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2023年の夏、るぅとくんが音楽クリエイターとして届けてくれた2つの楽曲について考えた。

2023年、ますます精力的に音楽制作に
取り組み、音楽クリエイターとして成長し続けているすとぷりのるぅとくん。
そんな彼が2023年の夏に発表した2曲の
オリジナル曲について、今回は綴っていきます。

熱と白昼夢
2023年8月3日にYouTube「るぅとちゃんねる」
にMVが投稿されました。

学生服姿のるぅとくんが教室で青空をバックに
映っているサムネイルが期待値を高めてくれ
ます。
MVを見ていくと、曲のタイトル画面でこの
学生服姿のるぅとくんと背中合わせに王子様の
衣装を着たるぅとくんが登場します。

「熱と白昼夢」MVより

そう、この曲は過去の自分と今の自分が対話を
するような形で構成されています。

何回と難解な選択肢の果て
何億と何万の自分殺めた

大人になる過程で様々な岐路に立つたび、時には
自分の意思を殺してその先の選択をしなければ
ならなかったということを感じさせます。

刺す暑さの窓際
夢見る少年
僕を恨みがましい目で見ていた

汗ばむ陽気も
鬱陶しいだけだなんて
サムい人生 いつからだ?

そんな大人になった自分も少年時代はもっと熱く
夢を追いかけていたことを思い出します。
大人になる過程で、少年のころに持っていた
大事なものを置いてきてしまった、なんてことは
よくあること。世の中のいろんなからくりを
知ってしまって無難な選択をしたり、周りとの
衝突を避けるために自分の意思を押し殺して
しまったり、熱くなっている他人を冷めた目で
見てしまったり。
最初のころは、それが大人になるうえで仕方の
ないことだと葛藤もあったけれど、だんだんと
それにも慣れて、何も感じなくなり、それこそが
正しいことだとも思うようになっていく・・・。
でも、ふとした時、例えば夏の暑さの中抜ける
ような青空を見たとき、教室の風景と少年時代の
自分が蘇ってくることがあって、その当時に見た
こと感じたこと全てが今の自分に押し寄せてきた…
この歌は冒頭の47秒でそんなことを一気に
思い起こさせます。

私がよく学生時代の自分を思い出すのは、
ちょうど今頃、9月の終わりごろから10月です。
晴れた日に秋のにおいを感じると自分では勝手に
「運動会のにおい」って名付けています。私は
子供のころから運動が得意だったので、運動会は
唯一幼稚園から高校まで自分がヒロインになれる
催しでした。準備や練習もクラスの中心になって
一生懸命やって、家族や友達からも頑張ったね、
すごいねって言われて、自分の努力と結果が
ちゃんと伴ってたという成功体験があって、
頑張ればうまくやれると信じて疑わない自分が
いました。
その頃の自分が今の自分を見たらどう思うかな、
と思うと確かに「ねえ、それでいいの?」と
言われてしまいそうです。

この歌でも2番の歌詞でさらに過去の自分を
思い起こしていきます。

刺すように 春を喰らう
夏の日差しも
気づかないほど あの日
君は夢中で
野放図な未来図に希望ばっかの
わがままなヒーローは どこへ行った?

過去の自分を思えば思うほど、今の自分が過去の
自分、過去の自分が思い描いていたことを押し
殺して踏みにじっていることに苦しめられて
いきます。
そして、「まだ子供でも良い」と気づくわけです
が、そのあとはこんな風に続きます。

夏の教室の隅っこに
置き去りにしてった僕に
ごめんね、って ただ
今抉じ開けて 抉じ開けて
照り付ける陽の下へと
連れ出すから
ずっとそこにいたんだ
気づかないふりして
お待たせ
やっと、また会えたね

この部分の表現が私は好きで、何度も読み返して
は泣きそうになっています。過去の自分自身と
対峙する様子はいつの時代も様々な歌で表現
されてきましたが、この曲のように「ごめんね」
という感情で「陽の下へ連れ出す」というという
流れがとても優しくて美しい描写で、今まで
あまり見たことのないアプローチにハッとさせ
られ、心を掴まれてしまいました。
最後に「お待たせ、やっと、また会えたね」と
いう思いも、本来の自分を解放し、これから
歌の主人公がまた夢に満ちた道を進んで自分を
生き返らせて過ごしていけるという前向きな
メッセージを伝えています。
るぅとくんが以前、作詞の時、伝えたいことを
何に変換して、何に投影して表現していくかを
すごく考えるということを話していて、
この曲も、テーマとしてはよくあるものだった
のかもしれないけれど、それをちゃんとるぅと
くんらしい彼にしかできない表現で作品に落とし
込んでいるのが、彼のクリエイターとしての
才能をまた感じさせました。
そして、シンガーとしての表現力も、冷めた
今の自分、過去の自分、最後に自分を取り戻した
時、と感情豊か。冒頭からエンディングまで
駆け抜けるようなサウンドの中でも感情の波が
しっかりと伝わりました。

ブラックエンド
2023年8月の1か月間行われていたいちご
マイクラ。るぅとくんのチーム「ぶらっくだいや」
はなんとオリジナル曲を制作してしまいました!

