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自分と妖怪・怪奇作品

ハローハロー皆様方。
こんな隙あらば自分語りみたいなタイトルの記事を開いていただきありがとうございます。

時は2023年年末――世間は因習村破壊RTA映画で沼に引きずり込まれた者たちが百鬼夜行の列を成し、例に漏れず私もその流れの中で踊り狂う羽目になったのです。
(感想は以下記事にて)

今回観た映画、ゲゲゲの鬼太郎は日本においての「妖怪」という創作ジャンルの始祖としての認識が世間一般にある作品です。
…ですが、さっきのゲ謎感想記事の中でも言及している通り、個人的な妖怪作品で思い出深いのは鬼太郎よりもぬ~べ~な人間…ではあるものの、振り返ってみるとやっぱり鬼太郎も自分の深層心理に刷り込まれていたことも実感してしまって…。もうこれを機に今まで自分が触れてきた妖怪作品を振り返ってみないと気が済まない!!!みたいな気分になりました。というわけで振り返ります。


怪異の世界を生きる者たち

怪異の世界に生きる者たちとの関係性や生態、何を思って生きているのか、どうやって隣人として付き合っていくかみたいなものが感じ取れる作品たち。

地獄先生ぬ~べ~

妖怪や怪奇を語る作品として…だけでなく自分の漫画読みとしての原点ともいえる作品なのでありとあらゆる意味で原点といえる作品。
漫画原作は1993年~1999年の連載、アニメは1996年~1997年の連載です。

ぬ~べ~を初めて見たのはアニメ版が最初でした。当時は小学校入学前の年齢だったのと同年に初代ポケモンが流行ったのも相まって、沢山のキャラクターに出会って図鑑を埋めるように色々覚えて愛着を持っていくというプロセスにどっぷり浸かっていた頃…ポケモン同様色んな種族に出会っていく「妖怪モノ」というジャンルがハマらないわけがなかった。
あと、舞台設定として小学校5年生のクラスとその担任というのが当時小学生だった自分にとってはすごく身近に感じてめちゃくちゃ入れ込んで観てました。

それと、ぬ~べ~といえば恐怖描写とお色気描写の波状攻撃!見る人によっては怖い描写の方が印象に残ってる、いやいやお色気描写しか頭に残ってない…と様々ですが、自分は怖い描写の印象がちょこっと優勢で、お色気シーンは言われれば思い出せるんだけどお色気カテゴリのインパクトはスピンオフの霊媒師いずなで上書きされちゃったところがある。

ぬ~べ~における「怖かった」はいくつかパターンがあると思っているのですが、自分が今思い出せる限りではその高い画力を前面に押し出した「のインパクト」で怖いと思わせてくるものがやっぱり数として多かったなぁ…と。
しかし、インパクトがあっていかにも怖がるポイントだぞっていうが来ても、自分の感性が「曾我蕭白みたいな画風」が結構好みのド真ん中に来てしまうタイプのアレだったのであまりで怖がることはなかった気がする。
無印ぬ~べ~の #105 妖鳥・以津真天の巻 なんかは怖いというより凄い!みたいな気持ちで眺めていた…あれをサブタイのページに持ってくるセンスよ…。

あと、妖怪の出典元として鳥山石燕先生の浮世絵からの引用が多かったのをよく覚えている。
4期鬼太郎とアニメの時期が被っていたからかどうかは知らないが、後年思い返すと不自然なくらい水木しげる先生の影響というかエッセンス?みたいなものは意識的に排除してるなぁ~と感じる。(あくまで個人的な印象です。)
特にぬらりひょんが妖怪の総大将であるとして語っている作品があると特にそう思う…。私が初めてぬらりひょんを知ったぬ~べ~のぬらりひょんでは、美樹ちゃん家に上がって出前寿司をタダで食べるだけの妖怪として出てきたので他作品で総大将扱いされてても「えぇ…(困惑)」みたいな反応になっちゃうわ。

