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大規模LT会に初参加したので、ネタ作りにやったことを記録に残す

人生で初めてLT会に登壇したので、その時にやったことを記録として残していこうと思います。
LT会に興味がある方や、これから登壇する予定の方に参考になれば幸いです。

参加したLT会は【第2回】生成AIなんでもLT会です。

【規模】
現地:40-50人
オンライン:約150人
テーマ:生成AI
参加者の属性:エンジニア多め、クリエイターも少しいる
スポンサー:note株式会社様
LT会としては大規模です。初参加、それも1年以内の初学者でこの規模の会に出ることはあまりない気がします。

conpass上の申し込み欄

結果としては、なんとか「成功」といえる反響を得ることができたのですが、参加前は不安で胃がキリキリしていました。
具体的には、下記のような不安がありました。

  • LT会に出るのが初めてで、何もかも不安すぎる

  • 他の参加者が全員自分より強く見えて、場違いに思えてしまう

  • スベったり大失敗して「つまらない奴」だと思われるんじゃないか

たかがLT会で大げさですが、初学者な自分はそのくらい不安でした。

終わった今だから言えますが、準備期間は憂鬱で、正直にいうと逃げるための言い訳が頭に何回かチラつきました…笑

そのときに助けになったのは、「先人たちが残した、LT会準備のノウハウ記事」でした。本当に偉大で感謝しています。
当記事が、そのときの自分のように「これからLT会で初登壇する人」の助けになれば幸いです…!

発表内容

では中身とやったことの紹介に入っていきます。発表したアーカイブはこちらから見れます。(あまり画質はよくないかも)
スライド全体は次の章で紹介します。

https://www.youtube.com/live/BQvtp6jtJag?si=0IS9ViMwdlcWQJ3x&t=1828(仮URL)

タイトル画面:AIでないと出来ない、かつキャッチーで他と絶対被らないテーマ名に設定
※スライド全体は後述

結果評価(客観)
・ありがたいことに、わたしの前に発表したまっくすさん(超強いエンジニア)や運営の方から、「今回のMVP発表だったと思う」という言葉をいただけた
・オンラインでは全発表中、最も多くのコメントや反響をいただけた

結果評価(主観)
・笑いがたくさんとれ、現地の反応も上々だった
・何名か直接お褒めいただき嬉しかった
・しかし、改善の余地は多々あった。自分より面白いと感じたLTもあった

とはいえ、初めての発表としては、上々の結果を収められたのではないかと思います。

LT会の準備の手順

というわけで、準備の段階でやったことを、順番に紹介します。下記の順番で作っていきました。

  1. 伝える対象をひとり決めた

  2. テーマを決めた

  3. テーマに沿ってネタのバラエティを増やして、色んな人に相談した

  4. 詳しい人に壁打ちしてもらい、ネタを磨いた

  5. 角度の違う驚きを設定した(音声AI実演、スライド、トーク)

ひとつずつ解説していきます。

伝える対象聴衆をひとり決めた

具体的に名前を出すと、nadareさんをイメージして作りました。
※nadareさん:超つよつよな機械学習エンジニア。Kaggle Master。音声AIの開発にも携わっている

nadareさんを対象としたのは、直接お話したり色々教えていただき、お世話になっているので、「誰に対して話すのか」がイメージしやすいためです。

またスキル的にも超つよいエンジニアです。nadareさんに面白いと思ってもらえれば、他の多くの方も面白いと思うはずだと考えました。

後に出るネタの取捨選択にも、「nadareさんが面白いと思うか」を想像して判断基準にしていました。
(ちなみにこれはnadareさんにお伝えしてないです。LT会に参加されたわけでもないのに、勝手に想定対象にしてしまってスミマセン…🤣)

テーマを決めた

テーマ設定は、他の参加者の専門分野を全員チェックして、被らないように音声AIに決めました。

自分自身が、音声AIのDiscordサーバーを運営していることも背景にありました。

約1年触ってきた画像生成AIネタも候補だったのですが、自分の前がsketchedgeの開発者のまっくすさん、後ろがEmiのあるふさんだったので、止めました。

このお二方は、画像生成AIを触っている方は、一度は目にされるお名前なのではないでしょうか…?
前後がつよい技術者だったおかげで、「中途半端な技術開発トークをするより、活用ネタを発表する!」と割り切れた面もあります。

もちろん技術的なバックグラウンドがある方は、他との比較をせずいきなりテーマを決めてもいいと思います。

というかテーマ設定に関しては、普通のLT会であればこんな準備をせず、「自分の話したいことを話す!」でも全然よいです。
むしろそっちがLT会への正しい姿勢なはず…

ネタのバラエティを増やした。色んな人に相談した

実際に発表で使ったスライドは19枚でしたが、全体としては85枚作成していました。原本は下記です。コメント欄には、発表用のメモ等もそのまま残してあります。
※スライド内に音声AIのデモがあるのですが、そちらは聞けなくなっているのでご了承ください。

テーマに沿って、事前に絞った対象聴衆(nadareさん)が面白いと思ってくれそうなネタをたくさん考えました。
また、その際にはDiscordサーバー(AI声作り技術研究会)のボイスチャットでみなさんに相談し、たくさんアイデアをいただきました。

このサーバーでは週末に多くの方がボイチャに入っており、みなさん優しく相談に乗ってくださりました。
とてもとても、とても助かりました。

とはいえ、発表時19枚に対し85枚という多量のスライド作成は、迷走の結果でもあります。
普通のLT会であれば、こんなに準備する必要は全くないと思います(2回目)

詳しい人に壁打ちしてもらい、ネタを磨いた

上記でネタ出しを終え、一旦発表用のスライドを完成させました。
しかし何かしっくりこない感じがあり、当日の盛り上がりがイメージできなかったんですよね…

このまま発表当日を迎えても良かったのですが、どうしても成功させたい気持ちがあったので、フレンドのYuさんに1on1をお願いし、リハーサルを聴いてもらうことにしました。

