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『ヨガの幸せに生きる智慧』森本和子

「自分で自分の限界を作るな」と教えてくれた一冊

「ヨガ… そういうえば、小学校のときの友人が、ヨガのインストラクターやってたなあ…。」

申し訳ないが、ヨガに関しては、もともとその程度の認識。やってみたこともないし、そんなに詳しく知らない。けれど、おそらくポイントはそこじゃないんだよね…。

この本の筆者は、55歳からヨガのインストラクターになるためのスクールに通い始めたらしい。それまでは、ライターとして25冊も自著を出版している…。

そのまま仕事をされていても、おそらく順風満帆なはずなのに、どうしてジョブチェンジなんかを…。しかも、55歳から。 もうそんなに頑張らなくてもよくない? なんて思いながら読み進めていった。

筆者がインストラクターになろうと思ったきっかけは、東日本大震災。 自身が、ヨガで体が楽になった経験から、「東北の人もヨガで体をほぐしてあげよう」という想いで、インストラクターを目指したのだという。

ヨガ・インストラクター業界の平均的な年齢が、どれくらいのものなのか、やんやんは、全く知らないけれど、50代の新人のインストラクターといったら、なかなか難しい世界なのではないだろうか?

けれども、この筆者はやっちゃった。あれこれできない理由を探すのではなく、やりたいことを実現するために、自分が今やれることを。年齢を理由に、環境を理由にして、逃げないで、着実にひとつひとつやり続けていただけ。

『できない言い訳をするより、どうすれば、やりたいことができるかを考える方が素敵です。できないんじゃなくて、やらないんです』

本文にも書いてある著者の言葉は、至極真っ当な意見だ。まさに正鵠を射る如し。

本書には、このような、人が人らしく、自分が自分らしく、楽に生きるうえで指針になるような、珠玉のような言葉とエピソードが多くちりばめられている。

そのほとんどが、筆者が、ヨガを習い始めてから得た知見や、憧れの土地だったインドにいって、現地で学んで得た知見だ。

なかには、至極当たり前のことも書いてあるけれど、知っていることと実際にできているということは、また別のこと。「ありのままの自分を受け入れる」「ネガティブな感情も受け入れよう」など、仏教の「諦観」や「観想」「正見」にもつながる考え方だと思う。仏教がヨガ的なのか?ヨガが仏教的なのか? この2つは、同じお国から出ていることもあって、ルーツや共通点が気になるところではある。

本書は、一歩踏み出したいけど、なかなか行動できない人に、勇気を与えてくれる。独立や起業や独立など、一歩踏み出したいけど、踏み出せないってこと、いっぱいあるよね。そんな人たちが読んでみるとよい。行動を促す処方箋になると思った。

「結局、行動を起こすのに、年齢も、環境も、境遇も、関係ないんだよね~」っていう、そういうお話。おススメです^^



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