ゲゲゲの鬼太郎

ゲ謎映画感想の時に語ったから改めて語れる?って感じだけど言わせて…というか報告させて欲しい。
今までうろ覚えだったものの、私が幼少期に見ていた鬼太郎は4期だったし、詳細な記憶は残ってないのに深層心理にはバッチリ刷り込まれていたことが判明した。最近は鬼太郎の各期1話がYouTubeで見れたりなんだりで聴き比べができる環境が整っていますが、4期松岡鬼太郎の声を聴いたときの『耳から入って脳みその収まるべきところにスッと収まる感じ』がもう、あぁ~~~~~私の鬼太郎は松岡くんだったんだぁ~~~~~~!!!!って感じでした。幼少期に鬼太郎に助けてもらった人間が、大人になって鬼太郎に再度出会う…みたいな薄い本が何冊もできそうな展開を我が身をもって疑似体験してしまった感じです。貴重な経験をさせていただいてしまったよ松岡鬼太郎くん…。

さて本来ならば動画配信サービスにでも加入して各期鬼太郎を履修してからこのnoteを書くべきなのでしょうが、今は積みゲーやらなんやらで忙しくてちょっとそんな暇が無いのよな…。
しかし1期~6期までの鬼太郎の性格が異なるという話を聞いてしまっては、「とりあえずでいいからフラットな視点で比較してぇな」となってしまうのが私の悪いさが。探検隊(1人)は鬼太郎ワールドの調査のためにPixiv百科事典の奥地へと向かった。

ありがとうPixiv百科事典…めちゃめちゃ詳細に書いてある。
積みゲー消化したら4期見に行こう。絶対に。

上記リンクのPixiv百科事典ではかなり簡素かつ客観的に書いてあるので、Twitter(現X)で有識者の方々がオススメしてくださる「各期鬼太郎をそれぞれ観るにあたっての注目ポイント」みたいなご意見もざっくり検索してみたりもしました。

そんな中でも、おっ!と思ったポイントとしては「鬼太郎アニメは放送した時期の世相を反映している」という点。
分かりやすい描写を挙げるとすれば、6期1話の異常現象が起きても逃げることもせずにスマホでそれを撮影する人々の様子なんかがまさにそうなんでしょうが、それ以外の作品全体に流れる空気感や鬼太郎自身のスタンスにも当時の世相が織り込まれているように思う。(とは言ってもまだ各期詳細に履修したわけじゃないから4期のうろ覚え雰囲気から受け取った印象だけど…。)

4期…1990年代・平成1ケタ代の空気感の中で育った人間からすると、あの時代って公園とか小学校にある藻で濃ゆい緑色になったドロドロの小さい池みたいなもんだと思ってて、停滞していて清流なんて絶対に呼べないんだけどおたまじゃくしやらの小動物や水草やらミドリムシやらの命がぎゅうぎゅうにひしめき合っている。4期鬼太郎はそんな人間と妖怪の世界の境界がほんの少し曖昧で混沌としたカオスな時代を絶妙な加減で表してる気がします。YouTubeで見れる1話目だけでもこの空気感を感じ取れるし、懐かしさに脳がやられる。
各期鬼太郎をそれぞれ1話だけ見た状態で感想書くのも面白そうだ…!

鬼灯の冷徹・出禁のモグラ

さて、2つまとめて挙げさせていただきましたが、言わずと知れた江口夏実先生の著作です。鬼灯の冷徹は2011年~2020年の連載、出禁のモグラは2021年~現在連載中の作品。

どちらも怪奇を扱った作品ではありますがヒューマンドラマというかヒューマンコメディっぽさが前面に出ているので「怖いの苦手~」って言う人にも勧めやすい。あと、社会風刺もすごく効いてる。むしろ風刺のほうが内容の主軸でコメディがそれをやわらげている感じ。
にもかくにもこの空気感を言葉で伝えるの難しいから上記のリンクで1話目だけでも読んでほしい。ホント、1話で分かるから!!!

鬼灯の冷徹は地獄の裁判制度を主軸に描いた役人コメディ、出禁のモグラはそれとはまったく対照的に人間界で起こる不可思議や情念に焦点が当たった風刺コメディって感じ。どっちも読んでほしいっていうのが本音ですが日本神話とかの神話系基礎知識があると鬼灯の冷徹は多分楽しい。勿論その手の知識が無くてもわかりやすい解説がめっちゃ多いので「むしろ知らないからこれを機に神話系の知識知りたいな」っていう人も鬼灯の冷徹オススメ。
出禁のモグラはそういう専門的な単語のあれやそれが少なめで、「あぁ~人間ってこういうところあるよね」みたいな人コワ系の話が混ざってくる感じ。でも怖いばかりでなくちゃんと面白い。コマ割りなんかも鬼灯の冷徹に比べてダイナミックでドキドキ感が高い。あと、主人公の"モグラ"の脳内CVが杉田智和さんになりがち。真木くんと八重ちゃんは個人的に中村悠一さんと花澤香菜さんで脳内CVにしています。

