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兼業リーマンの2023年注目投資テーマ

こんな記事は今年もたくさん書かれていると思いますが、イチ兼業リーマン投資家が今年のテーマを考えてみます。

◆2023年全体感

2023年は全体としては少なくとも前半は不安定な相場になると思います。アメリカのリセッション懸念、日銀総裁人事など、株式市場に大きな影響を与える懸念要素があるためです。
23年後半には少し落ち着いて横ばいもしくは少し上向きの相場になるのではと思っています(願っています)。
とはいえ全体感に不安はありつつも盛り上がりそうな注目すべきテーマがあるため、今回まとめてみました。

個別のテーマの内容については別のnoteで書いていこうと思います。

◆2023年の注目投資テーマ

防衛

直近で岸田政権より防衛費増税の方針が発表され話題になりました。
昨今はロシア・ウクライナ戦争や北朝鮮、中国などの地政学リスクが取り沙汰されています。これに伴う防衛関連製品の開発・製造を担う銘柄に注目が集まるとされています。
政府が定める防衛費目安は向こう5年で43兆円で現在の1.5倍となります。
加えて今は禁止としている海外への戦車やミサイルなどの輸出条件の緩和も政府によって検討されています。
この大きな変化の恩恵を受けそうな銘柄が人気化しそうです。

 関連銘柄には三菱重工業(7011)、石川製作所(6208)、川崎重工業(7012)、日油(4403)、IHI(7013)などがあります。

原発・脱炭素

22年はエネルギー不足が多く取り上げられた1年でした。ウクライナ情勢に伴うLNG供給リスクや、電力価格高騰などです。
政府は現状を顧み、より安定的にエネルギー供給が可能な原子力発電の再稼働や新設を進める方針を明らかにしました。具体的な内容は22年末までに結論をまとめたいとのことでしたので、近く何かしら発表があるかもしれません。

また、原発はCO2をほとんど出さないとされており、脱炭素の観点からも着目されると想定されます。
これに伴い、原発・脱炭素に関連する銘柄は注目されることになるでしょう。

関連銘柄は東京電力(9501)、日揮ホールディングス(1963)、日本製鋼所(5631)などが挙げられます。

リユース・生活防衛

22年も地味ながら堅実に注目を集めていたテーマです。23年は利上げや景気悪化などの不景気ニュースに伴い、生活コストの削減からこれらの業績向上につながるのではと想定しています。
中古車や中古品、格安商品販売など、低コストで商品を購入できるビジネスが強さを発揮しそうです。

海外旅行客が増えればインバウンドとしての売上増加も見込めますね。

関連銘柄としては、コメ兵HD(2780)、シュッピン(3179)などのリユース銘柄、セリア(2782)、キャンドゥ(2698)などの100円均一銘柄などがあります。

地銀

日銀の利上げや金融緩和抑制方向への転換によって追い風が吹くのが銀行や保険といった銘柄です。これらの銘柄はキャッシュ(現金)を保持し、それらを貸し出すことで金利を得ているため、金利上昇はそのまま利益幅の向上になります。
20年の菅政権時代には乱立する地方銀行の再編思惑などもありました。22年は有名個人投資家井村さんの地銀株大量保有報告でも話題になりました。
23年には日銀黒田総裁の退任もあり、金融緩和抑制がさらに進むことが想定されています。
関連銘柄はたくさんありますので、省略します。

スマスロ・スマパチ

スマートスロット、スマートパチンコの略で22年末に注目されていたテーマです。
既存のパチンコ・スロットとは異なり、出玉やコインを電子的に管理するため球などに触ることがなくなります。このパラダイムシフトとも言える変化に際し、パチスロ台をどんどん置き換えていく必要があり遊技機メーカーに特需が発生する、というテーマです。
22年11月に導入が始まり、本格導入は23年3月となっています。23年前半の目玉になりそうです。

遊技機メーカーやシステムメーカーの関連銘柄には、円谷フィールズホールディングス(2767)、藤商事(6257)、ゲームカード・ジョイコホールディングス(6249)、JALCOホールディングス(6625)、マミヤ・オーピー(7991)などがあります。

旅行・インバウンド

アフターコロナ関連大本命の旅行・インバウンド銘柄です。海外旅行客の増減によって業績が変動する銘柄ですね。
20年にコロナによって海外旅行客数は激減しました。しかしコロナ前にはまだまだ届かないものの2022年末で回復傾向が見え始めています。関連銘柄の株価見直しも進みそうです。

出典:「政府統計の総合窓口(e-Stat)」、調査項目を調べる-国勢調査(総務省)「出入国者」より作成

関連銘柄としては日本航空(9201)、オープンドア(3926)、資生堂(4911)などのドラッグストア系などが挙げられます。

AI

AI関連銘柄も着目したいです。
近年多くのAI銘柄が上場し、高い人気がPERに反映されています。IPOで高い株価をつけ、その後大きく長期的に株価を下げていく傾向が強いです。理由としてはAIという将来性の高い技術を持ちながらも、業績に結びつく(安定的に黒字を出せる)ケースが少なかったから、と考えています。
理想と現実のギャップですね。

しかし直近ではAI関連銘柄の業績が好調なものも多く出てきており、徐々にAIの価値が認められてきています。
業績向上から株価が見直しされる、そんなAI銘柄が多くなる年になると考えています。AI銘柄は沸落が激しく、銘柄選別と胆力が必要ですが注目すべきテーマになるでしょう。

関連銘柄は本当に多いので、別の記事で注目株をまとめようと思います。

◆その他

逆に注目を集めそうだけれど、全体的には弱いのではないかというテーマもあります。

メタバース

21年後半、22年に話題になったテーマですね。2437シンワワイズが江戸バースとして国産メタバースを発表したり、話題には事欠かないテーマです。
株は①思惑で買われる→②思惑と現実からピークが落ち着く→③事実(業績)で買われる、というのが一般的です。メタバースは既に②のフェーズに入っており、かつ業績につながる(③に移行する)までが長いテーマだと思っています。あのアメリカのメタですら苦戦していますからね。
監視しても良いと思いますが、②のフェーズでは安定的上昇は見込めないのではと踏んでいます。

NFT、Web3

これもテック界隈では頻出のワードですね。
22年はメタバースと同様、NFTなどに参入すると発表しただけでストップ高、などのケースが散見されました。ただしこれもマネタイズに成功している事例は少なく、業績反映されるまでは長い時間がかかるものと思います。

◆最後に

2022年は金利の急激な変動や日銀の発表など、イベントに翻弄されたシーンが多かったのではと思います。個人投資家界隈でもダブル・スコープ(6619)やバンク・オブ・イノベーション(4393)、ANYCOLOR(5032)など話題になった株で痛い目を見た人も多そうです。
失敗は反省しつつ、下がる時もあれば上がる時もあると、希望を持って23年も相場に取り組んでいきたいですね。

それでは今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
皆様にとって良い1年となりますように。

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