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アイデアの作り方

1. 【紹介】

 本書は、『ジェームス・W・ヤング』氏によって書かれた本で、タイトルの通り、アイデアの作り方の極意が記載されている。その特徴として、一般的なビジネス書は基本的に300ページ程度あるものが多いが、この本はなんと本編だけで90ページと非常に少ない上に、1時間あれば読めてしまうというのが特徴である。
 内容としては非常に濃く、重要なことが記載されているため、この本を読むことで人生を変えることができると思う。メンタリストの『DaiGo』氏も絶賛しており、「人生を変えるレベルの一冊!」と大絶賛しているほどだ。
 ぜひ、中古でも購入して一読されることをおすすめする。
 それでは、早速内容にご紹介しよう。

2. 【アイデアの作り方】

 ヤング氏は、アイデアの作成は「一定の明確な過程である」ということ、作成の工程は「一つの流れ作業」ということ、その作成により、私たちの心理は、「習得したり制御したりできる操作技術によってはたらくもの」ということ、そして、「技術を修練することが有効に使いこなす秘訣」ということを述べている。
 では、具体的にどうすれば良いのかという点について、紹介しよう。その前に、アイデア作成における一般的原理には大切なことが2つある。一つは、【既存の要素の新しい組み合わせ】もう一つは、【既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい】ということだ。すなわち、【事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性がアイデア作成には最も大切】なのだ。
 既存の要素の新しい組み合わせについて、もう少し深堀していこう。アイデアを生み出すためには既存の要素を組み合わせて、新しい価値を生まなくてはならないが、それには5つの段階が必要である。
 1つ目【資料を収集すること】資料にも大きく2つの種類が存在する。それが、「特殊資料」と「一般的資料」である。特殊資料とは、製品とそれを私たちが売る相手についての資料を指す。
 私たちは、表面的な違いが見えないと、そこには何ら関係性はないと決めつけてしまう。しかし、深く掘り下げていく事でほとんどの場合には、製品と消費者との間にアイデアを生むための特殊な関係性が見いだせる。一般的資料を収集する意義とは、「アイデアは既存要素の新しい組み合わせ」の部分に入り込んでくるためだ。
 こうして、アイデアは『製品と消費者に関する【特殊知識】と人生とこの種々様々なできごとについての【一般的知識】との新しい組み合わせから生まれる』とヤング氏は述べている。
 特殊資料の具体的な収集法として、【カード索引法】と一般的資料を収集するには【スクラップ・ブックファイルを用いる方法】が有用であると提案している。
 カード索引法は、3インチ×5インチの罫線の入った白いカードを用意し、収集した特殊な知識を項目ごとにこのカードに記入するという至ってシンプルなものである。この方法を用いることで、テーマのセクション別にこれらのカードを分類することができ、あらゆる項目を網羅した一つのファイル・ボックスを持つことができる。
 スクラップ・ブックは自分が書きためた個々の半端な資料を様々な角度から何度も索引分類して、アイデア種本のようにすること。それらがいずれ自分自身を助ける一因になるかもしれない。
 2つ目【集めた個々の資料を一つ一つ触ってみる】ことである。一つの事実を取り上げて、それを様々な角度で見てみる。そうして、その意味を探し出す。また、別の事実と並べて対照させた時に、その2つの事実がかみ合うかをを調べる。ヤング氏からのアドバイスとして、「事実というものは、あまりまともに直視したり、字義通り解釈しない方が一層早くその意義を啓示することがままある」という。
 この段階にあたると、次の2つのような現象が現れるという。一つは、「様々な不完全なアイデアがやってくるが、どんなに突飛で不完全であっても、その全てをまずは記録しておくことが大切」だ。前田裕二氏の『メモの魔力』でも触れたが、彼やホリエモンこと堀江貴文氏は日常生活の中であらゆることに目を向け、どんなことであっても必ずメモを取っている。もう一つは、「組み合わせをするのに疲れて嫌気がさしてきてしまうが、あまり早く嫌気を起こさないようにし、継続して小さいカードの中に部分的思考を書き込み続ける事」だ。ここで、パズルを組み合わせる努力を実際にやり遂げられたとき、初めて次の段階へ移ることができる。
 3つ目【決定的な不可欠の段階であるということを体得すること】である。つまり、この段階では、問題を完全に放棄して何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに心を移すことだ。それは、音楽を聴いたり、劇場や映画を観に出かけたり、読書をしたりだ。
 4つ目【常にそれを考えること】だ。「アイデアが生まれる時は決まって、探し求める緊張を解いて、休息とくつろぎのひと時を過ごしてからだ」とヤング氏は述べている。
 5つ目【アイデアに忍耐強く様々な手法を加えてあげる必要がある】。どんなに良いアイデアでも多くのものが日の目を浴びずに失われていくことが多い。その為、この段階はアイデアを具現化させるうえで最も重要な工程なのだ。この段階でやってはいけないこととして、自分のアイデアを胸の奥にしまいこんでしまうことだ。理解ある人々に批判を仰ぐことで、良いアイデアというのは【アイデア自身で成長する性質を持っている】ことに気づく。自分自身では見落としてしまっている点もアイデア自身が持つ可能性がこうして明るみに出るのだ。

3. 【最後に】

 この本を読んだときに、ちょうど勤めている会社でも新規開拓ということで製品開発を考えていた段階であった。まだ、全然形にはなっていないが、この本で得た知識を100%活かして無事に顧客に良い評価がもらえる製品が作れるように頑張っていきたい。
 私見ではあるが、本書は【開発・技術職】の方にはぜひ読んで頂きたい一冊である。または、役職クラスで、新規アイデアが良く求められる方なんかにもおすすめだ。
 アイデアを創出するということは本当に難しい。しかし、その極意を知っているか知っていないかでアイデアを具現化するまでの道のりとクオリティはまるで違ったものになってくるだろう。Amazonの商品画像を添付しておくので、ぜひ、購入して読んで頂きたい。
  

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