vol.2 「財務諸表を使う」側に立つ際の全体像
こんにちは。今週からnoteで情報発信を開始した矢野です。
今回は「財務諸表を使う」側に立つ際の全体像をお伝えします。
vol.2は抽象的な話が多く、わかりにくい部分もあろうかと思いますが、vol.3以降事例にあたることにより一気に理解が深まりますので、何卒お付き合いください。
1 5ステップで進める
以下5ステップを様々な業界に対して実施します。
2 各ステップの詳細
ステップ1: 対象企業の選定
ずばり私の興味のある業界を選んで進めていきます。特にIT関連業界を中心とし、対象企業は新興市場を中心に、比較的中規模の銘柄を選定します。
ステップ2: ビジネスモデルの理解
ビジネスモデルキャンバスというツールを使用します。詳しくはこちらをご参照ください。
私は、ビジネスモデルキャンパスの「1つのシート、9つの要素」というシンプルな構成が好みで、初めて企業を担当する際、ビジネスモデルの理解によく使っておりました。
ステップ3: ストーリーの再構築
ステップ2で得た対象企業のビジネスモデルをベースにして、ストーリーを再構築していきます。再構築の対象となる項目は以下の通りです。
対象企業の経営理念 (又はパーパス、ミッション、ビジョン等)
戦略
ビジネスリスク
KPI (財務情報に加え、非財務情報を含む)
ガバナンス
この際、各社で公表している有価証券報告書以外の公表物 (i.e. 中期経営計画や決算説明資料等)も順次活用する予定です。
ステップ4: ROEの分析
ROEとはReturn on Equityの略で、「株主の持ち分である株主資本が、どれだけの利益を上げているのかを示す総合的な指標」となります。詳しくはこちらをご参照ください。
財務諸表を読む際、例えば損益計算書の増減や各構成項目に着目することはもちろん重要なことですが、私はあえてこのシンプルな指標 (かつ、損益計算書のみならず貸借対照表も勘案している) に焦点をあてて対象企業の分析を行いたいと思います。
なお、ステップ4の分析にあたっては、ステップ3で再構築したストーリーと関連付けていきます。
ステップ5: PBRの分析
PBRとはPrice Book Value Ratioの略で、「株価がひと株当たりの純資産の何倍あるかを示す指標」となります。詳しくはこちらをご参照ください。
PBRはROE と相関関係がある(ROE 8%が分水嶺) と言われており、実際様々なところでその報告がなされています。
財務諸表を読んでストーリーを再構築し、ROEとつなげた後、PBRを見比べることによって、対象企業の等身大の姿に迫ってみようと思います。
3 次回の予告
次回はステップ1を具体的に進めていきます。最初の業界として「士業のビジネスマッチングサービス」を取り上げる予定です。
4 おわりに
ここまで読み進めて頂きありがとうございました。今回は抽象的な内容が多く分かりにくい部分もあったかと思います。次回以降、実際の世界にあてはめをし、理解を共に深めていければと思います。
このような私に少しでもご関心を持って頂ければフォローの方お願いします。ご意見等ございましたらnoteのコメント欄あるいは X(@tadashiyano3)までお願いします。
なお、投稿内容は私個人の見解に基づくものであり、過去所属していた組織とは関係ございません。
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