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30歳小説家、平日昼間からdocomoショップに行く

(画像)え、もうそんな時間!?

あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。
ある日、おじいさんは山へ芝刈りに
おばあさんは川へ洗濯に行った帰りにdocomoショップに寄りました
おじいさんとおばあさんの携帯料金は使用頻度の割に高く、プランを見直したかったからです。

おじいさんが芝刈りを終えると、家におばあさんの姿はありません。
待てども待てどもおばあさんは帰ってくる気配がありません。
おじいさんとおばあさんは年金暮らしだったから、
特に仕事をしていないのでスケジュールについては心配が要らないのですが
いかんせん、年寄がどこかに行ったきり帰ってこないというのは、精神衛生上よくありません。

陽が沈んでも帰らないおばあさんは帰ってきませんでした。
心配したおじいさんがdocomoショップに行くと、
おばあさんがdocomoショップのお姉さんに笑顔で手を振られながら、大きな赤い袋を抱えてお店から出るところでした。

「じいさんや、安く機種変更ができたからapple製品を買っちゃったよ」

こうして、二人の家にapple製品がやってきて、そのapple製品は桃太郎と名付けられたのでした。

めでたしめでたし

※今日のお話は各脳内の携帯キャリア三社に脳内変換してお楽しみください。

携帯電話の料金見直しは物凄く時間が掛かる
うっかり機種変更までしてしまったら更に時間が掛かる

私は今日、朝いちばんに「携帯電話の料金を見直してくる」と親に伝えたきり、昼時を大きく過ぎるまで家に帰ってくることができなかった。
親にはdocomoショップに行ったきり行方不明ということにされた。
だが、私はもう30歳なので、そのことに対して親は「まぁ銭湯にでも行ったのかなって思ってたわ」と言われた。おわかりだろうか。原稿をしに行ったとは思われていないのだ。驚きの信頼されていなさよ。……話が逸れた。

さて、ここで問題だ。
この話で実は大変なのは誰だろうか。
おじいさんだろうか。おばあさんだろうか。それとも、30歳にもなってSNS中毒で仕事も恋愛もうまく行ってない小説家?

残念ながら全て違う。小説家だと思った人は素直に挙手するように

もうお気づきだろう、実はとても大変だったのはdocomoショップのお兄さんやお姉さんだ

おばあさんは待ったから大変だ。おじいさんも心配して大変だった。
だが、docomoショップのお兄さんとお姉さんはもっともっと大変だ

もちろん、老夫婦たちがとても大変だったのは承知の上で話していく。

なぜなら、その日のdocomoショップのお客様は絶対におばあさんだけではなかったからだ

彼ら彼女らは、おばあさんだろうが、寝ぐせのすごいすっぴんの30歳の独身小説家だろうが、爽やかな笑顔で出迎え、根気強く丁寧に複雑怪奇な料金プランを説明し、相槌を打ち、時には料金の高さや一度の計算ミスを理不尽に怒られたりする。

とにかく、携帯電話は料金体系が複雑なのだ
私も何度も頭に「?」が浮かんでは消えた。
基本料金や機種の料金はそれほど高くないはずなのに、色んなオプションやら保証やら割引やらがガンガンに足したり引かれたりさえれていつの間にやら大変なことになっている。

私もだんだん混乱状態になっていき、途中から猛烈にどうでもよくなってきてしまった。

割と強めの意志を持って電話を解約し、格安スマホに乗り換えるつもりだったのだが、結局、新しいipadを手にしている。
しかしまぁ、これには色々と事情があるので、とりあえずそのままでいい。
「格安にすればいいのに~」と言われそうなものだが、とりあえずそれも保留だ。

とにかく、docomoショップのお兄さんお姉さんは大変だと思い知らされた。

彼らの仕事はとにかく文字通りの懇切丁寧だった。
私は「パソコンはctrl+Sを押せば保存ができる」程度の知識しかもっていないが、docomoショップを訪れる人々は、コンピューターに触れないような人だって大勢いる。

「なんか高い」「なんか安い」と「っていうかこれ、詐欺なんじゃないか」などと訴える人も少なくないのだ。
そんな中で、彼ら彼女らは私たちでもわかるよう、優しく笑顔で新しい料金を教えてくれる。料金だけでなく、色々なことに対応してくれる。神仏の類なんじゃないだろうか

docomoショップでやたら待たされるのも、受付ができてもなかなか帰れないのも、お兄さんお姉さんがとても丁寧で親切だからだ。

しかし、その彼らからすれば、これは大変な仕事なのではないだろうか。
これが一日だけならいい。毎日だ。いくら説明してもわかってくれければ、心中「ぎいいいいいい」ってなるだろうに、彼らは笑顔でいなくてはならない。私がその立場なら服を脱ぎ散らして、あのガラスの扉を破って発狂しているだろう。
多分、あの人たちは聖人とか預言者とか、悟りを開いているとか巫女だったりとか、とにかく神やシャーマンに近い存在なのだろう。本当にお疲れ様です……。

そんな中、私が携帯電話会社の偉い人たちに望むのは、シンプルでわかりやすい料金プランだ。
そうすれば、docomoショップのお兄さんお姉さんたちがもっと説明しやすくなる。自分の親しい人が、docomoショップに行ったきり行方不明(※ずっとdocomoショップにいる)になることも少なくなるだろう。

docomoショップのお兄さんお姉さんを応援できる方法はなのだろうか。

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……ですが、今回のそのスキはdocomoショップのお兄さんお姉さんにあげてほしいです。

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