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護国記 - 今ならではのゲームブックで面白い

この記事に触発されて「護国記」というKindle専用のゲームブックを読んだ。納得のいく結末にたどり着くまでに3日くらいか。ルールから逸脱することなく、最後までゲームブックをプレイするのは一体いつ以来だろう。ファンタジーとゲームが好きな人は購入した方が良い。この内容のゲームを500円で買えるのは破格だし、少なくとも自分は数年前に「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をやったとき以来の衝撃と、こうした作品を新作としてこの時代に楽しめることに幸せを感じてしまった。

ゲームブックを知らない人のためにウィキペディアの解説を載せておく。

ゲームブック (Gamebook) は、読者の選択によってストーリーの展開と結末が変わるように作られ、ゲームとして遊ばれることを目的としている本である。「アドベンチャーゲームブック」・「アドベンチャーブック」とも呼ばれる。(下記の画像もウィキペディア)

昔ながらのゲームブックは画像の通り文中の選択肢に記された数字(パラグラフ番号)を辿って読み進めていくことにになるわけだが、護国記の場合はKindle専用である特性を活かして、すべての選択肢はハイパーリンクで表現されている。

そのため、数字で表現した場合と異なり、同じ内容の文章に遷移してもそれが過去に辿ったルートと異なっているかは数字では判別できない。一見すると同じ文章をまた読んでいるように感じても、異なる場所を読んでいることに気づかないことが多々あり、これを紙の書籍でやると膨大なページ数になるのだろうけど、電子書籍だから特に問題はない。

ハイパーリンクにしろ文章量にしろ、今の時代ならではの作りで、平成最後の年にこんなゲームブックが生まれてくれたことが凄く嬉しい。

いずれにしても、この本ならではの体験ができて、これだけのスケールのファンタジーをスマホで気軽にたのしめるゲームはそうないので是非試して欲しいのだが、Kindleの「戻る」機能(そんな名称なのかはわからないが)に気づいていないとしんどいのでちょっと解説。

Kindleにはアプリ版でも専用端末でも「戻る」機能がある。一般書籍だと脚注を読むときによく利用するが、脚注のある本を読んだことがないとあまり使わないと思う。スマホアプリの場合だと右下に出る。

専用端末の場合は画面上部の「<」ボタンをタップする。

この機能を利用すると選択肢を選んだ後でも簡単に戻れるので、読み返しながら読むことがとても快適になる。ポケットにスマホを入れているときに誤ってページを遷移させちゃうとか、普通の本を読むときには大して問題にはならないが、ゲームブックだと厄介なので覚えておいた方がいい。

・・・

護国記のあとがきで著者の波刀風 賢治さんのこんな記載があった。

少なくとも自分が 「これが 2 1世紀のゲ ームブックだ 」と自信を持って言える作品にしなければとの信念を持って執筆しました 。
この作品に限らず私自身は 、日々ゲ ームブックの復興を自らのミッションと定めて行動しています 。

自分の作品としてだけでなく、ジャンルとしての「ゲームブック」自体への想いや気概があって、このクオリティの作品が生まれたのかと思うとワクワクする。この辺りも、Nintendo Switchのリリースタイトルで、かつ代表作になろうとしていたであろう「ゼルダ」ともなんとなく被る。ジャンル自体をなんとかしようとしているあたり、その想いはより強いかもしれない(比較するものでもないけど)。

少なくとも、自分の中では21世紀はわからないけど、平成を代表するゲームブック。。というか平成を代表するゲームの1つにはなった。

少しでも多く売れて、少しでも多くの才能が集まる分野になってくれるといいなぁ。

#日記 #ゲームブック #護国記 #ゲーム

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