見出し画像

「万葉集」私撰秀歌 歌巻2・208

「秋山の黄葉(もみぢ)を茂(しげ)み迷(まど)はせる妹(いも)を求めむ山道(やまぢ)知らずも

柿本人麿」

●整理:

秋山の
黄葉を茂み
迷はせる

妹を求めむ
山道知らずも

●歌意:

 人麻呂の妻が死んだ時──。

 秋山の紅葉が深いために、その中に迷い入ってしまった妻。その妻の許に行こうとするが、私には道が分からない。

●感想:

 意味としてはそれほど響いて来ないが、繰り返し口ずさんでしまう調べを持っている。丸い印象を与えるのはマ行の音が多いからだと思う。

・‥…‥・‥…‥・‥…‥・‥…‥・‥…‥・‥…‥・

目次と序:
https://note.mu/yanai/n/n375976ce6891

参考文献:
岩波新書「万葉秀歌」上下巻(斎藤 茂吉)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?