最後に、できることなら単行本の状態で買ってほしい。特に鬼灯の冷徹は講談社の漫画アプリのマガポケさんで最終話付近以外は待てば読める状態で公開されているのですが、単行本でしか読めない読者からの質問コーナーが大変興味深い。確か水木しげる先生に関することにも言及していたので、最近のゲ謎ブームで色々興味持ったという方は多分江口先生の作品も大変刺さると思われます。

ぬらりひょんの孫

2008年~2012年に週刊少年ジャンプ本誌連載の作品。アニメ化もされていたし、ジャンプだし、ぬ~べ~と世代がズレた妖怪モノジャンプ金字塔?と言いたいのですが、如何いかんせん私の記憶がうろ覚えだしコミックスが今手元に無い!電書で買いなおしたい!アプリじゃ物足りない!
じゃあここに作品名を挙げるなよ、というツッコミもさもありなん…ですが!良い作品だった!っていうのはしっかり記憶してるんだ…。

では何故この場で推しているのかというと、絵がいいから!
コミックスが手元に無くても未だに羽衣狐はごろもぎつね様の登場時1枚絵は脳にこびりついている…。

自分自身絵を描く人間ではないので素人知識からで申し訳ないけど、前述のぬ~べ~で挙げた鳥山石燕先生の浮世絵を彷彿とさせつつも浮世絵というジャンルというよりは水墨画っぽい印象も受ける…なんていうか素人でもわかるような筆致の流れを感じる。羽衣狐はごろもぎつね様の登場時1枚絵なんかもほとんど真っ黒なのに流麗な御髪おぐしの流れがわかるのが本当に素敵!!!!なんでコミックスが今手元に無いんですか私ーーーー!!!!近いうちに大人の財力でコミックス買いなおしてやる…!

怪物王女

こちらは2005年~2013年に連載・完結後、続編にあたる怪物王女 ナイトメアが2018年~2021年に連載していた作品。

ここに挙げたのはいいけど日本の妖怪をメインで扱った作品ではないんですよね…。自分の第一印象だけを語ると、洋物モンスターホラーの路線を感じた。姫様のメイン武器がチェーンソーが多いこととか、ジェイソン的な敵キャラが多かったりとか、陸の孤島と化したキャンプ場のクローズドサークルサスペンスとか。あと、これはどこからどう見ても明らかにイスの偉大なる一族でしょ!こいつぁ深きものですわ…みたいなのが高頻度で登場するのでCoCTRPGクトゥルフ好きな方は多分刺さる作品だと思います。

今まで上げた作品が「日本昔ばなし」系統の日本の妖怪題材ならば、怪物王女はシンデレラみたいな西洋風味のファンタジー派生の(スプラッタ)ホラーの系統。それに加えて主要キャラクターがほとんど女の子なだけあって画面が華やか!スプラッタとか血しぶきが飛んだりするシーンがかなり多いけど、かわいい女の子とアッサリめな絵柄も相まって読むハードルは意外と低いので洋モノの方がいいなっていう人にオススメ。

怪物事変

2016年から今現在まで連載中の作品。この作品もここに並べて紹介するかちょっぴり迷った。

化け狐、化け狸、雪男子など、妖怪のジャンルとしてはメジャーなキャラクターが多数登場するものの、話の形式が1話完結ではなく大きなストーリーを形成するタイプの作品。今まで挙げた作品が1話完結主体(たまに中~長編が入る)みたいな形式であったので、これは結構大きな違いだし、妖怪ジャンルで大きいヒットを出している作品の中では結構珍しい部類にはいるのではないだろうか。

そんな構造も相まって、ここまでで挙げた作品の中で読みごたえが一番どっしりした作品だと思う。が、人間社会との関わりの描写があまり多くない。ネタバレになるからあまり詳細には言えないんだけど、この作品の人間社会は舞台装置とかバックボーンとか…そういう風なものと割り切った方がいい。
人間と妖怪との関わりから紡がれる最終的にハッピーエンドに着地する人情噺を求める方はちょっと「違うかな~」って思っちゃいそう。

