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今月の野鳥(JB2017年8月号)

「馬をいなごのように跳ねさせることができるか。そのいななきには恐るべき威力があり、谷間で砂をけって喜び勇み/武器に怖じることなく進む。」(ヨブ39:20~21)

イエス様のエルサレム入場は平和のシンボル、ロバを用いられましたが、これに対して馬はどちらかというと戦争のシンボルとみられることが多いと思います。さて今月の鳥はコマドリを選びました。コマは勿論駒のことで、馬のいななきに似た囀りをするからと言われています。しかし実際に囀りを初めて聞いたときは、さほど似ていると思えませんでした。鈴をころがすような大きな声で朗々と鳴く様は、メスの気を惹く為であり、破壊よりは生きる喜びを表現していると思うのは私だけでしょうか。
(撮影2016/8/2長野県上高地にて)

コマドリの姿を見ると、心が躍るような気持ちになる。これは私だけではないであろう。ヨーロッパでのコマドリは、この日本のコマドリとは別種のヨーロッパコマドリだが、文学に出てくるコマドリ(クックロビンとか)はこちらである。日本のコマドリは、繁殖環境に笹薮が必要なようで、シカの食害が夥しい中では存在そのものが脅かされていると言ってもよい。上高地はコマドリの生息密度が高いところということで、5月末から上高地のあちこちでコマドリのいななく声を聞くことができる。オスの方が先に渡ってくるようで、しばらくは笹薮の中で鳴いているが、メスが来るとソングポストでその声と姿を目にする。同じ環境にいるコルリより少し標高が高いところに巣を構えるようだ。


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