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イミテーションゲーム

#イミテーション・ゲーム
チューリングマシンやチューリングテストで有名な数学者の「アラン・チューリング」は、極秘裏にドイツ軍の最強暗号「エニグマ」の解読に携わることになった。第二次世界大戦後秘匿され続けた暗号解読プロジェクトが50年の時を経て公になり、名監督の下ハラハラドキドキの物語として世に出ることになった。戦争に駆り出されなければ人工知能の発展がどれだけ促進されただろうかと想像すると、戦争の、技術非公開の罪深さを考えずにはいられない。

https://lrnc.cc/_ct/16902018

はじめに

アラン・チューリングは「チューリングマシン」、すなわち計算機を構成するには何が必要かを明らかにした人物として知っていた。
また、コンピューターと人間を見分ける方法「チューリング・テスト」の考え方を提唱した人物でもある。

そして、そして、日経サイエンス別冊「AI人工知能の奇跡と未来」の「チューリングの忘れられた研究」には、チューリングの新型計算機のスケッチが載っているのだが、ニューロコンピュータそのものというより、階層間の接続が2段階飛んでいたり、より自由なコネクションが描かれている。

アラン・チューリングが戦後おかしくならなければ、いや、平和な時代に生きていれば、人工知能はいきなり飛躍的な発展を遂げ、現在のAIブームが50年前に訪れていたかもしれない。

大げさに聞こえるかもしれないが、50年前と言えば、人類が月面に降り立っていた時代なのだ。全然大げさではない。

戦争が一人の天才数学者の才能開花を大きく阻害し、人工知能の研究を50年遅らせたのだ

イミテーション・ゲーム

アラン・チューリングは天才が故に、協調性がまるでない、人の気持ちが理解できない人物として描かれる。彼は、人間関係をよく理解するジョーン・クラークにたびたび助けられる

産総研、近畿大学、JAXA・・・
私が楽しそうに研究するのを快く思わない上司が必ずいたな

梶田秀司先生もお気に入りの映画のようだ

博士と彼女のセオリー

同時期に、ホーキング博士の生涯を描いた「博士と彼女のセオリー」が公開され、嫁さんと映画館で鑑賞した。
私には、ホーキングの研究の偉大さそっちのけで「女好きの博士」のような描き方がされているように感じ、違和感だけが残った。嫁さんも似たような感想で、「ホーキング博士が可愛そう」と言っていた。

脚本や監督によって、同じ科学者の伝記でもまるで違った雰囲気になるものだなと思った。
もともと伝記物は難しいのだ。

エジソンズ・ゲーム

「イミテーション・ゲーム」にかけて邦題「エジソンズ・ゲーム」にしたのだろうが、原題は”The current war"、エジソンとテスラの、電力網の覇権をかけた争いが見どころだ。

確かに面白いが、エジソンが主人公というわけではない。誰の立場に立つかで物語の風景ががらりと変わる作品なので、エジソンを無理矢理主人公に据える邦題は勘弁してほしかった。

わたしにとっては、「博士と彼女のセオリー」より、まともな映画で、見応えあるシーンはありましたよ。

おわりに

科学者の伝記映画は難しい。
他の作品と見比べると、「イミテーション・ゲーム」の、何度鑑賞しても映画世界に引き込まれる監督の手法にうならされる。

もっとも、私がアラン・チューリングに同化しやすい「人の気持ちが理解できない」人物だからかもしれないけどね

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