チームとしての活動が始まったのが7月末だった
と思うのですが、この曲がYouTubeに投稿され
たのは8月12日。この短期間でMVまで制作され
ています。
「ぶらっくだいや」はるぅとくんと、KnightAの
まひとくん、AMPTAKのぷりっつくんの3名の
チーム。リーダーのるぅとくんがブラック企業
並みにメンバーを働かせるというチーム決めの
時の冗談から始まって、この「ブラックエンド」
もそんな雰囲気が盛り込まれたダークな作品。
作詞はぷりっつくん。彼らしいユーモアと
抜群のワードセンスが光ります。
いちごマイクラは、配信をしたり、動画を作成
したり、建築したりすることで勝負する企画。
他のメンバーが自分のチャンネルに自分で編集
した動画を投稿する中、普段は音楽活動が中心で、
音楽以外の動画を投稿することの少ないるぅと
くんは、この曲を自分のYouTubeチャンネルに
投稿する際、「僕も自分のチャンネルでいちご
マイクラの動画を投稿できてよかった」と嬉し
そうにしていたのが印象的でした。
まひとくん、ぷりっつくんも「よかった。
しかも僕らがるぅとくんのチャンネルに歌の
動画で出れるなんて嬉しい。」と感激している
様子でした。
まさにいちごマイクラの参加メンバー随一の
音楽クリエイター、作詞作曲だけでなくMIXも
こなするぅとくんがいるチームだからこそできる
ことだったわけです。
とはいえ、この曲は実は何もないところから
るぅとくんが書き始めたのではなく、過去に作って
みたもののボツになってしまった楽曲を焼き直し
たもの。
2021年8月にYouTubeに投稿されたるぅとくん
のソロ曲「クロマト」という曲がありますが、
この曲を作成する過程でできていたのが、この
「ブラックエンド」のメロディでした。確かに
比べてみると雰囲気がよく似ています。

「クロマト」が収録された、るぅとくんのソロ
EP「忘れ愛」は少しダークで大人っぽい世界を
表現している楽曲が多く、私はとても好きで
今もよく聴いています。

このアルバム以降、こうした雰囲気の曲の発表が
あまりなく、私はずっと待っていたので
「ブラックエンド」を聴いたとき「ここで
こういう曲がきたか!」すごく嬉しくなりました。
この曲を発表した直後のるぅとくんの個人放送
では、実はほかにもいくつか過去にお蔵入りに
なってしまった曲が候補としてあって、まひと
くん、ぷりっつくんにも相談してこの曲に決めた
という話をしてくれました。しかも、その候補に
なった曲の音源も聴かせてくれました。私が
聴くとどこがボツになる要素だったのだろうと
思えるような素敵な曲でした。
「ブラックエンド」を出す機会がなければずっと
お蔵入りのままだった、という幻の音源を一つの
完成品に昇華出来ただけでも、いちごマイクラを
やってくれてよかった、そんなふうにも思い
ました。そして、そんなるぅとくんの楽曲制作の
様子を知り、私たちの手元には完成した1曲が
届くけれど、そこにたどり着くまでにるぅとくん
はその何倍もの曲を書いて、詞を書いているの
だろう・・と改めてるぅとくんの日々の音楽制作
の日々を思いました。
2023年に入って、さらにそれまでより早い
スパンでオリジナル曲を発表しているるぅとくん
の底知れぬ才能とパワーを感じて、これからも
彼の体から紡ぎだされる音楽が本当に楽しみに
なりました。

そして「ぶらっくだいや」は見事いちごマイクラ
で優勝!改めて「ブラックエンド」はフル
バージョンとして2023年9月21日に投稿されました。


8月に公開されたときは、ファンミーティングで
声が枯れてしまったるぅとくんの歌が仮歌
バージョンでしたが、改めて撮り直し、MVも
作り直されました。

企画として制作した、というにはあまりに完成度
の高い楽曲、ぜひ一度聴いてもらいたいです。
そして、るぅとくんにはまた、ちょっとダークで
重い感じの曲も書いてくれたら嬉しいなと思います。

今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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