いきなりのDM
Yuさんのアイコン

Yuさんはボイチェンを使った演技が上手な方で、大量のキャラを演じられる特殊技能を持った方です。
これは本当にやってよかったです。

Yuさんとのリハーサルで足りない点が明確になり、素晴らしいアドバイスだけでなく、音声の提供までいただきました。
結果的にはこれが特に大きな成功要因で、本当に本当にYuさんにはお世話になりました…(なんか人にお世話になってばっかりだ…)

角度の違う驚きを設定した(音声AI実演、スライド、トーク)

ネタを完成させたあとは、単調な発表にならないように、できるだけ様々な角度で驚きを提供できないか考えました。
とはいっても、基本的なスライドはすでに完成しているので、ちょっとの工夫を加えるだけです。

音声の驚き:実際に技術披露をすべきと考え、自己紹介や読み上げにAI音声をたくさん取り入れた
スライドの驚き:笑えるスライドを作った

トークの驚き:(カンペの一部を紹介します)

最初に「笑う発表」ということを伝える
期待感を高める前フリ
スベるの防止として、笑うタイミングをつくる
興味をひくための前フリ

これらの準備によって、当日の発表をいい感じに送ることができました。

発表を終えての感想

振り返ってみると少しやりすぎな気もしますが、周到に準備してよかったです。
あれだけ不安だったのに、本番ではほとんど緊張しませんでした。(やれることは全部やったと思えたため)

なぜここまで自分が準備したかというと、このLT会は自分がこの界隈に入るきっかけとなった「憧れのOSSやソフトウェアの開発者の方たち」がたくさん参加されている場だったからです。

聴衆の方たちも、本来であればわたしが話を聞く側に回りたい方たちばかりでした。
LTを成功できたおかげで、そういった方たちと、閉会後もたくさんお話をする機会をいただけました。

より小規模なLT会に臨む方は、ここまで準備をする必要はまったくないので、流れだけでも参考にしていただければ…と思います。
今回のわたしの課題は、準備に時間をかけすぎたことです。次回以降は、もっと短い時間で良いものをつくれるようにしたいですね。

あとは振り返ってみると、うまく行ったのはYuさんや声作り技術研究会の皆さまなど、力を貸してくれた方たちのおかげです。
もう感謝しかないです。

LT会に参加するか迷っている、テーマがない方へ

とりあえず、先に参加表明してから考えましょう(圧)
もなかさんにリプかDM飛ばせば完了です。わたしも今後運営に参加予定なので、一旦わたしに相談でも多分大丈夫です。

実際LT会のような「出ても出なくてもいいもの」の場合、先延ばしにしても決断ができず放置される気がします🤔
ちなみにわたしは、登壇が決まった時点では、テーマはなにも決まっていませんでした。

LT会が何だかよくわからんがとりあえず即OKしている図

もなかさんは以前からStableDiffusionの拡張ツールを作られており、わたしが学習を始めたときの憧れの技術者のひとりでした。
ノリでお声がけいただいたと思うのですが、この時点では、正直何も話せることが思い浮かばなかったです。

しかし、貴重なお誘いだったので、とりあえず即決でOKしてしまいました・・・
なお、当時は10-20人規模のLT会だと思ってました(もなかさん自身もそう思ってた気がする…まさかスポンサーまでつくとは…)

そんなわけで、勢いで参加表明してしまったLT会ですが、レベルの高い方たちと交流する機会をいただき、また貴重な発表の経験を積むことができ本当に正解の決断でした。

迷ってる方には、「とりあえず参加表明して、細かいことはあとで考えるのが正解」だと、アドバイスしたいです。
参加者として現地に来ても交流はできますが、登壇者として関わると交流の質も上がるのでよりオトクです。

とはいえ、「興味はあるけどなかなか勇気が出ない」「不安だ」となる気持ちも痛いほどわかります。
最後に自分がどう向き合ったかを、メモ書きとして残しておきます。

LT会前の不安が大きいときに考えていたこと

ネタを考えていたとき、どうしてもまとまらず不安が湧いたとき、自分用に書いていたメモを公開します。

おおげさなメモ

上記が自分が不安に負けそうになったときに書いたメモです。大げさですね…
実際はこんな怖い人はおらず、ネットの反応含め全員超優しい方ばかりでした。(当たり前)

たかがLT会で大げさだと、自分でも思います。
ただ、技術者のイベントに登壇したことがなかったので、どんなマサカリが飛んでくるのか勝手に怖がっていました。

あとは「冷静に考えたら、みんなわたしに興味ないよな、だったら失敗しても一緒だな」と思ってました。

過去に自分が客として参加した中にも、大失敗したイベントはあったはずです。でも、何一つ覚えてないです。他人の記憶ってその程度ですよね。
なので大丈夫です。

まとめ

というわけで、自分が初めてのLTを成功させるためにやったことを書いていきました。
もういちど箇条書きすると下記のとおりです。

  1. 伝える対象をひとり決めた

  2. テーマを決めた

  3. テーマに沿ってネタのバラエティを増やして、色んな人に相談した

  4. 詳しい人に壁打ちしてもらい、ネタを磨いた

  5. 角度の違う驚きを設定した(音声AI実演、スライド、トーク)

この中でなにか一つ、初めてやるLTに絶対外せないことを挙げるとすると、
「伝える対象をひとり決めた」
の部分かと思います。

ちなみにこの記事もたった一人に向けて書いています。初のLT会に挑む、不安で不安でしかたない当時の自分です。

以上、なにか助けになれば幸いです。

おまけ

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AI声作り技術研究会

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