しかし、大きな流れに沿ってストーリー展開していく都合上ハッピーエンドは少なめだが、ほろ苦く、それゆえの” 良さ ”を存分に内包したストーリーや心情描写やキャラクターの生きざまが思う存分味わうことができるおもむき深い作品です。是非。

ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

2004年~2008年にジャンプ連載の西義之先生の作品。
正~~~直、この記事に列挙する基準として微妙に外れている気もするけど挙げていいのか…?いやでも私の中の黄金時代をいろどった作品でもあるし知ってもらいたい…!と思っている作品でもあるのでご紹介。

こちらの作品、霊や妖怪の暮らしや思想や付き合い方というよりもホラー演出と、タイトルにある「魔法律」とそれに対応する「刑罰」の種類の豊富さがすごい!なんでそんなに考え付くんですか?!天才すぎでは???と思ってます。世界観を構築する仕組みをたくさん組み上げていく様は後続のライカンスロープ冒険保険でもいかんなく発揮されているのでそちらも見ていただきたい…。

単行本限定掲載の作者のおまけページで言われていたことだと思うのですが(うろ覚え)、西先生は比較的少女漫画のエッセンス多めな方らしくその影響なのかどうかはちょっと不明なのですが話の展開が割とじっとりめなものが多いかも?ちょっと言い方を変えるとベタな展開…とも言える話やキャラクターの背景や動機付けが目立つ。でもその展開と絵柄、演出、人外である描写の恐ろしさがぴったりとハマっている作品。ストーリー展開と絵柄のマッチ具合って大事なんだな…と振り返ってみてしみじみ思う。

みえるひと

2005年~2006年に週刊少年ジャンプにて連載していた岩代俊明先生の作品。
オタクというやつを自称する生き方を長く続けていると、自分の中にガッツリ何かを残していく作品というやつに出会います。私にとってそのうちの1つがこの作品です。

これも具体的な種族としての妖怪が出てくるわけではなく、霊とか未練とかをベースに世界観が構築されているタイプ。悪霊とそれに対処する人の構図なので、すごく大雑把にくくるとムヒョロジと構造的なところは似ている。しかし、こちらはそこはかとなく(というかモロに?)ヤンキーものバトル漫画の系譜を感じさせます。後続の岩代先生連載のPSYREN、岩代先生のもとでアシスタントをされていたべるぜバブの田村先生やブラッククローバー(これに関しては冒頭しか読んでないや…)の田畠先生の作風を考えると、拳を交えて友情・努力・勝利!といった爽快感を感じるジャンプ三原則をキレイに踏襲していて…なんて言ったらいいんだろう。好きです。

幽霊とかそういったものを扱っているのに湿っぽさは一切無く、サックリサッパリ、それでいて熱い!!!!!!!スポーツで気持ちよく汗をかいた時の爽快感に似た感覚を抱きます。
また岩代先生の作品を読みたいな…。

怪異を語るということ

怪異を語ると怪奇がおこる…そういう感じが強い作品たち。

Missing・断章のグリム

はてさて今までとは媒体は移りましてライトノベル。
2つ作品名を並べる形ですが作者は同じ甲田学人先生。Missingのほうは2001年~2005年にかけての発刊のあとに2020年から内容をブラッシュアップした新装版を発刊。断章のグリムは2006年~2012年発刊。ついでに言うと、最新シリーズ「ほうかごがかり」が2024年1月から刊行中!ほうかごがかりはまだ読めていないのでそれに関しては各々おのおの読んでみて…。

これらの作品はコミカライズもあるからそっちのリンクを貼っても良かったんだけど、甲田学人先生の100%は原作小説なので(※コミカライズももちろん素晴らしい出来なので誤解なきよう)、あえてのニコニコ大百科と小説試し読みができる電子書籍サイトのリンクを貼っておきます。

オススメ!非常にオススメな作品!なのですが…上記のニコニコ大百科の記載にもある通り、描写力がスゴすぎるので怖いのが駄目な方は少々読みづらいかもしれない…。いや、脅かしているわけじゃないです。本当にそれだけすごいんです。
上記までの作品ラインナップを見ていただければわかる通り、この記事を書いている自分は割と視覚的に怖いシーンとかヴッとなるようなショッキングなシーンに対してかなりの高耐性を有しております。が、そんな自分でもこの作品を読んだ後は鏡が怖くなったり、シャワーの時に後ろが気になったり、ちょっとだけ空いた戸が怖くなったりしました。普段はそんなこと絶対に無いのに…。

