国防情報局(DIA)の庇護を受けているとの話を紹介したが、22日に郭氏が暴露したのはそれに止まらない続報的情報である。

 一人目はある省国家安全庁の情報処処長である。処長といえば日本の省庁でいえば課長クラスだろうか。まあ地方自治体、県庁レベルの課長に相当するような公務員だろう。それほど高いレベルではないが、情報部門の長であるから情報アクセスクリアランスは低くないはずだ。郭氏の助けを得て、この幹部は3月に海外への逃亡に成功したという。この人物はアリババのデータセンターの情報をはじめ、軍事施設の情報なども持っていたという。

 郭氏はこの亡命希望者をある国の情報機関関係者に紹介し、彼は自身と家族の安全を保障され、改名してボディーガードによる数台の車両による身辺警護も受けているという。さらに彼は少なくとも4000枚のビットコインを保有し、額面は2億ドルにも及ぶという。

 郭氏によるとビットコインは中国の幹部が外国でマネーロンダリングを行ったり、兵器売買を行うのに便利であり、郭氏は幹部の腐敗にビットコインは切っても切り離せないツールであることを明かした。

 郭氏が明かしたもう一人の逃亡者は福建省某地の対台湾作戦に従事する軍将校だという。彼の家族は全て台湾に逃れ、さらにそこから沖縄に移り、沖縄のホテルで滞在したのち、サイパンに移動し、そしてそこからまた移動したという。沖縄からサイパンというと、えっ、定期便ないじゃない、と思うかもしれないが、米軍の軍用機で運ばれたという可能性はあるかもしれない。

 郭氏の話はなかなか信じ難い部分もあるが、現在の習近平政権の強硬政策は対外だけでなく国内においても恐怖政治を生み出しており、多くの人々が戦々恐々としていることが窺える。

 郭氏はいう、これは始まりに過ぎないと。確かに米国を主とする欧米諸国が亡命者を受け入れ、その身柄を保護すると請け合うなら今後も中国からの逃亡者が続くのは自然なことだろう。事実は小説よりも奇なり、表面的なニュースだけでなくその裏で蠢くマグマについても念頭におきつつ動向を注視していきたい。

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