先輩の忠告

なに 作家になりたい?いいねえ なれよ。
でも 君は何をしてるんだ。毎日 酒を呑んで文学論とやらを論じているのか。
 到底君は作家にはなれないよ。
作家とはなんなんだ なんかの文学賞をもらえば作家なのか?ちがうだろ 書きたいものがあるから 書くんだ。
 無ければ止めろ。
そんな いい加減な気持ちで作家なんかなれる訳がない。
 絵でもそうだが、ぱっと話題を集めたら人気作家みたいになる。芸術の中心がパリからニューヨークへ移った感もあるが、画廊と画家がコラボして金集めをしてるようだよ。いわゆるコモディティ化というか商品化が著しいね。
 商品を売るのは商売人さ。

 本物とは何か、何が本物か。
俺としては 戯作者の近松門左衛門の虚実皮膜を理解すべきだと思うがね。
 ドキュメンタリーは事実の面白さがある 事実は小説よりも奇なりというじゃないか。
 でも 事実は事実を超えることは出来ない。
事実が真実であるとは言えない。
真実は虚と実の間にある。
 素晴らしいじゃないか。リンゴの皮みたいだよ。
 真実というのはウソとホントの間にある。
嘘でも無ければほんとでも無い。
 これこそが真実なんだ。
わからないだろ。だから 分かるために書き続けるんだ それしか道は無い 
 なぜなら 大抵の人間はできないからだ。
だから 毎日書くんだ なんでも良い。
文学賞を取って一発当てようと思うのならそれも良いけどな。
 しかし、そんなものは意味が無い。
自分に正直に 向き合うことだ。
 向き合って無いだろ。都合の良いことにしか向き合って無い
 皆そうだよ。自分の恥に向き合いたく無い。
しかし ものを書くということは恥も外聞もなく 
自分を曝け出すことだろ それが出来ないなら
物を書くとか言わないでくれ。
 俺も偉そうに言っているけど 結局、俗に染まって この始末だ。情け無い。じゃあ あばよ。また、呑もうぜ。

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