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「万葉集」私撰秀歌 歌巻3・337

「憶良(おくら)等(ら)は今は罷(まか)らむ子(こ)哭(な)くらむその彼(か)の母も吾(わ)を待つらむぞ

山上憶良」

●整理:

憶良等は
今は罷らむ
子哭くらむ

その彼の母も
吾を待つらむぞ

●歌意:

 宴席にて──。

 この憶良はもう退出しよう。うちでは子供が泣いているだろうし、その子の母も私を待っているだろうから。

●感想:

 「ら」で重ねたリズムがいい。ユーモアがあって「仕方がないなあ」という気にさせる歌。

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目次と序:
https://note.mu/yanai/n/n375976ce6891

参考文献:
岩波新書「万葉秀歌」上下巻(斎藤 茂吉)

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