今この文章を書いていて、なんであんなに怖かったのかを思い返してみると、視覚的なグロ描写の知識ストックの引き出しがある人間の方が想像力を掻き立てられてしまって余計にインパクトがあったのかもしれないという結論にたどり着きました。これは逆に普段小説を読まない人の方が向いている作品かもしれない…?
上記のニコニコ大百科の評価を読んでみて大丈夫そうだったら是非とも濃厚な読書体験をしてみてください。

学校であった怖い話・晦

こちらもちょっと媒体が変わりまして、SFCスーファミ用のサウンドノベルゲームです。学校であった怖い話は1995年の作品。つきこもりは1996年の作品。自分でプレイしたいっていう人は媒体も古くてちょっと手が出しづらいと思われます。Switchでプレイできるアパシー鳴神学園七不思議が学校であった怖い話の流れを汲む作品になっているので気になる方はそちらを是非。

実をいうとこちらの作品自分自身でプレイしたわけではなく、ゲーム実況者の稲葉百万鉄氏の実況プレイで知りました。晦も同氏の実況で…。

新聞部の主人公が学校の七不思議特集の取材のために同じ学校の生徒に怖い話を聞いていく…というのが「学校であった怖い話」の導入で、晦のほうはそれの親戚バージョン。
七不思議だから7話しか聞けないんじゃないの~?と侮ることなかれ。とある仕組みにより50話くらいの怖い話があります。さらにノベルゲームという媒体なので途中で選択肢が選べたりするのですが、その選択肢によって話の内容もガラッと変わるので本質的にはもっとある。実況プレイの動画本数に直すと(投稿者様のプレイスタイルにもよるけど)100は超えます。
なんでこう怪談が絡むコンテンツっていうのはボリューミーなものが多いんだ…(うれしい悲鳴)。それだけみんな好きってことなんでしょうね。

さて肝心の語られる怪奇現象ですが…意外と種族としての"妖怪"が出てくる回数は意外と少なく、「XX年前にここで非業の死を遂げた人の霊が~」みたいなタイプの幽霊系から派生した人コワ系の話が多い。
そんな話が多いからなのかそれとも逆なのかはわからないが、怪談の語り部自身に愛着が湧きがち。怪談の中に、語り部自身の体験談パターンも結構あるし、語り部ごとに話の傾向があるからそれで人となりがわかってしまうというのも大きいかもしれない。ヤンキーっぽい語り部だったらちょっとアウトロー気味な導入の話になるし、しっとりしたお姉さま系な語り部だったら恋愛が絡んだ話になる。怪談の語り口だけでこんなにもキャラクターの個性や1つの物事に対する多面性が引き出せるのか…と舌を巻くことになること間違い無し!な作品です。

詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。

こちらはハイキュー!でおなじみの古舘春一先生の作品。こちらの主人公の中島真ちゃんはハイキューにも登場しているから結構認知度は高いかも?
コミックスは3巻で完結しているので連載期間は2010年のうちに完結。でもこの作品があったこらこそ次の連載のハイキューがあんなに伸びたんだろうな…と思うような凄味があります。

余談ではあるけど、この作品は「自分的な意味でのジャンプ黄金期」にカウントしてる作品で、みえるひと(岩代先生)・ムヒョロジ(西先生)・ネウロ(松井先生)→PSYREN(岩代先生)→四ッ谷先輩(古館先生)→逢魔ヶ刻動物園(堀越先生)がジャンプの中でも特定の空気をまとう一つの席を守るかのように順番こに連載していたのが印象的で…本当に大好きでした。時期として言うと2004年~2011年くらい?
打ち切りめいた終わりかたをした作品もかなりあったけど、ムヒョロジが幾年かの歳月を経て復活した例もあるので是非ともこの時期の作品は復活して欲しいという気持ちがある。

さてこちらの作品、マジもんの怪異や怪奇現象はあんまり(?)出てこないです。話というより噺と表現するのが正しいし、語って聞かせて聞き手の中に怪奇を聞き手の中に創り出すのがメイン。「怪異は人間に認知されないと存在できない」という怪奇を扱う上でうっすら暗黙の了解のようにあるルールを逆手にとったかのようです。素晴らしい。

