ひろ

妄想に負けないスピードで。コンテンツを愛する金山さんが目指すモノ。

意味は分からないけれど、なぜか目が止まる。ゴミ山地球というハンドルネームで、奇妙な動きや妙にクオリティの高い編集が際立つ動画を上げている人物。それが金山宇宙さんだ。

「今はAbemaTVでバラエティ番組に携わっているんですけど、この3年間で色々とやりましたね。PR映像の制作とか、メディアの立ち上げとか。ゲーム番組の制作なんかは、台本つくるところからやってました」

いまやタイアップ広告で宣伝したサービスが、何万いう規模でダウンロードされたりと、テレビと比べても遜色のない影響力を持つネット動画。
そんな時代の中、金山さんが上げている動画は完全に趣味だそうだ。とる人も出る人も全部知り合い。仕事とは別に、趣味として彼自身が動画を上げることに意味はあるのだろうか。

「会議や現場で自分のつくった動画を見せると、『普段こんなことやってんだ』って、話すネタになったりしますね。あとは社内PRが大きいです。うちの会社の人たちも見てくれているらしくて、何かやるときに呼んでもらえることもあります」

僕の投稿を見てくれた方がマッチングアプリの広告モデルのオファーをくれたんです、と彼は嬉しそうに話す。

「もちろん世に出るタイミングでみんなのリアクション見たら良かったなって思いますけど、最初のこの動画つくりましょっていうワクワク感とか、つくってる最中のこれほんとに良い動画になるのかっていう不安感や、いいものできてきたなっていう期待感とか、一連の流れが全部好きですね」

彼の上げている動画は、多いものでは再生回数が9万回を超えるものもある。このままこれを仕事にしようとは思わないのだろうか。

「それは考えてないです。ネガティブな意味じゃなくて、どちちかというとプロデュース側として、自分がつくったコンテンツに対してファンが増えて行ったらいいなとは思います」

「最初は自分が上げている動画も再生数を稼げないと続ける意味ないなと思ってたんですけど、今の状態で色んな仕事に繋がっているので全然プラスだと思っていて。面白いとか面白くないとかじゃなくて、目を止めてくれたら俺の勝ちみたいな。どれだけ面白くないって言われようが、誰かしらに刺さるときはあるから」

まずは0から1をつくること。自分の一番の根っこは“企画”だと言う金山さんは、アイデアを実現させることに全力を注いでいる。だからこそ、コンテンツへの想いも深い。

「お世話になっている人たちと協力してつくった番組との関わりがなくなったことがあったんです。それからひと月ぐらいやる気がなくなってしまって。色んなことを任せてもらえていたので、『自分があのときこうしてれば…』とか考えると、少し足が止まってしまいました」

「このままじゃダメだと思って、そのとき動画つくったんですけど、全然面白くなくて。無限に時間あるとき、脳みそ止まるんです。この2、3時間しかないってなると、一気にエンジンかかるんですけど。そのとき、とりあえず自分は負荷がかかっているほうが良いんだなと思って、すぐに切り替えて、前を向き直しました」

悩み事は、悩むことでは解決しない。走り続ける中で溢れ出てくる妄想が、彼の行動スピードをさらに加速させている。

「自分の武器は、妄想に対する行動力だと思ってます。脳みそ通さずに動いてしまう病気みたいなものですけど。どうしてもやりたいことは直談判しに行ったり、先に追い込んでからじゃないと行動しないので。でも、これだって決めたときの行動力は、絶対に誰にも負けないと思います」

あとはもっと実績をつくっていければ。

金山さんは妄想を止めることなく、どんどんと先を見据えている。

「いつか自分で会社を立ち上げたいと決めてるんです。ちゃんと稼げるようにして足下固めて、そこから自分の好きなことでコンテンツをつくりたいなと。マネタイズの仕方もそうなんですけど、もっとコンテンツ制作の勉強もしていきたいですね」

「あ、でも最終的な夢はレジャーランドをつくることなんで。65歳ぐらいでレジャーランドつくって、プロモーションの場がないクリエイターさんと契約して、キャラクターとかプロデュースして……」

冗談に聞こえるような、どれだけ大きな妄想も、彼ならなぜか実現させてしまいそうな気がする。

「人生はネタでしかないんで」

そう言う彼は今日も明日も、きっと、何かを企てている。



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