見出し画像

嘘をつくと泥棒になる理由

法律の、民法第一条に「禁反言の法理」という条文がある。
内容は以下のとおり。

民法第1条第2項
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

難しいようだが、要はこういう事である。

「約束した事、一度口に出した事は守りましょう。あとで覆したり言ってないといっちゃダメ、信義もなく誠実じゃないですよ」。

法律というものは、普通の人が正しく、嘘つきには不利にできている。

もっと平たく言えば「嘘を付く人を、法律は守ってあげませんよ」という事。

「10万あげるよ」と言い、くれなくても普通は問題にならない。

しかし、あげるといった理由が「こう言う商品を作ってくれたら」という正当な商行為の場合「あげるとか言ってないよ」となれば、禁反言の法理が適用され、10万円の支払い義務が生じる。

今回は、法律から離れ、嘘について私の考えを書く。

私のポリシーの一つに「口に出した事はどんな困難や事情があれど、必ずやる!」という信念がある。

私は重大な決意をした時、敢えて自分にプレッシャーをかける為に目標を周りに言いふらし、自分を追い込み逃げれなくする。

次に人にこれをするな、これはやれ、と指示したら自分も守る。
つい守れない時は、即謝る。

相手が記憶にない事でも、約束は必ず守る。
相手から「言わなかったら忘れてたのに」と言われる事もある。

私にこの2つがないと「すぐキレる安物の電球で走るブルトーザーみたいな奴」として、今頃、ビジネス人生は終わってると思う。

「口を切った事は守らないといけない」。
そういう行為は、褒められる事でもなく、当然の事である。

しかし考えると、私は他人が口に出して決意した事を、簡単に反古しても、それを咎めない。

「僕は会長に一生ついて行きます」と言い、1か月でボクシングを辞めるケースなんてザラにある。

こういう時「そんな言葉をあてにするほうがおかしい」。
私はそう思うタイプだと思う。

信頼と信用は違う。
人、つまり選手や従業員をある程度見て、これはと思う者は信頼するが、人が口に出した事を絶対やり遂げるとは思わない。

「信用して目をかけたのに、裏切りやがって」等と思う事はない。

逆に私の様な「言った事は石に齧りついて、命を賭してもやる」
と思う方が稀有で、私が勝手にそうしてるので強制はしない。

しかし気を付けなければならないのは、小さな嘘で自分の都合のいい方向や、間違えた道へ行く人は、将来非常に危ない。

一度嘘をついた者を問い詰めはしないが、基本二度と信じない。

嘘つきは泥棒の始まり

いみじくも先日、我が社のコンサルタント先を騙し、逮捕された男の公判中、嘘ばかり言う被告人の言い訳は、聞いてて虚しかった。

最後に、温厚な裁判長が「嘘つきは泥棒の始まりだ。貴方に更生は無理だ!この後に及んでそんな嘘を!」と怒った。

確かに正論である。

しかし、悲しいかな嘘つきは泥棒の始まり、ではなく、こいつは既に泥棒である。

さてここからは、私の経験則に基づく持論を述べる。

私の長い金融と、コンサルタント業の経験から述べたい事を書く。

何故「嘘つきは泥棒の始まり」というか?
頭を振り絞り考えた。

人は皆、生まれて小学生位までは汚れておらず、子供の嘘は、親にこう見て欲しい、という承認欲求や、寂しさからくる嘘が多い。

しかし、この被告人程の大物になれば、まずスタートは銀行、サラ金に借金があり、お金を返せなくなることから始まる。

続いてローンも通らなくなり、友人知人、親戚からも借りてるので取り敢えず嘘で何とかしのぐ。

しかし、もう借りる所が無い。

そうなると高い金利の所に借りにいく。いわゆる街金。

ここまでくると、あとは大体「生まれた時は別だが死ぬ時は一緒だぜ」というレールに、皆仲良く乗る。

街金は、借りる時に借主がつく嘘は、日常茶飯事なので聞いたふりだけして信用せず、商売として貸す。

借主=嘘つきは、返さない。
返さない時の債務者の抗弁と嘘は凄い。

  • もうすぐ大きな仕事で100万円が入る。

  • 癌のお袋の保険金が一千万ある。半年以内にお袋は死ぬ。それまで待ってくれ。

  • 仕方ない、この手形で勘弁してくれ。

当然の如く

  • 大きな仕事が嘘なので100万は入らず

  • お袋どころかお父さんもとっくに他界しており、

  • 手形は当然不渡になり、単なる紙切れとなる。

キリがないので割愛するが、嘘を競うコンテストがあれば、優勝だろう、と言う猛者もいる。

しかし世の中甘くは無い。

金策も万策も対策も尽き、嘘を突き詰められると、最後は人の物を盗み、泥棒をする。
悪知恵の働く者は、相手を騙す詐欺行為で、金品を搾取する。

こうしたお金で返済するようになり、繰り返せば繰り返す程、嘘は上手くなる。そしていつか逮捕される。

かくして「嘘つきは嘘をついて借金を重ね、泥棒となる」。

冒頭の写真を見て欲しい。

我がジムにはそう言う人も、そうなるであろう人もいない。


写真の女性会員は医者になる為、二年間の休会を経てボクシングのリングドクターになる、と言い高価なお礼のお菓子を持って来た。

礼、と言うものが出来てるのは、立派なご両親のおかげだと思う。


うちのジムは子供の些細な行為も見逃さず、しかし一つ一つを叱らず、ここと言う時に叱りつつ、理を説くよう心がける。

この世に完全はないが、こういう考えで組織を運営すれば、嘘つきも泥棒も減ると思う。

口が虚しい、と書いて嘘と読む。

虚像はいつか崩れ、最後は自分の心を虚しくさせるだけだと思う。
家庭とうちのジム。この2つがあれば虚しい子は生まれない。




宜しければサポートお願い致します。正しい教育活動に使います。今後とも宜しくお願い致します。