マジもんの怪奇現象少なめとはいえタイトルに「怪談」を掲げている以上、ホラー描写に一切の妥協は無し!漫画というフィールドを目一杯活用してホラーを演出している。ストーリーとしてのホラー、音としてのホラー、画としてのホラー、全てに気合いを入れて漫画として出力している作品です。

細かく覚えてないけど、いい作品だったなぁという記憶があるもの

見た記憶はあるんだけど内容はよく覚えてない…けどよかったな、という感覚は残っている作品たち。
内容は覚えてないので1行感想になります。再履修する機会に恵まれたらまたちゃんと見たいな…。

  • アニメ 学校の怪談
    ビックリするほど内容を覚えていない。エンディングテーマとあまのじゃくの声が中尾隆聖さんであることしか覚えてない…。調べてみたら音楽が鬼太郎4期や犬夜叉を手掛けた和田薫さんなんですね…!見直したい…。

  • 学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!
    ポンキッキ内で放送してたことは知ってるんだけど、ポンキッキ自体が朝起きれないとか、既に登校時間だったりとか、夕方は習い事行ってる時間帯で見れなかった…みたいのが続いて稀にしか見れなかったな。鬼太郎みたいなスタンスのキャラだなぁと思ってます。見た回数は少ないのに凄く怖くて印象に残ってる。今ならhuluで見られる…?!

  • 地獄少女
    初めてこの作品に触れたのは実写ドラマ版でした。怖いけど、人の道理をきっちり通すストーリーに好感を持って見てたな。

  • うしおととら
    何かの漫画アプリで全話無料期間をやってて、それで一気に読んだ記憶がある。度々ニコニコ動画のコメントで見かける「白面の者」はこいつか!確かに邪悪だわ…と答え合わせするように読んでたな…。

  • 夏目友人帳
    学生時代に友達に借りて原作漫画を数巻借りて読んだけど、展開がゆったりしているからあんましっかり頭に残ってないな…。当時の私はせっかちなヤツでした。今だったら噛み締めるように読めるかなぁ。

  • 犬夜叉
    月曜夜の犬夜叉からのコナンという流れでアニメ視聴してました。ゆきのさつきさんのお声が好きです。

  • 結界師
    これもうしおととらと同じく漫画アプリで一気読みしたなぁ。うろ覚えで申し訳ないんだけど、主人公が段々悟りをひらいていってなかった???

  • シャーマンキング
    これもみえるひと系統の話(異能力バトルもの)なのに何故うろ覚えなんだ…。一応講談社の漫画アプリで最終回まで読みましたよ!ちゃんと完結できて良かった…!

このジャンル全てに少なからずある要素

妖怪や怪奇を扱う作品に多かれ少なかれ存在している要素として「教訓めいた内容」というのがあると思っている。でもまぁそれはそうだよね、2024年の大河ドラマの光る君へを見ても「善いおこないをしないから成仏できぬのです」みたいなことを言って水垢離みずごりしたり祈祷をしたり…古来からある価値観で、それを物語の中に組み込むとなると「生きているうちに悔いのないように、でも道理に反したことはしないように」ぐらいの概念はもう根底に流れているといっても過言ではない。「妖怪」や「霊」といったエッセンスを扱うのであれば避けては通れないものだと思う。

きっとこの話って、民俗学とか宗教学で扱う国民性を分析するときに結構大きなファクターになりうるんだろうけど、自分はその専門の学問を研究したわけではないのでなんて表現したらよいのやら…。でもこういう価値観が根底にあるアニメや漫画を小さいうちから触れて育った人間が多数いることで「国民性」が形成されるのかしら…なんて思ったりします。

さいごに

挙げるといっぱいあるな妖怪・幽霊・怪奇現象をメインとした作品…。
いかに自分が妖怪に育てられてきたかわかっちゃったぜ。そしてこの記事、2ヶ月くらいこねくり回して書いてたぜ…。特に創作でもなく、書くネタは揃ってるのにこんなに時間かけちゃうの私の悪い癖だぞ~~~~~!!!!

それにしても今回書くにあたって、挙げた作品の掲載年月もあわせて調べたけど、これって今の若い子は読まない年代も発生し始める頃だよね…。老婆心っていうか年長者のおせっかいかもしれないけどやっぱり自分よりも若い世代にも触れてほしい作品たちだな…と今回改めて思いました。
リンクも貼ったんで作品に気軽に触れてくれるとこちらも書いた甲斐があるというもの…。

みんな!沼の底で待ってるよ!!!

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