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【中国動向観察】新型コロナの漏洩を暴露:突然報道された国安部副部長の消息を巡りざわつく華僑メディア・逃亡説が濃厚に!‼︎

  中国の治安政法部門を統括する中央政法委員会の公式Wechatアカウント「中央政法委長安剣」は18日、中国の秘密警察のトップである国家安全部の次官にあたる董経緯副部長が同日午前に座談会を開き、4月26日に施行された「反スパイ安全防範工作規定」を貫徹し、反スパイ工作の配備をしっかりしろと指示をしたと伝えた。

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         董経緯国家安全部副部長と見られる人物

 この記事ををめぐって中国共産党の御用媒体と一線を画す華僑メディアがざわついている。自分も極めて異常な報道だと感じている。というのはそもそもこんな内部の作業情報を「長安剣」が報道したこともなければ、こうした報道をする必要性もないからだ。もし公式報道を文字通り読み解いたとしても、共産党100周年を前に党に忠誠を誓い、スパイ対策に力を入れろ、という号令をかけたというならそれはそれで異常事態である。

 もう少し報道を紹介する。

 座談会は党中央は国家安全工作を高度に重視し、対スパイ工作に重要な作業配置を行ってきたと指摘したのだという。反スパイ工作を統括する機関である国家安全部は規定を出すのは、法に依拠して国家の安全に違反するような犯罪活動を取り締まる現実的求めであり、反テロ安全防衛の責任を遂行するのに利するようさらに全社会のパワーを動員して反テロの「人民戦争」を組織せよ、とハッパをかけた。
 座談会は反テロ、反漢奸防諜工作をしっかり行い、スパイを捕まえ、「モール」や「裏幕」を捕まえなければならないと強調。外国スパイ情報機関と各種の敵対勢力は我々に対して情報窃取活動を強化している。特に個人を「モール」として海外情報機関と敵対勢力と結びつき、反中活動を展開している。個々人が「裏幕」となり敵対勢力を通じて資金を流し、反中活動を支援している。こうした「モール」や「裏幕」は国家の政治安全を脅かし、歴史の恥辱の柱に打ち付けられるだろう。国家の安全保障機関は総体的な国家安全保障感を堅持し、規定貫徹を持って反漢奸防諜の各工作を深く展開し、国家の安全保障を守らなければならない。

 この内容の異常さはさておき、華僑メディアがざわついたのは、この董経緯という男が、まさに米国に逃亡して新型コロナの漏洩問題を含む、中国政府が進める生物兵器開発などの一連のインテリジェンス情報を米国防情報局に洗いざらいぶちまけている本人だとされていたためである。

 中国のやり方的としてよく行われるのは高官逃亡説のような話は、「デマであり、米国(や欧米、日本)の陰謀だ」とか、「事実に反するデタラメを広めるのは中国に対する悪質な行為で強く反論する」「こうした行為についての全ての結果の責任を負わねばならない」といった反論をすることが多い。そしてそれに対する様々な反論報道を行うのだ。

 この報道の興味深い点は2点あり、その1点目は普段は国家安全部の対スパイの活動など一切報道しない媒体が突然このような「座談会」の内容を流したこと。特にタイミングとしてはここ数週間、華僑媒体が「副国級(副首相級)」の指導者が逃亡したとの憶測が出ている中での報道であったこと。そして2点目は「逃亡」したとされる董経緯について直々に名前を出して伝え、彼は国内にいると反論しようと試みたであろうことである。中国側からするとすでに逃亡して3ヶ月経つとされる董は実は国内にいて、逃亡説はデマなのだ、と印象付けようとしていることが窺える。しかし、逆にもし董が米国にいて洗いざらい話しているなら中国側の報道がそれこそがデマだということになる。

 いずれにしてもこの報道は中国からある高官が米国に機密情報を持って逃亡したことを図らずも証明する結果となってしまった。映像、動画などが出たわけではないから、中国側の報道はかなり眉唾である。こうした撹乱情報を流したいほど中国側は動揺していることもうかがわせる。

 こうした報道、情報に輪をかけて異常さを示したのは習近平ら中国の指導者が突然行った宣誓である。

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 通常、共産党に入党する時に行う宣誓式を18日、他の指導者とともに突然おこなったのだ。この宣誓が党に忠誠を誓うというのはその通りであるが、中でも宣誓の言葉の中に「党の秘密を守る」という一言が一連の事象に現実味を持たせるとともに「お笑い中国共産党」的様相を呈している。

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